3年ぶりに上演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に帝国劇場へ行ってきました。約5か月ぶりとなる舞台作品観劇でしたが、今回を以て2024年の納めとなりました。今年は後半ほとんど劇場行けなかったな…(苦笑)。
3年前の2021年は新型コロナ禍真っただ中ということもあり、予定に入れるはずだった大阪公演(当時は西側地区に住んでいたので)は全公演中止で行くことができませんでした。ということで、私個人としてのレミゼは2019年公演以来5年ぶり。帝劇でレミゼを観劇するのはなんと11年ぶりということになります。
レミゼのリベンジ上演が決まったというニュースを聞いた時、実はあまり前のめりではなくてチケットが取れそうならチャレンジしようかな程度の認識でした(←未だに過去の演出変更ショックの傷が癒えてないので 苦笑)。ところが、2024年のある日、その考えが吹っ飛ぶ出来事が起こりました。
それが、飯田洋輔くんがジャン・バルジャン役に抜擢されたという超ビッグニュースです(私にとっては、ですがw)。
ここ数年、洋輔くんが劇団四季に在団していた頃から「外部作品で躍動する姿も見てみたい」という個人的な”欲”が膨らんでいたんですよね。その時に自分の中に思い浮かべていた役柄の筆頭が、レミゼの”ジャン・バルジャン”だった。なので、退団してからすぐのこのタイミングでそれが実現すると知った時は、震えがくるほど嬉しかったです。
これはもう、何が何でもチケット戦線に加わらねばなりますまい!!!
最初のローテンションが嘘のようにwチケ取り意欲に燃えた結果、帝劇3公演を確保。その1つ目がこの日の観劇です。本当はもう少し確保したいところでしたが、チケット代金高騰の関係上…東京は3つで堪えることにしました(それでもけっこう清水の舞台から…状態でしたが 汗)。
ちなみに、今回の『レ・ミゼラブル』が帝国劇場建て替え前最後の舞台作品上演となります。それに合わせて「帝国劇場アニバーサリーブック」が先行発売されました(←帝劇特別特典の”着到板オリジナルクリアファイル”欲しさに発売日初日帝劇に約2時間近くの行列を並んだ私ww)。
相当な厚さと重さなので通販で購入することをお勧めしますが、帝劇に思い入れがある方にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。
以下大いなるネタバレを含んだ感想です。
※過去の『レ・ミゼラブル』観劇の感想記事あり〼
2024年12月24日マチネ公演 in 帝国劇場(東京・有楽町)
主なキャスト
- ジャン・バルジャン:飯田洋輔
- ジャベール:伊礼彼方
- ファンティーヌ:昆夏美
- エポニーヌ:屋比久知奈
- マリウス:中桐聖弥
- コゼット:敷村珠夕
- テナルディエ:駒田 一
- テナルディエ夫人:森公美子
- アンジョルラス:小林唯
- ガブローシュ:中井理人
- リトルコゼット:平山ゆず希
- リトルエポニーヌ:井出陽菜乃
男性アンサンブル
増原英也(司教)、佐々木淳平(工場長)、小林遼介(バマタボア)、深堀景介(グランテール)、岩橋 大 (フイイ)、伊藤広祥(コンブフェール)、柴原直樹(クールフェラック)、東倫太朗(ジョリ)、横田剛基(プルベール)、藤岡義樹(レーグル)、大津裕哉(バベ)、ユーリック武蔵(プリジョン)、宮島朋宏(クラクスー)、松村桜李(モンパルナス)
女性アンサンブル
白鳥光夏(ファクトリーガール)、般若愛実(買入屋)、石井麻土香(かつら屋)、三浦優水香(マダム)、青山瑠里(宿屋の女房)、荒居清香 (カフェオーナーの妻)、石丸椎菜 (病気の妻)、大泰司桃子 (鳩)、吉岡花絵 (あばずれ)、吉良茉由子 (身代わりの妻)
旧演出では1人が複数役担っていた役柄が、新演出になってからバラけています(以前は司教とレーグル、バマタボアとグランテール、工場長とコンブフェールはそれぞれ1人の役者さんが演じ分けてた)。私はまだ新演出を見慣れていないこともあってか、このあたりちょっと混乱することも(汗)。
それにしても…こうしてみると、女性アンサンブルの皆さんにはちゃんとした”名前”が付いていないんだなと改めて考えさせられます。記されてるメイン役としての登場場面が限られてしまうので仕方ないかもしれないんですけどね…。”あばずれ”というネーミングとかちょっと気の毒だなと思ってしまう(汗)。
