劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2023.08.27 千穐楽

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪千穐楽公演を観に遠征してきました。

劇団四季の演目の殆どは最近初日や千穐楽公演は四季の会会員の抽選販売のみということになっていたのですが、これまで一度も当たったことがなかった私。それでも大阪オペラ座は本当に何度も通わせていただいていたので、ダメ元で応募していました。もう九分九厘外れると思っていたのですが…、なんと、当選メールが来ていて!!!初めてですよ、楽公演が当選したの!!もうビックリしすぎてメール何度見したことか(笑)。

まさに奇跡としか言いようがない!!

何度も通った大阪四季劇場の「オペラ座の怪人」を装飾した光景を見るのもこれが最後なんだなぁと思うとこみ上げてくるものがありました。当選に導いてくれた観劇の神様、ありがとう(涙)。

4月に大阪駅前で展開されたPR映像祭りを見た時にはまだ先の話だと思っていましたが、

この日が来るまで本当にあっという間だったなという感覚です。

そしてもう一つの奇跡が…、7月の観劇でもうお別れだと思っていた飯田洋輔くんがファントム役として出演してくれたことです。こんなことってあるんだなぁと…。もうそれだけで胸いっぱいの気持ちになりました、ほんとに。まさか8月に再会できるなんて、しかも楽に会えるなんて思いもしなかった。

以下、超ネタバレを含んだ感想になります。後半(2ページ目)は私の独善的な飯田洋輔くん語りになるので、危険を感じた方はスルーしてください。

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧

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2023.08.27千穐楽公演 in 大阪四季劇場(大阪・西梅田)

上演時間は約160分(2時間40分)。内訳は1幕80分(1時間20分)休憩20分2幕60分(1時間)となります。

  • オペラ座の怪人:飯田洋輔
  • クリスティーヌ・ダーエ: 海沼千明
  • ラウル・シャニュイ子爵: 光田健一
  • カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
  • メグ・ジリー: 黒柳安奈
  • マダム・ジリー:佐和由梨
  • ムッシュー・アンドレ:日浦眞矩
  • ムッシュー・フィルマン: 佐藤圭一
  • ウバルド・ピアンジ:山口泰伸
  • ムッシュー・レイエ: 林和男
  • ムッシュー・ルフェーブル: 勅使瓦武志
  • ブケー: 川原信弘

【男性アンサンブル】

高井治、渡辺吾郎、高舛裕一、宇都宮千織、新井克、吉田蓮、貞松響

【女性アンサンブル】

早水小夜子、藤原遙香、清水智紗子、小山百合恵、鳥越ゆみこ、荒巻くるみ、佐野奏実、竹下里香、吉村侑姫、森田美穂、坂口珠乃、中川奈々美

いやぁ…、まさか、長くクリスティーヌ役で頑張っていた藤原さんがアンサンブルとして出演されることになるとは思いませんでした。たしか大阪公演でアンサンブルからクリス役に昇格されたんでしたよね。楽週になってもう一度アンサンブルとして舞台に立つなんて、感慨深いものがあったと思います。

それにしても、今回のキャスボに辿り着くまでの行列はすごかった(汗)。早めに劇場着いたつもりだったのですが、それでも出遅れたらしく…最後尾はキャスボが見えない位置状態で。ようやく撮影できる順番が回ってきたのは並び始めて15分後くらい。
その後お手洗いにと思っていたら1階席エリアはすでに長蛇の列ができててそれもビックリ!開演前にあそこまで並んでる光景見たの初めてかも。2階席のお手洗いはそこそこ空いてたので助かりました(←今回は2階席からの観劇だったので)。

ちなみにこの日のキャスボ撮影列は休憩時間も終演後も変わらずすごい大行列で驚きました(汗)。記念日公演のときは休憩時間割と空いてて自由に撮れる感じだったんだけど、やっぱり楽は違うんだなと痛感。最初に並んでおいてよかったと胸をなでおろした次第ですw。

全体感想・キャスト感想

楽で当選したのは2階席やや下手寄りのあたり。久しぶりの2階席でしたが、前の方の頭が気になることもなくかなり快適に舞台に集中することができました。1階席から比べるとやはり多少の距離感は否めませんが、S席ゾーンは目を凝らせば役者さんの表情もしっかり見えるし(オペラグラスはあったほうがいいですが)全体像がより鮮明に見えてくるのが面白いところだと思います。1階席からは見えないポジションにいる人も見えたりしますし、役者さんの導線もとてもわかり易い。よほど間近でガン見しないと気がすまない、みたいな人は物足りないかもしれませんが、そうでないなら一度は2階席からの景色を味わうのも悪くないなと思いました。

