ミュージカル『ファントム~もうひとつのオペラ座の怪人~』大阪公演 2019.12.08 加藤和樹くん千穐楽

全体感想(1幕)

大千穐楽も観劇予定ですが、どちらかというと個人的に和樹くんの演じたエリックが私のツボにハマりまくっていたので、今回は場面ごとにもう少し濃く振り返ってみたいと思います。

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♪Overture♪

鐘の音がして最初の音楽が鳴り響いた時も数名のアンサンブルさんたちは客席通路にいるのですが、それまで世間話みたいに笑顔で歩き回ってた人たちがピタリと立ち止まって不穏な空気を感じ取ります。
この演出によって、劇場全体がこれから始まる『ファントム』の世界観へと自然に誘われていくわけで、そういう感性が城田くん、素晴らしいなと思います。

ライトな音楽の途中で入ってくる”ファントムのテーマ”のような不穏な曲調になるとみんな一斉に片方の顔を抑えて苦悶の表情を浮かべる。それは、エリックの苦しみを無意識に人々が共感する瞬間でもあって、とても印象深かったです。
そしてまたすぐにライトな曲調に変わると何事もなかったかのように人々は普通の生活に戻っていく。この演出は今公演で初めて見たのですが、とてもドラマチックでいいなと思いました。

♪パリの音楽♪

クリスティーヌが自作の「パリの歌」の楽譜を売るために登場する場面。

晴香クリスティーヌは若さ溢れる溌溂とした雰囲気で、見ているとこちらも元気がもらえるような雰囲気。とにかく笑顔が明るくてとても可愛らしい。特にシャンドン伯爵にオペラ座に誘われたときに楽譜を思い切り投げてしまう時の表情は印象的です。

愛希クリスティーヌは女性らしい柔らかな雰囲気があって周囲を癒すような笑顔が印象的です。以前見たときには「ちょっと良いとこのお嬢様」的な感じもあったのですが、今回見たら「世間をあまり知らない少し田舎地方から出てきた女性」的な雰囲気に変わって見えました。

廣瀬シャンドンは登場した時から完璧紳士の雰囲気むんむん(笑)。とにかく仕草や動きがとても優雅。少女漫画に登場してくるような眩しい青年といった感じです。ただ、クリスティーヌの歌声を聴いたときに心の中に微妙な変化が現れたように見える芝居をしていたのが「お!」と思いました。東京で見たときよりもそれがけっこう顕著に表れていたような気がします。

達成シャンドンは「いいとこで育ったお坊ちゃま」的な雰囲気がなんとも可愛らしい。お取り巻きの女性たちに対する態度も東京で見たときよりもソフトになっていてあまり無碍にしていなかったのが印象的でした。廣瀬くんがちょっと恐れ多くて近づきづらい王子様だとすると、達成くんはそれよりも距離感が近いような感じかな。シャキシャキして明るい雰囲気が滲んでるのもいい。

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♪ファントムの登場♪

暗いトンネルの奥から「パリは墓場」と歌いながら登場した和樹エリック…闇がますます深くなってて衝撃を受けました。立ち姿や暗がりから覗く表情から、絶望のどん底で苦しんでいる気持ちが見てるこちらにびりびりと伝わってきました。闇の悪魔にとりつかれてるような雰囲気でちょっとぞくっとするものも感じたかも。

それゆえ、カルロッタに命令されて渋々地下へ足を踏み入れてしまったブケーと遭遇してしまった時に狂気に走る行動を取ったことの説得力がすごくあったと思う。

♪今宵のために♪

オペラ関係者とそれを見にきた金持ちの観客を同時に二つに分けて見せている演出が面白い。その華やかな世界を、上からクリスティーヌとエリックが全く違う気持ちで見つめながら歌うのも印象的です。

♪世界のどこに♪

新しい支配人となったショレに「ファントム伝説」を説いて注意喚起をしたものの、全く信じてもらえず絶望したキャリエール。そんな彼に闇の中からエリックの「来て」という声が届く。