一番謎だったのが”鳩”。そんな役あったっけ!?と不思議に感じてしまった。これ、1幕のテナルディエの酒場シーンで「鳩だよ、飛んで舞い上がる」の時に出てくる娘さんのことを差してるらしいんですよね。1997年からレミゼ見続けてますが、今回そのことを初めて知りました(滝汗)。”鳩”だけじゃ、飛んでる鳥が出てくるの!?と勘違いしてしまうよ(←過去に小南満佑子さんも同じこと思ったそうなw)。
概要とあらすじ
2019年公演時の記事に概要と簡単なあらすじがあるので、そちらをどうぞ。
上演時間は1幕90分(1時間半)、休憩25分、2幕70分(1時間10分)。合計約185分(3時間5分)です。ただし、カーテンコールの時間によっては少し左右されると思います。
それから、私の別未完成ブログ(現在ちまちま制作中 汗汗)に『レ・ミゼラブル』のストーリー解説記事をひっそりとアップしています。レミゼ初心者の方にもできるだけ分かりやすく書いたつもりなので、よろしければ参照してみてください。
全体感想
2019年以来のレミゼ観劇でしたが、一通り見た限りではそんなに当時と大きく演出は変わっていないなという印象でした(ちなみに新演出に変わったのは2013年)。
一時期少し貧相になったバリケードも旧演出と同じ規模のものになりましたし、何より歌の余韻を感じられるような雰囲気に戻ったことが個人的には嬉しい。新演出になったばかりの頃は歌と歌の間のテンポがすごく早くてシーンを噛みしめる余裕がないように感じてしまうこともあったんですよね。今回はちゃんとワンシーンワンシーンを自分の中に昇華するだけの余裕があったので、今後のこのくらいのペースで上演していってほしいです。
ただやっぱり照明がかなり暗いんですよね。久しぶりに見たからなおさら感じてしまったのかもしれないけど、真ん中より後ろの席だと舞台のかなり前の方に来てもらわないと誰だか判別しづらいレベル(汗)。今回のレミゼは後方席からの観劇だったのですが、オペラグラス越しに目を凝らすことで必死になるのもしばしばでw。個人的にはもうちょい明るくしてほしいんだよなぁ…。
前半で演出が変わったなと思ったひとつが♪一日の終わり♪。
バルジャンの独白が終わった後、8年後のモントルイユ・シュール・メールでの光景になり貧困層の人たちが凄んで歌うのは同じですが、最後「それで一日が終わりなのさ」と歌った直後に女性キャストだけがボロを脱ぎ捨て一列に並び、工女へと早変わりしたのは初めて見た。この転換方法はストーリーの繋ぎもスムーズにいくし視覚的にも驚きがあるのですごく良い変更点だなと思いました。
♪ラブリィ・レイディ♪の場面はさらに退廃的な雰囲気となり、ファンティーヌの悲劇がより鮮明にクローズアップされるようになった印象。特にバマタボアとの攻防戦がスリリングでめっちゃ怖い(汗)。
バマタボアを演じていたのはミュージカル『この世界の片隅で』で素敵な優しい旦那を演じ軽やかに踊っていた小林遼介くん。ファンティーヌ役の昆ちゃんは『この世界~』の時に主人公のすずを演じてたこともあり、あのときとは全く違う関係になった二人を見てなんだか心がざわついてしまいました(汗)。
バルジャンとジャベールの最初の対決場面。ファンティーヌが召された直後の緊迫したシーンではあるのですが、病院で鎖ぶん回しながらくんずほぐれつで暴れる二人…って、冷静に考えるとかなりヤバイ奴らだなとwww。
ちなみに、旧演出では病室にあった椅子をバルジャンがぶっ壊して武器として警棒構えるジャベールに攻撃かけてたんですよねw。それが新演出ではプロレスのデスマッチか!?ってくらい凶暴になってますから、思い切った変更したよなぁと(笑)。
♪宿屋の主人の場面は、旧演出よりも新演出のほうが「酷いところ」というフレーズがぴたりとハマる雰囲気になってます。マヂで、あんな酒場行きたくないっすww。
個人的には2番目に入って来たお客さんの演出が未だにちょっと嫌なんですよねぇ…。旧演出の時には超お金持ちっぽい紳士がやってきて知らないうちにテナ夫妻にホイホイすられてるって感じだったんですが、新演出になってからは目が不自由なお客さんに変わってて。見えていないことをいいことに夫妻が嘲るように堂々と盗みを働くって感じになってしまっている。一緒に持ってきた鳥籠のなかの鳥さんも無残なことになりますし(涙)、なんか見ていて気分が悪い。リアルを追求するとあんな感じになるんだろうけど、ここは個人的には旧演出に戻してほしいと思ってしまう。