オークション

勅使河原さんのオークショナー、久しぶりに見たけど暗い中でも緊張感を高めオークションをサクサク続けていく姿が相変わらずとても面白い。個人的にはやっぱりサルのオルゴールが出てきたときの「まだぁ…(溜めてから)ちゃんと動きますっ」って言い方がツボ(笑)。

ちなみにこのオークション場面、1階席からは見えないであろう垂れ幕の後ろに参加者がひっそりいるんですよね。コソコソ札をあげようか相談してて結局挙げないみたいな地味なお二人がw。たぶん2階席からじゃないとその様子ははっきり見えないと思うので、それはちょっとしたお得感があります(笑)。

♪Overture♪が鳴り響く中シャンデリアが舞台上から上がるときの迫力は1階からだとぐんぐん頭の上を通ってみたいな迫力がありますが、2階席だと「こっちまで近づいてきたーー!」といったワクワク感を楽しめます。さらに、同じ目線下ちょっと上辺りで上昇が止まるので、そのあとの不気味なリアルな揺れも分かっちゃうドキドキ感がある。今回改めて見て、よくこんな重いシャンデリアをあの細いワイヤーで支えきれてるよなぁと感心してしまいました(笑)。

で、シャンデリアが昇っていくのと同時にプロセニアム・アーチにかかっていた黒い大きな幕がとっ払われて何体もの装飾された彫像が現れる演出になってるのですが…この日は、下手側の黒い幕が像の一部分にちょっと引っかかってしまっていなかなか剥がせなくなるといった小さなハプニングがありました。
私の目線と同じくらいの場所からだったので一生懸命引き上げようとしてるスタッフさんの苦労が手に取るように伝わってきちゃって予期せぬところで手に汗握ってしまいましたw。ハンニバルのセットが立ち上がってきたあたりでなんとか回収できてたのでほっと一安心。こういう細かい苦労も公演中には色々あったでしょうね。裏方で頑張る皆様、本当にお疲れ様です。

♪ハンニバル♪

2階席から見る『ハンニバル』は全体像がよく見えるので、本編練習のときのダンサーさんたちのフォーメーションの動きとかすごくきれいに見えました。

河村カルロッタは相変わらずの超迫力の美声で魅了。ここ最近コピット版の『ファントム』を見に行っていることもあって向こうのカルロッタと比較したら…ALW版のカルロッタのほうがとてもおしとやかな女性に見えちゃってww。河村カルロッタは我が強い性格ではあるんだけど、どこか柔らかさとチャーミングさに加えて品がある感じ。コピット版カルロッタさんと比べるとかなりわきまえてる女性に思えちゃってねぇ(笑)。同じキャラでも描き方で随分印象変わるんだなということを実感しました。

山口ピアンジはお久しぶりの再会。林レイエから強烈なダメ出しを食らってもシレーっと左から右に抜けさせる図太さをお持ちで(笑)。2度めの「ROMA」の発音を間違えるときもひたすら我が道を突き進んで歌ってるすがたが堂々としすぎてむしろ清々しいww。その脇で林レイエさんが「こいつはあとでこってり指導だな」みたいな渋い顔して戻ってくのも面白かったw。

ルフェーブルに連れられてきた日浦アンドレ佐藤フィルマン。日浦さんのアンドレにお会いするのって…遡ってみたらリハ見付きの公演だった3月以来だった!!ちょっとお坊ちゃん的な雰囲気があってオペラ団のリハーサルを間近で見られることにワクワクした気持ちが止められないって感じなのがとても可愛らしい。佐藤フィルマンは相変わらずの仏頂面でw、オペラ座の機材や装飾には興味があるものの舞台芸術はスルーみたいなわかりやすさが面白い(笑)。

リハーサルが終わった直後のザワザワしてる場面。象の上からなんとか降りてきた山口ピアンジが「いやぁ、よかったよかった」みたいなめっちゃエエ声響かせまくっててなかなか静まる様子を見せなかったの最高だったww。

