ミュージカル『ミス・サイゴン』2008.08.07ソワレ

最初はこの回の観劇をする予定ではなかったのですが、先月観た市村さんがあまりにも素晴らしかったので某チケットサイトで安く売り出されていたのについつい手が出てしまいました(笑)。

初めて2階席からのサイゴン観劇となりましたが、中央前方だったのでけっこう見やすかったです。ヘリの着地点にバツ印があるのも確認できましたし(笑)、舞台の奥行きも見えておもしろかったですね。キャストの方の表情もけっこう裸眼で見えましたが、泉見くんのシーンだけはオペラグラスでガン見してました(笑)。

マチネのときのロビーはけっこう空いてたのですが、ソワレのロビーはかなり混み合ってましたね。特に帰るときの人の波はものすごかった!やはり市村さんのラストエンジニアが近いということもあるのかな。それにNHKでやったのも大きかったかも。

客席の反応もマチネとは違ってかなり盛り上がってましたが、ナンバーがまだ続くのに先走って拍手をしてしまう人もけっこういたのがちょっと微妙でした(苦笑)。まったく拍手がないのもさみしいですが拍手する場所ではないのに拍手が起こったりするのも妙な感覚になりますね。

しっかしソワレは熱い舞台だったなぁ。客席の熱気にキャストの皆さんが後押しされてさらにテンションが上がったみたいな、そんな雰囲気でした。なので、ソワレを見たあとはなんだか心地よい疲労感が・・・(←マチソワの疲労というのもあったかもですが 笑)。かなり濃いソワレの舞台だったので危うくマチネの記憶が消失してしまうところでした(汗)。この雰囲気だったら塩田さんの煽りも許せるかも。

主なキャスト
エンジニア:市村正親、キム:笹本玲奈、クリス:藤岡正明、ジョン:岸祐二、エレン:シルビア・グラブ、トゥイ:泉見洋平、ジジ:池谷祐子 ほか

以下、ネタバレありきのキャスト感想になります。

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市村正親さん(エンジニア)

本来ならば先月が最初で最後の市村エンジニアになるはずだったのですが、見終わった後に「なんとかもう一度だけ見ておきたい」という衝動に駆られて今回のチケット入手に至ってしまいました。マチソワで体力的にははちょっとキツいかなとは思ったんですが・・・市村エンジニアがそんな不安を打ち消してくれました。やっぱり今回も素晴らしかった!この日偶然一緒に観劇したネット友さんとも話したのですが、確実に4年前よりも若返ってます、市村さん(笑)。あの全身からほとばしるエネルギーの強さは2階席からでも圧倒されまくりでしたよ。

それにやっぱり立ち居振る舞いや歌う部分でもかなり余裕が感じられ、力の抜き加減のタイミングとかも絶妙。見事に客席を虜にさせてましたね。もう頭の先から足の先まで全身がエンジニアなんですよ、市村さんは。それに今回改めて強く感じたのは客席も舞台に参加しているような感覚に持っていけるすごい俳優さんだなということ。常に客席を意識して演じている市村さんだからできることだと思います。

市村さんのアドリブで今回一番おもしろかったのはバンコクで客引きのボスとやり取りするシーン。前回同様客入りを責められて帝劇のお客さんを指して「たくさん入ってます」と応酬した市村エンジニアですが、それに対して今回は客引きボスのアンサンブルさんが「いらっしゃいませ」とあいさつしてました(笑)。前回は市村さんのアドリブに「そんなショボイ客ばかりじゃなくて」しか返せなかったのでちょっと勉強してきたのかな(笑)。あと、バンコクにジョンが訪ねてきた時も相変わらずものすごい勢いで抱きついて客席を爆笑させてました。

「アメリカンドリーム」はやっぱり圧巻!!あのためにお金出しても惜しくないと思えるほど素晴らしかった。確実に4年前よりもパワーアップしてますから。とにかく最高のエンジニアを魅せてくれました。

カーテンコールでの市村さんのテンションの高さもすごかったです。追い出しのオケが終ったあとも一人で出てきてくれて最後の最後までお客さんに挨拶のサービス。すごい盛り上がってました。市村エンジニアは今回が最後になりましたが、思い切ってチケット購入して本当によかったです。

笹本玲奈さん(キム)

もしかしたら最初で最後になるかもしれない玲奈ちゃんのキム。4年前に観たとき「すごく良かったんだけど荒削りな部分が目立ってたかなぁ」と思ってしまったので今回予定に入れなかったんですよね。