バルジャンがコゼットを引き取りたいとテナ夫妻に申し出る場面の演出は音楽も含めちょっとコミカル度が増したなと思いました。バルジャンがテナ夫人に近づいた時「くさっ!!」と顔を歪めるのは初めて見たので思わず吹き出しちゃったよwww(洋輔くん以外もあのリアクションしてるのかな?)。
でも、お金を釣り上げようとする夫妻が、立ち上がろうとするバルジャンを抑えつけようとしてた演出が無くなりましたね(私が見た回だけかもしれないけど)。あのリアクションけっこう好きだったのでちょっと寂しかった。
10年後のパリの場面は新演出になってより町並みのセットがリアルになって見応えがあります。建物セットの中からも市民が顔を覗かせて歌ってたりするのが面白い。
エポニーヌがマリウスをからかう場面。「私も読めるわ」とマリウスの本を強引に手に取ったエポが「その本は君の知らないことばかり」と笑われたあとポーンと遠くに投げ捨てちゃうのがなんだか彼女らしさが出ていて好きです。旧演出は投げませんでしたからね。エポニーヌはマリウスに恋心抱いてるのが滲み出てるんだけど、マリウスはエポニーヌのことを手のかかる妹としか見ていないことが火を見るより明らかっていうのがなんとも切ない関係。ここも新演出になってからより鮮明になった気がします。
マリウスとコゼットの初めての出会いの場面の光の演出は前回も思ったけどとても漫画ちっくで分かりやすいです。二人ともザ・一目惚れ状態(笑)。出会ったその日から両想いになってる二人っていうのがすごいよなぁと改めて。でも、その現場を目の当たりにしてしまったエポニーヌの心の痛みがリアルに伝わってきてとても切ないです。
一方のテナルディエ一味による悪事の計画シーンは前回観た時よりもコメディ色が強く出ているなと思いました。ここ数年見た感じだと、テナルディエ達の欲望の塊みたいな”怖さ”がクローズアップされていた印象だったのですが、今年度は少し旧演出の時のような場を少し和ませるようなコミカルな面が復活したような気がして嬉しかったです。ジャベールに見つかってチンマリしてるシーンなんかは客席の笑いも誘ってましたしね(ここ数年はほぼ笑いゼロだった)。
個人的には、テナルディエがジャベに「被害者無しなら帰っていいな?」とニヤニヤ近づきながらも睨まれたらスタコラサッサで逃げちゃうシーンが一番笑いましたww(駒田さんだけのリアクションかもだけど、あれすごい好きw)。
ABCカフェは前回公演の時からアンジョルラスやグランテール以外の学生の声もリアルに鮮明に聞こえてくるようになってより活気に満ちたシーンになっていると思います。旧演出の時にはいなかったカフェのオーナーさんも登場しますし、カフェ内の熱気と密度がとても濃い。そんな雰囲気の中に恋に浮かれたマリウスがニマニマして入っていくのでww、その異質感みたいなものが見た目にもはっきり分かります。
つい数秒前までは革命の話に夢中だった学生の数人が、マリウスの恋話に意識がいって2グループに分かれちゃう。アンジョルラス派とグランテール派みたいになる。ここの演出は前々回公演あたりからくっきり感じられるようになってドラマ的にも面白いです。
ガブローシュが「ラ・マルク将軍が死んだ」と伝えにやってくる場面、以前見た時はめちゃめちゃカフェ内の学生たちの熱気が盛り上がりすぎてて全くガブローシュ声がかき消されるレベルだったのですが(汗)、今回見たらその当時よりかは少し落ち着きがあってガブの声もちゃんと聞こえてきました(シーン的には「黙れぇ!」と叫ばれるまで学生たちは気づかないんですけどねw)。
エポニーヌがマリウスをコゼットの家へ案内した場面。以前はマリウスが観劇のあまりエポニーヌを抱きしめちゃうリアクションがあったのですが、今回見たら熱烈に感謝を伝えただけでしたw。まぁ、抱きしめちゃうよりもエポの心の傷は浅いからいいのかな。
マリウスがバルジャン宅に”不法侵入”wする場面は、未だに旧演出を思い出しちゃうんですが(歴代マリウス役者さんが苦労してたシーンと語ってたw)今回見たらそれと似た演出になってました(柵よじ登り)。旧演出と違うのはその後から。旧版ではマリウスが中に入った瞬間にコゼットと鉢合わせしてたのですが、新演出からはマリウスが石を拾って2階の部屋に投げて知らせることになってます。