この後河村カルロッタが日浦アンドレの希望で「ToM」を独唱するのですが、その後ろで獅子面を被った高井さんが彼女の歌に合わせてゆ〜らゆ〜らクラゲのようにゆっくり回転してたのがめっちゃ奇妙で面白かったです(笑)。ひょっとしてカルロッタの歌に好印象持ってあの動きだったのか!?と一瞬思いましたが、よく見たら”早く終わらないかなぁ”と言わんばかりの渋顔であくびしてたという、ねwww。退屈だからちょっと回ってみるか的な動きだったんですかね、あの謎の回転はw。

そんな時に幕が突然落ちてきて大騒ぎ。「一体何だ、この騒ぎは!?」とダンサーさんたちに詰め寄る佐藤フィルマンの迫力、この日もかなり凄かった。あんなふうに怒鳴ったらみんな萎縮しちゃうよねぇ、みたいな。
ちなみに、ピアンジは「どなたも我々のプリマドンナにはお構いなしか!?」と激おこ状態になるんですけど、さりげな〜〜く彼女が座る椅子を用意してくれてたのはカルロッタの”愛人”とされる男性ダンサー(吉田蓮くん)だったりするんだよなぁ。ピアンジはその事に気づいてないっていうのが、これまた複雑な人間模様が見え隠れしてて興味深かったりします。この、連くんが椅子を用意するところは2階席からのほうがよく見えましたね。

騒ぎが収まったところで日浦アンドレは「よくあることですから」と余計な言葉をかけてしまいそれがカルロッタを刺激する結果となるのですが、その瞬間の勅使河原ルフェーブルさんの「ヒェッ、あいつ、余計なこと言いやがった(震)」みたいに一瞬フリーズした表情も面白くて好きでしたww。
で、このあと怒り心頭のカルロッタが先に「オペラに出るの辞めますわっ!」と帰っていくのですが、その後ろをついていこうとするピアンジのマントにルフェーブルさんの片足が乗っちゃっててwwwまるで力づくで引き留めようとしてるように見えて面白かったですw。でもすぐ足をどけたことで「素人どもが!!」の捨て台詞とともにピアンジさんも帰っちゃうんですけどね。あれ、どかさないままだったらピアンジ倒れて笑いものになってた可能性な気にしもあらずだったかも!?そうさせなかったルフェーブルさんは優しい、なんて。

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♪Think of Me♪

海沼さんのクリスティーヌ、大阪登板はお久しぶりだったのではないでしょうか。私が最後に見たのは今年の3月だったのでそれ以来、洋輔くんファントムとのコンビで見るのはなんと昨年7月以来となります。海沼さんの歌声はまさに癒し系。柔らかくて包み込むような大らかさが感じられる美しい声で、聴いているこちらも夢心地になります。

光田ラウルは今年の5月以来だったので少しご無沙汰でした。相変わらず清く正しい貴族の紳士といったキラキラオーラに包まれていて素敵でしたね。ToMの最初の場面、クリスティーヌだと気づく前は結構支配人さんたちと積極的に会話してたけど、達郎くんほど熱血ではない感じ(笑)。
改めて思ったけど、『ファントム』に登場するシャンドン伯爵(この作品の中ではラウル的立ち位置)とはかなり雰囲気が違うなと。『オペラ座〜』のラウル子爵のほうが冷静でスマートな印象が強いかもしれない。光田くんは特にね。

舞台が終わった後のカテコのシーン。ここに登場する男性アンサンブル9枠さんが演じる指揮者の表情を見るのがいつしか毎回の楽しみとなっていましたw。今回演じてたのは貞松くん。さほど大きなリアクションはないんだけど、カーテンが閉まりそうなタイミングで感極まって涙を拭うという可愛い仕草をしてくれてちょっと萌えちゃいましたw。クリスティーヌの素晴らしい歌声に胸打たれたんだなぁっていうのが伝わってきてホッコリ。

佐和さんのマダム・ジリーは5月ぶりだったかな。女子ダンサーのみんなにダメ出しするときの「そしてあなた達ぃ?(↑)今夜は全然ダメっ(↓↓)」の台詞回しがめっちゃ好きだった。厳しく指摘はするんだけど、言葉の端々に彼女たちへの愛情がすごく感じられるんですよね。みんなのお母さん的存在だよなぁって思っちゃいます。

クリスティーヌとメグがマダムに内緒で二人きりで舞台のことについて歌う♪Angel of Music♪黒柳メグと海沼クリスの歌声が合わさったときの音がとても心地よくて素敵でした。