このシーンの前半部分の会話劇は客席の前方部分で展開されるので、真ん中から後ろあたりから見たほうが分かりやすいんですよね。東京ではけっこう前方席に座っていたので、下手側と上手側に首を動かす状況でちょっと大変だったw。

和樹エリックのこのシーンでの動揺っぷりがまた痛々しいんですよねぇ。キャリエールにブケーを襲ったことを責められたとき「下に越させないようにするのがあなたの仕事でしょ!」と興奮しながら言い返すのですが、自分のやってしまったことに怯えてる。
口では残忍な言葉を言いつつも、凶行に及んだことに対する自分への恐怖で震えているような感じだった。

ちょうどその会話のさなかにカルロッタの歌声が聞こえてくるのですが、エリアンナさんの歌い方がうめき声をあげてるような感じでww。これまで見てきたカルロッタの歌声のなかではピカイチ級にひどいやつ(笑)
それゆえ、エリックがその声にもだえ苦しむことへの説得力がハンパなかったですww。あれはエリックじゃなくても耐えられないでしょww。

カルロッタの獣の唸り声のような歌を聴いたエリックはますます「美しい歌声」を探すことへの執着を見せるようになる。その想いを歌う♪世界のどこに♪のナンバーですが、和樹エリックの歌い方が東京で見たときよりも興奮気味だったかも。
最初は絶望的な雰囲気から入りますが、歌っていくうちに「何が何でも美しい歌声と出会うんだ」という強い想いが増幅していって…表情には希望すら見えてくるような、そんな印象だった。絶望の先の希望を探し当てたいという切なるエリックの想いが痛いほど伝わりました。

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♪私のもの♪

エハラさんの演じるショレとエリアンナさんが演じるカルロッタのやり取りは毎回楽しませてもらいましたが、その中でも可愛かったのが「キャリエールが自分たちに嫌がらせをしている」というショレの言葉にキレたカルロッタをなだめる場面。
いったんは怪獣のような表情で怒りを見せていたカルロッタですが(笑)、それをうまくなだめて落ち着かせるショレの見事な手腕wがとても可愛らしくて好きでした。特に「上手くまとめてきまちゅっ!」「おねがいしましゅっ♪」のやり取りは萌えた(笑)。

ショレが去った後、何でもかんでも自分のものにならないと気が済まない気持ちを爆発させるカルロッタ。
エリアンナさんのカルロッタの歌い方が非常に個性的でとても面白かった。とにかく表情が豊かでまるで漫画を見ているかのようw。最初に見たときは「え、そこまでやっちゃってもいいの!?」と少しビビッてしまうところはありましたがw、気分屋の彼女らしいコミカルで見ごたえのあるナンバーだなと今では思えるようになりました。

それと印象的なのが、歌の途中で背後の壁がスーッと上がって上部に配置されているオーケストラの皆さんが客席に見える演出になっていたことです。赤いカーテンの前で演奏するオケと、その下で迫力ある歌を熱唱するエリアンナさんのカルロッタとのマッチングが見事。
まさに、カルロッタがオーケストラをバックに壮大なオペラを歌っているかのような雰囲気がありました。城田演出の感性が素晴らしい。

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♪ホーム♪

この作品の中では美しい音楽がいくつも出てきますが、その中でも特に好きなナンバーが♪ホーム♪です。美しくて優しい響きの音楽が、エリックとクリスティーヌの出会いを温かく演出していて…この曲が流れてきた瞬間から私は感極まってしまいます。

和樹エリックはクリスティーヌの歌声に誘われるように自然と惹きつけられていく感じ。ただただ求めていた理想の歌声の魔力に引き寄せられてるようで、ふらふらと夢遊病者のように近づいていく様子がとても印象的だった。
少し近づいて歌声に耳を傾けて…次第に表情に明かりが灯っていくような感じ。「この歌声だ」と確信した時の何とも幸せそうな柔らかな表情を見て、思わず涙がこぼれました。探し求めていた生きる希望を見つけて気持ちが昂っていくエリックの気持ちがストレートに表れてた。