流れとしては自然かなと思うのですが、ただ、マリウスはあの部屋がコゼットの居る場所だとなぜ分かっていたのかが謎(笑)。もしもバルジャンの部屋だったらコゼットに会う前にヤバい事態になってたかもよ!??と毎回いらん心配をしてしまう私ですww。あと、マリウスが「きみを困らせた」と動揺してる時にいつの間にか家とは逆方向からコゼットが現れたのにも驚かされました(笑)。テレポーテーション!?みたいなww(←私が見逃してるだけかもw)。
♪ワンデイモアはいつ見ても心が震える大好きなナンバー。新演出になってからメインキャストが列に加わるまでの配置が大幅に変わりました。旧演出では基本的に全キャラがアンジョルラスを中心とする革命の列のすぐそばに配置されていたのですが、新演出になってからバルジャン、テナ夫妻、マリウスとコゼット、ジャベールの立ち位置がそこから離れバラバラに。ラストの盛り上がりのところでテナ夫妻以外が革命の列の方へ集まってくる感じ。
旧演出は少し抽象的に見せていたのに対し、新演出はリアルな光景として見せるほうにシフトしたって印象ですね。個人的には旧演出でテナ夫妻が舞台中央の穴からひょっこり顔出してるのが好きだったwのでそれが無くなったのは未だに少し寂しい。でも新演出では二人とも最後まで歌えるのでそれはそれで良いのかなとも思ったり(笑)。
2幕頭にジャベールが学生たちの革命運動に参加する場面、ジャベが市民の格好で現れたのちょっと驚きました。今までは「なんで皆ジャベが来たって分からないんだろう」というレベルだったのでwww、今回のような変装姿になったのは良い変更点だなと思いました。そしてガブローシュが「あいつ怪しいぞ?」と察して密かに後をつけるみたいな演出が加わっていたのもよかった。この方が後々のシーンへの流れが自然に見えます。
エポニーヌがバルジャンに手紙を届けるシーンは、新演出になってからエポの男装がバレてしまうって感じになりましたね。最初は男の子だと思ってけっこう乱暴な態度を取ったバルジャンが、その勢いで帽子から長い髪の毛が出てしまったエポを見て「あ、女の子だったんだ」と察して態度が変わる、みたいな。旧演出ではバルジャンはエポにほとんど興味持たない感じだったので、私は新演出版のほうがドラマチックで好きです。
最初にも書きましたが、バリケードの積まれてる量が5年前に観た時よりも分厚くなっていたのでホッとしました。前々回の時はあまりにも簡略化したバリケードが出てきて「これじゃ簡単に弾が中に入ってきて全然防御にならないじゃん!」と密かに心の中でツッコミ入れてたのでw。
エポニーヌの最期は何度見てもグッときますね。ほとんどの学生は♪恵みの雨の後半に差し掛かるまで彼女が瀕死の状態になっていることに気が付かない。マリウスだけが彼女に必死に寄り添っていて、ここでようやくエポニーヌは彼の気持ちを独り占めできたんだなと思うとグッときます(涙)。最後はキスが届かないまま終わってしまうのも切なかった(あのシーンは公演によってキスが届く時と届かない時があるけど、最近は届かずというのが主流なのかも)。
ガブローシュの最期のシーンは新演出だとやっぱりちょっと物足りないと思ってしまいます。旧演出では盆が回ってガブが危険ななか必死に弾集めしてる様子が客席に見えるようになってましたからね…。それが新演出になってから盆が回らなくなったためガブがどんな危険な状況にあるのか見えなくなってしまい歌声と学生たちのハラハラしている雰囲気からしか察することができなくなった。集めた銃弾をバリケードの仲間たちに投げ入れるのも無くなってしまったし…。
最期の瞬間だけは鮮烈な印象を与える演出になっていますが、私個人的には旧演出版のほうが泣けたかもしれません。
バリケードでの学生たちの最期のシーンは新演出になってから一人一人にライトが当たるようになりました。学生一人一人の人生の終わりが観る者の心に次々と突き刺さってくるようで、あれは本当に切ないです(涙)。
ちなみに旧演出ではジョリという学生がバリケードに足一本ひっかけた状態でぶら下がって事切れる一幕もあったんですよね。その凄技を最初にやってのけたのが初代ジョリを演じられた山本篤さん。私は山本さんで見ることはできませんでしたが(1997年が初見なので)その後も数人のジョリ役の皆さんがこの片足ぶら下がりの伝統を引き継いでいたのを思い出します。あれは本当にリアルにハラハラしました(汗)。