舞台を見終わったラウルと支配人たちがクリスティーヌの楽屋へ向かう場面。この時にフィルマン夫人を演じてたの、藤原遥香さんなんですよね〜。先月までクリスティーヌで見てきたのでなんだかちょっと見慣れない感じがしたんですが、それでも、若くて笑顔が可愛いお目々パッチリな奥様だったのですごい目を惹きました。アンサンブルだけどしっかり存在感が出てたのは、やはり長い期間クリスティーヌを演じられてきたからこそでしょうね。フィルマンさんはあんな可愛らしい奥方をもらって幸せ者だなと思っちゃったよ(笑)。

♪リトル・ロッテ♪

光田ラウルはクリスティーヌと再会した後、ゆっくりだんだんと距離を詰めていく感じですよね。最初に幼い頃の思い出話で彼女の気持ちを和ませて、その流れで自分の世界観に引き込もうって魂胆に見えるw。彼女が「エンジェルオブミュージック」について熱弁を振るってた時は結構一生懸命耳を傾けてあげてるように見えるんだけど、話が一旦途切れたタイミングですかさず「昔の頃の話はこれくらいにして」と切り込んで食事に誘うあたりはかなり積極的で。少しでも早く彼女と二人きりになりたいという逸る気持ちがダダ漏れだったのがちょっと可愛いなと思いました。
でも、クリスティーヌは”音楽の先生”の存在が気になっているわけでその誘いに乗ることにはすごく消極的。むしろ、食事に誘われるのは迷惑的な感じだったりするわけで。再会からクリスとラウルはちょっとチグハグした所あるんだよなと改めて思いました。

ファントムとクリスティーヌが地上へ向かうのと同じタイミングでブケーが女子ダンサーたちにふざけてファントムをdisりまくる場面。川原ブケーは思っていたよりも大きなリアクションは取らない印象だったかな。以前見た村田くんがめちゃめちゃ態度の悪いキャラ熱演してたのでそれがすごい記憶に濃く残っててww。それに比べるとちょっと川原さんはおとなしめ。
っていうか、川原さんというと私はやっぱり未だにBBの”ムシュー・ダルク”が真っ先に浮かんできてしまう。ブケーとキャラもちょっとかぶるような気がするし、なおさら(笑)。

♪プリマ・ドンナ♪

佐藤フィルマン、最初の支配人室でのテンションの高さがまたちょっとアップしてるように見えて面白かったですw。ゴシップ記事読んでるときのウキウキ…(いや、あれはウハウハという表現のほうが当てはまるかもw)っぷりが弾けてた。袖に新聞飛ばすのもかな~り力はいってたし。

対する日浦アンドレはちょっと神経質そうな雰囲気。以前見たときはもうちょっとコミカル的なお芝居もされてたように思うのですが、だいぶ削られた感じだったかな。

この後ファントムの手紙を巡ってラウルに続きカルロッタとピアンジも乱入してきて「誰が手紙を書いてよこしたんだ!?」と大騒ぎになるわけですが、直近で見たミュージカル『ファントム』のカルロッタの印象が強烈だったこともあってか、「オペラ座〜」に登場するカルロッタがすごい大人しく落ち着きのある女性に見えてしまう弊害が(笑)。あまりにもあちらのカーラとこちらのカーラでは印象が180度近く違うものでねww。

マダム・ジリーが持ってきた手紙の内容にカルロッタが怒り爆発してしまう場面。ここで面白かったのは彼女をなんとか宥めたい支配人コンビ。日浦アンドレは必死に彼女をなだめる言葉を探ってるのですが、佐藤フィルマンはどこかちょっと投げやりでww。そんな彼をコソコソっと後ろに呼んで協力してほしいと頼み込んでいた様子の日浦アンドレが可愛かったw。
気が乗らないまでも今の状況はどうにかしなきゃならんという事はわかっていた佐藤フィルマンは、ちょっと苦い顔をしながら日浦アンドレのほうをチラチラ見つつカルロッタを宥める歌を歌っとりました(笑)。フィルマンがカーラ落ち着かせ作戦に乗ってくれたことに日浦アンドレ、かなりホッと胸をなでおろした感はあっただろうなとww。

♪イル・ムート♪

今回は2階席からの観劇ということもあって、舞台上の本編よりもそれを見てる支配人二人のボックス席についつい注目してしまいました。あ、でも、海沼さんの足バタバタだったり茶目っ気ある笑顔はめっちゃ可愛かったです!ちなみに、ファントムの命令を無視して5番ボックス席に座っていた光田ラウルはというと…私の席からはちょうど死角になっていて見えませんでした(苦笑)。