ところが・・・今回観てびっくりしました。4年前よりも確実に進化した玲奈ちゃんのキム!役の粗さはほとんど目立たなくなり女性としての柔らかさが出てました。彼女にとって昨年「ウーマン・イン・ホワイト」を演じたことが本当にすごく大きかったんだろうなぁと思いましたね。彼女の著しい成長がなんだかとてもうれしかったです。

玲奈ちゃんのキムはマチネの知念キムと違って本当にクリスがいないと生きていけないタイプ。クリスへの恋心は今まで見てきた二人のキムよりもかなり強いと思いました。タムへの愛情も本当にすごくあるんだけど、そこの原点にはちゃんとクリスがいるんですよ。なので感情移入がすごくしやすかったです。クリスとの別れのシーンは涙なくしては見れないくらい哀れで・・・。ラストシーンで死を選んでしまうことが納得できてしまう玲奈ちゃんのキムでした。

それからもう一つ印象的だったのがトゥイに対しても優しくなっていた点です。4年前はかなり激しい感情で拒絶していたといった印象だったのですが、今回はちゃんとトゥイの気持ちも受け止めた上で拒絶していました。それがすごくよかったです。これはもう一度玲奈ちゃんのキムが見たくなっちゃったなぁ…。どうしよう(汗)。

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藤岡正明くん(クリス)

4人のクリスの中ではけっこう濃い顔の藤岡クリス(笑)。でも、マリウスのときはあまり感じられなかったのですが・・・歌声がものすごくきれいなのでちょっとビックリしました!マチネの原田くんもきれいだったけど、藤岡君もこんな美しい歌声だったんだなぁと感動してしまいました。

全体的な印象は・・・原田くんがお坊ちゃまタイプなのに対して藤岡くんはちょっと田舎から出てきた普通の青年といった感じ。どこにでもいるような普通の青年がベトナム戦争を経験したことによってどんどん追いつめられてしまうという背景が一番見えてくるクリスだったと思います。ただ、ベトナム脱出でキムを探し回るシーンとキムの名前を呼ぶシーンは他のクリスよりもちょっと抑え気味だったかも?声がちょっと低めだからそういう風に感じてしまったかもしれませんが・・・そこだけがちょっと気になりました。

一番印象的だったのがラストシーンです。銃で自殺したキムを抱きしめるのですが、キムが事切れた後に彼女が自殺に使った拳銃を拾って見つめながら「ちくしょう・・・」と自らへの憤りを吐き出してたんですよね。クリスが渡した銃で自らの命を絶ってしまうキム。そのことの重みをものすごく感じているような藤岡クリスの表情がとても素晴らしかったです。

岸祐二さん(ジョン)

私的には今回ジョンに配役された役者さんの中で一番イメージに合ってるなと思ってたのが岸さんでした。4年前のアンサンブルを経てついにプリンシパル進出ですね!

やっぱり岸さんにジョン役はすごく合ってました。体格といい風格といい、ジョンってこんな人だったんだろうなとすごく思える。歌声も堂々としていて素晴らしかったです。一番おもしろかったのが冒頭の「火がついたサイゴン」の岸ジョン。予想以上にチャラ男系で純朴そうな藤岡クリスを翻弄してました(笑)。ああいう軽いノリだったジョンが2幕ではガラッと人が変ったようになっちゃうんですからねぇ、その落差がすごく面白かったです。それからクリスの電話の「ハスの花」に対する反応ですが、意外にも一番ノーマルでした(笑)。岸さんはどんな反応するんだろうと思って期待していたのでちょっと肩透かし食らった感じだったかな(汗)。

「ブイ・ドイ」の熱唱も素晴らしかったです。定点からあまり動かない岡ジョン、舞台の端から端まで動きまくって熱弁ふるう坂元ジョン・・・と違ったタイプのジョンを見てきましたが、岸さんのジョンはちょうどその中間くらい。いろんな意味でけっこうオーソドックスな感じでした。欲を言えばもう少し遊んでみてもいいかも?