バリケードが落ちる寸前の演出もかなり大きく変わりました。このシーンは初めて見た時旧演出に見慣れていた私はけっこう衝撃受けたんですよね(汗)。特にバルジャンの行動がよりマリウス中心になったのが未だにちょっと慣れない…。
ただ、バルジャンがバリケードにやって来た本当の目的を鮮明に魅せるためにはこれが正解なんだろうなとも思います。マリウスを助けるために必死になるのも、彼を通してコゼットを想っているからというのがひしひしと伝わってくるのでね。
下水道のシーンは旧演出の光だけで表現するものから、映像演出へと変化しました。光の演出は2階席からしか伝わりづらかったので、個人的には映像で見せるほうが伝わりやすくて好きです。下から下水道の暗いトンネルの映像がグオーッとせり上がってくるのはけっこう迫力がありますよ。
あと個人的にはバルジャンがマリウスを必死に運ぶ最後のところが”お姫様抱っこ”になってるのが好きだったりします。最初見た時けっこう衝撃だったw。
ジャベールの最期のシーンも新演出になってから「橋」のイメージが視覚的に分かりやすくなったと思います。旧演出の時は想像力をけっこう働かせないと「橋」って見えない感じだったのでね(汗)。ただ、照明がやっぱり暗い…。あともう少しだけ明るくしてほしい気がするんですが…夜という設定的にはあれが限界なのかな。ジャベがセーヌ川の渦に巻き込まれるクライマックスは後方席から見るとかなり迫力があります。
女性たちが歌う♪犠牲者たちからマリウスの♪カフェソングに移るまでの流れは新演出になってからドラマチックに分かりやすくなりました。この2つのナンバーがリンクして革命の悲劇を見る側に訴えてる感じがしてグッとくるものがあります。
それから、マリウスの後ろに革命の仲間たちの亡霊が現れるシーンにガブローシュも加わるようになったのが個人的には嬉しい。ガブは少年だったけど立派な戦士だったからね。
奥の舞台袖へ捌けていくアンジョルラスの亡霊が最後一人だけマリウスに振りむいて「お前はこれから強く生きろ」と無言のメッセージを送っているかのような演出になったのも泣けました(涙)。
バルジャンが愛し合うコゼットとマリウスを見つめながら「俺のものじゃない」と寂しく歌う場面。旧演出の時は「お前にやろう」と歌う時に二人の背後に回ったバルジャンが優しい視線を送る仕草があったと思うのですが、新演出になってからバルジャンは最後まで愛し合う二人から距離を置いたまま歌うようになりました。それがとても切ないんですが…、個人的には寄っていった演出のほうが好きだったかなぁ。
そして…、これはもう、レミゼを観るたびにどうしても言わずにはいられないことなのですが…。やっぱり書きます。99年公演で短縮版になったときから削られてしまったバルジャンがマリウスに最初にかけた言葉。毎回大好きで泣いていたフレーズがごっそり削られたショックを未だに引きずってる私は(汗)、今回も脳内でそれを補完しながら見ました。
「もう言うな、マリウス。愛する息子よ。儂も話そう、恥に満ちた物語を。君だけには話しておこう。コゼットにさえ聞かせていない、哀しい思いをさせる話だ。昔だ…」
これが無くなって約15年以上経ちますが、そっくりそのまま頭にこびりついて離れない(苦笑)。たぶん解釈的にバルジャンはマリウスに対して”愛する息子”と呼べるまでの感情は持っていないということでカットされたのかもしれないなと思うんですが…、この部分のフレーズと旋律が好きだっただけに忘れられないんですよね…。
現在は、バルジャンが何の前置きも無しに突然「ジャン・バルジャンという男が」と突然語り出すのでw、マリウスは「??」状態で最初ついていけてないといった感じになってます(←そう見える 笑)。
結婚式の場面は、マリウスとコゼットの友人として砦の仲間たちを演じていたアンサンブルさんたちが大勢きらびやかな格好でバイト出演しているのが楽しいですw。あと、給仕さん増えましたよね?旧演出までは2人しかいなかったのに、今では4人いるw。唯くん給仕、最後去ってく時の足の上げ方が半端なくて思わず吹いちゃったよ(笑)。
バルジャンの最期のシーンは…ごめんなさい、私、感極まりすぎて滂沱の涙に溺れほとんど記憶が飛んでます(汗汗汗)。洋輔くんの感想のところでちょこっと触れますが、ここから最後までは酸欠になるくらい泣き崩れてた私です(←周囲のご迷惑にならないよう必死に顔をタオルで押さえてたので酸素が足らない状態になってたww)。
長くなってしまったのでキャスト感想は次のページにて。