日浦アンドレは微笑みながら楽しそうに『イル・ムート』を観劇。佐藤フィルマンは途中まではめちゃめちゃ退屈そうにしてて時間ばかりが気になってる感じw。
ところが、クリスティーヌが演じる”セラフィーモ”が正体を露わにしたシーンになると日浦アンドレが「このシーンすごいよね」みたいにフィルマンに話しかけに行ってて、佐藤フィルマンも予期せぬ展開に「!?」って感じで思わずアンドレと一緒にボックス席から前のめり気味に舞台観てたのが可愛かったです(笑)。今回も居眠りしてるパターンじゃなくてよかったwww。

それにしても、河村カルロッタのカエル声は最高に可愛らしかったですね〜!あれはあれで舞台で使えるレベルじゃない!?と思わなくもなかったし(笑)。

だけど、ここの場面は…プロセニアム・アーチからヒョイヒョイ顔を出してくる洋輔くんファントムの姿にロックオンしてた私ですww。2階席だと同じくらいの高さでケタケタ笑ってる彼を見ることができるお得感があるんですよね。
特に肘をアーチの上に乗せながら「フフフフ」って笑ってる表情が私は一番好きだったなぁ。小悪魔的可愛さがあって。洋輔くん、こんな一面もあったんだと最初に見たときはすごい新鮮で…それ以来ずっと『イルムート』の最後の方は上ばかり見てたっけw(←すみません、推し中心観劇になっちゃってたもので 汗)。

♪All I Ask of You♪

海沼クリスティーヌと光田ラウルはとてもスマートなカップルでとても麗しいです。
でも海沼クリスは他のクリスと比べるとファントムの気持ちに寄り添う傾向が強く感じられるので、ラウルの胸に飛び込んでいった場面も”一時の気の迷い”的に見えないことも無かったりします(汗)。個人的にはラウルとラブラブ100%な雰囲気になっちゃうよりも今回のような雰囲気になる方が腑に落ちるというかなんかちょっとホッとするんですよね。ファントムに相当肩入れして見てるのでw。

光田ラウルはクリスティーヌが胸の中に飛び込んできたときちょっと「ドキリ」としたような表情を見せるのですが、すぐに彼女のぬくもりを感じ包み込むような優しさで抱きしめるのがとても印象深いです。キスをしてグルグルして告白して…この流れも非常に紳士的。

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♪マスカレード♪

マスカレードの華やかな光景は2階席から見るとさらに「うわぁ!」という感動が広がりますね。特に階段のきらびやかな景色は1階から見るのとは違った輝きを放っていたように思います。

あと面白かったのは、1階席からは見えづらかった舞台奥での細かいお芝居がちょいちょい楽しめたこと。特にクリスティーヌとラウルが婚約についてコソコソ話をしているあたりの場面、ふとその奥に目を向けると派手なピエロの格好をしたアンサンブルさんがピタッと動きを止めて彫像みたいになっちゃっててw。それを見つけた仲間がビビって近くにいたみんなに「ねぇちょっと、この人止まっちゃってるんだけ!?」みたいな慌てたリアクションを(笑)。するとワラワラ仲間が集ってきて「ほんとだ」みたいにザワっとなったところで「な〜んちゃって」みたいに止まってたピエロさんが動き出すって感じw。
この細かいやり取りはこれまで全然気づけなかったので、今回楽にしてではありますが新しい発見ができてよかったと思いました。

マスカレードの宴が最高潮に達したところでレッド・デス(変装したファントム)が登場。表情はマスクに隠されていてうかがい知ることはできませんが、階段を一歩一歩降りてくるところから不気味で不穏なオーラをすごく感じます。ここの階段降りも、洋輔くん、回を追うごとに威厳と存在感を増していったよなぁと感慨深い気持ちになってしまった。会場にいる人達を震え上がらせるだけのオーラがすごい漂ってたもの。

「ドンファンの勝利」の楽譜をアンドレさんに投げる場面は、ちょっと上カーブを効かせた感じで無事にその手に渡っていきました。けっこう強めに投げてた感じにも見えたから、アンドレさんも必死に受け取ってたなw。

♪支配人室2♪~稽古場

2幕の支配人室はすごいピリピリムード。特に佐藤フィルマンは恐ろしさと苛立ちとが入り混じっている感じで、日浦アンドレにファントムからの手紙を渡すときもかなり乱暴にバシっとやってて面白かったw。
それにしても、日浦さんも佐藤さんも本当に素晴らしい歌声で聴き惚れちゃいますね。緊迫感のある中で歌ってるシーンではあるんだけど、なんだかオペラのワンシーンを見ているかのような格式の高い雰囲気も漂ってるのが良い。