シルビア・グラブさん(エレン)

ついこの間まで「レべ~っカ~」と恐ろしい歌声を披露していたシルビアさんでしたが(笑)、今回は打って変わって心の優しいエレンに。今まで見てきたエレンのなかでやっぱり一番「アメリカ人ぽい」のがシルビアでしたね。

優しく温かい歌声でクリスを励ます1幕がとても印象的でしたが・・・ただ、このときなんだかクリスの妻ではなくてクリスの「母」に見えてしまった(爆)。藤岡くんとそんなに年齢も離れているわけではないのになぜかものすごい年上の女性に見えてしまったのはなぜだ!?やっぱりあの落ち着き払った雰囲気があるからかなぁ。なので2幕もけっこう心配してしまったのですが(笑)・・・年上の妻には見えたものの母親まではいかなかったので一安心でした。

シルビアのエレンは基本的に心の優しい女性ではあるのですが、どこかちょっとキツイところのある役作りをしていたと思います。それを強く感じたのがキムと対峙するシーン。けっこうキムに対して「自分が妻である」と強烈にアピールしてているような部分がありましたね。それからクリスに「私とあの個どちらを取るの?」と迫る時もなんとなく迫力が・・・。やはりダンヴァース夫人がまだ残ってるんでしょうか(笑)。ちょっと4年前の高橋由美子さんと重なる部分が多かったかもしれません。

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泉見洋平くん(トゥイ)

今回客席の熱気に押されて最もヒートアップしていたのは洋平くんだったかも!?と思えるほどものすごい迫力のトゥイでビックリしました。これ以上テンションあげたら壊れちゃうんじゃないかと心配してしまったくらいでしたよ。おかげでマチネの神田くんの記憶が本当に飛びそうになりましたから(汗)。明らかに前回よりもテンション高いトゥイでしたね。圧倒されまくりで一瞬たりとも眼が離せなかった(←というか、洋平くんが出てきたらほとんど彼にオペラグラス照準合わせてましたから 笑)

最初に登場してキムに「探した、弾のなかを~」と歌うシーンから私の頭の中はトゥイ物語に転換。神田くんもよかったんだけど、やはりここまでにはならなかったので如何に洋平くんのトゥイが濃いかってことだな。キムに対する表情が本当にすごく優しくて、「あ~・・・本当に心の底から愛してるんだな」っていうのが痛いほど伝わってきます。でも、クリスが現れてから突然感情が切り替わってしまう。そのあたりの不器用さが切なくてたまらん。

それから、目の演技がとにかく凄いんです、洋平くん!オペラグラスでガン見してると彼のトゥイはものすごく目で演技している。私が洋平くんのトゥイにこの上なく惹かれてしまうのは多分あの目力の芝居に魅せられているからだろうなぁ。サイゴン陥落後にキムと再会してプロポーズするときは本当にものすごく優しい目をしてる。涙が出るくらい優しい顔してるんですよ。キムに拒絶されて動揺・逆上してしまうときの目もものすごく印象的で・・・彼女を憎んでいる眼ではなくて愛を伝えたくてたまらないもどかしい目をしてるんですよ。特にベトナム兵に殴られているキムを見て心を痛めている時の表情が秀逸です。自分も殴られている感覚に陥ってますから、泉見トゥイは。

そして圧巻だったのがタムを見せられた後の絶望感。ここのテンションの上げ方はもう尋常じゃないくらいすごくて客席も完全に飲まれてましたね。キムを愛しすぎた故の痛み・悲しみ・絶望感・・・それが痛いほど伝わってきてこの時点からもう涙が・・・。銃口を向けるキムに自分の胸を差し出してその銃口を握りしめる動作もすごく印象的でした。

一番涙が出たのはやはり撃たれたシーンですね。今回は撃たれた直後に最後の力を振り絞ってキムを一瞬抱きしめるんですよ(涙)。ずっとその日を願っていたトゥイが最後の最後に一瞬でもその幸せに触れることができた・・・。その死に顔にはうっすら微笑みすら漂ってて・・・ここは本当に涙出ましたよ。なんだろう、まるで「オペラ座の怪人」のファントムに感情移入して見ているような感覚だった。

洋平くんのトゥイはこのように本当に最初から最後まで濃い~ので正直好みが分かれるかもしれません。私はこの濃さがもう、底抜けに好きですね。何度も見たくなります。

池谷祐子さん(ジジ)

彼女もこの日はマチソワだったんですね~。周りがあまりにも濃すぎたのでちょっと記憶に残りづらかったのですが、ソロは哀愁が漂っていてなかなか感動的だったと思います。すみません、いつもこんな軽い感想ばかりで(汗)。

こんな感じでサイゴンの8/7マチソワ無事終了しました。市村さんと洋平くんにすべて持っていかれたような感じだったかな。市村さんはもう見れないけど、洋平くんはあと2回は買い足したい気分になってしまった(←すごくキケン 爆)。次回は9月2日です。おっ・・・なにげに洋平くんの日だった!さとしさんのマイ初日もやっとくるので楽しみです。

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