そこへ楽譜を読んで怒り心頭のカルロッタとピアンジがなだれ込んできて支配人二人に詰め寄るわけですが、河村カーラのプリプリお怒りモード、今となってはもう愛らしいとすら見えてしまって(笑)。これ、直近でミュージカル『ファントム』見た影響もかなりあると思うんだよなぁw。ほんと、あちらのカーラさんのドぎつさからすれば、こちらのカーラさんのなんとおしとやかなことよって思っちゃう(笑)。
だけど、クリスティーヌに八つ当たりとも撮れるようなイチャモンつけてバチバチになる河村カルロッタは鋭さがあって刺激的でした。でも仲裁しようとその二人に挟まれてしまった佐藤フィルマンの困惑顔が気の毒でもあり可愛くもあるんですけどね(笑)。私は毎回このクリスvsカーラの火花散らすシーンが大好きでした。

光田ラウルは「やりたくない」というクリスティーヌをそっと庇い「嫌なら嫌でいいよ」と強要しようとする支配人たちを鋭い目つきで睨むのですが、燃えるような視線というよりかは冷たくチクリと刺すような視線といった感じに見えたかな。岸さんのラウルはものすごい燃えるような目で睨みつけた印象があったけど、光田くんはあくまでもこの時点では冷静さを保っている感じなので、あまり圧の強さみたいなのは感じませんでした。

その後またファントムからの手紙が来てそれぞれに苦言を呈す場面があるのですが、ピアンジの体型に関するツッコミの内容を聞いたときの日浦アンドレ、「だいぶお腹出ちゃってるしね」みたいにニマニマしながら佐藤フィルマンに同意を求めててww、彼も楽しそうに「そうそう」なんて頷いちゃってたな(笑)。それを傍目にうらめしそうな表情をしながら後ろに下がる山口フィルマンがちょっと気の毒ながらも可愛らしかったw。

ファントムの手紙を読み終わった直後、ラウルはファントムを捕らえる妙案を思いつく。そこからの彼はクリスティーヌだけを守る騎士ではなく、ファントムを捕獲する狩人のような雰囲気に変わる。光田ラウルは熱血といった感じではないんだけど、「やめて」と必死に訴えるマダム・ジリーやクリスティーヌの言葉も耳に入ってこなくなってしまうくらい飛んでしまったような感じになってた。
特に「偽物のエンジェルめ!!」と支配人二人と一緒に叫ぶシーンでは目がゾクッとするほどギラギラしててとても刺激的でした。清く正しい紳士的な彼の中にあったもう一つの顔を垣間見てしまったなと思うとなんだかちょっと見てるこちらの背筋も寒くなります。

クリスティーヌはそれまでと雰囲気が変わってしまったラウルに戸惑いを感じ動揺を隠せない様子だったけど、このときの彼は彼女を思いやる気持ちがどこかへ行ってしまっていて”ファントムを捕らえるために協力してほしい”ということにしか興味がない。
あの時、「できないわ!」とクリスティーヌは立ち去ってしまいますが、海沼さんが演じるクリスはもしかしたら”戦闘モード”にシフトしてしまったラウルに対して違和感を持ったのではないかなぁとなんとなく想像してしまいました。ファントムへ寄せる思慕の念は海沼さんの演技が一番深いように感じるのでなおさらね…。だから、あの後どう説得されたのだろうかと気になってしまった。

♪墓場(Wishing You Were Somehow Here Again)

大好きなお父さんのお墓の前にいた海沼クリスティーヌは…本当に抱きしめてあげたくなるほど儚げでした。赤いスカーフを抱きしめている姿はとても頼りなく悲しみに暮れている。お墓に向かって走り出すときも本当に気持ちが溢れて仕方がないといった心の叫びがすごく伝わってきてグッとくるものがありました。

「でも寂しさに耐え忘れなければ」からの”強くならなければ”といった、少し悲壮感を漂わせながらも必死に自分を奮い立たせながら歌う姿は観る者の心を打ちます。あれはファントム、思わず十字架から出ていきたくなるわと納得。歌の表現力が海沼さん、本当に素晴らしかった。

 

ここから先はただ熱いだけの主観入りまくりな飯田洋輔くんファントムの感想になります。笑って読めるような心の広い方は次のページへどうぞ。

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