晴香クリスティーヌは草原で歌う少女のように若々しくて自由な感じ。歌声にも芯があって聴き取りやすくエリックを引き寄せる引力を十分に感じました。

愛希クリスティーヌはふんわりした雲の上で歌うような感じで歌声がとても柔らかい。晴香ちゃんに比べるとパンチ力みたいなのはないんだけど、不思議と心癒されていくような歌い方で、エリックを引き寄せる説得力がありました。

この後エリックは不器用ながらも必死にクリスティーヌに「レッスンを受けてみないか」と誘いをかけるのですが、楽の和樹エリックはこれまで見た中で一番興奮していたように見えたな。彼女を怖がらせないように気を遣いつつも、自分の気持ちの高ぶりを抑えきれないような感じ。思わず「レッスンを受けるといってもらえればの話ですが」というセリフのところで、それ前提で話してるって気持ちがダダ洩れしちゃって無邪気に喜んでしまう場面は可愛かったw。
でもその姿がなんだかとてもいじらしくて…必死に説得してる姿見てたらちょっと泣いてしまった。

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♪オペラ座の幽霊♪

エリックによるクリスティーヌのレッスンが始まるのと同時に、表の世界ではカルロッタが舞台上のハプニングに巻き込まれて大変なことになっている。

カルロッタが仕掛けられた罠というのがけっこうシンプルなやつで面白いんですよね。カツラのなかに虱を仕込まれたり、盆とグラスをボンドでくっつけられたり、けっこう子供のいたずら的なやつが多い(笑)。それに見事に引っかかっちゃうオペラ座のスタッフやカルロッタたちの慌てぶりが笑えるのですが、特に面白いのがルドゥ警部の反応
彼はオペラにはほとんど興味がないようで作品が本来どんなものか知らない様子w。なので、カルロッタが舞台上でハプニングに巻き込まれてるのを見て「コメディ作品だ」ってまじめに思いこんじゃってたみたいなんですよね(笑)。

普段は厳格な雰囲気の神尾さん演じるルドゥが、仕掛けの種明かしを知るたびに「そうか、コメディじゃなかったのか!」と納得してしまうシーンに毎回癒されてましたw。それを横で聞いていた部下たちと「ん!??」みたいな感じで顔を突き合わせるのが可愛くて萌える(笑)。

そのさなかに、エリックが隠していたブケーの死体が転がり出てきて一気に緊迫した状況へ。♪オペラ座の~♪のナンバーは非常にスリリングでドラマチックな音楽。それまで”ファントム”の存在を怖がる対象としてしか見てこなかった人々が、一斉に彼に対する憎しみを向ける。エリックの純粋な一面を知るだけに、この歌はけっこうキツイものがあります。

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♪あなたこそ音楽♪

このナンバーも本当に美しくて心にグッとくるものがある。エリックとクリスティーヌの気持ちがゆっくりとでも確実に重なっていくのが伝わってきて泣けるんですよね…。

クリスティーヌはエリックのレッスンを受けた後ということもあって、この場面ではそれまでの歌い方とちょっと変わっているのもいいなと思います。特に晴香クリスティーヌの声の出し方の変化は分かりやすくて、レッスンの成果が出てるなと実感できました。

エリックとクリスティーヌはお互いに「あなたこそ私の人生」と歌いますが、エリックのほうがその比重は大きいように思います。彼には本当にクリスティーヌしかいない。優しい歌声に包まれていく中で和樹エリックは本当に穏やかで幸せそうな表情を浮かべてた。
特に、歌の後半で盆が回って二人だけにスポットが当たりアカペラで歌うシーンがあるのですが、その時の神聖な雰囲気と和樹エリックの昇華されていく想いとが重なっていて、それがあまりに美しく少し悲しく見えて涙が止まらなかった。

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♪ビストロ♪

レッスンを受けたクリスティーヌが自分の歌声を披露する場となるビストロ。

彼女が現れるまではソワソワして落ち着かなかったシャンドン伯爵が、クリスティーヌが登場したとたんに急に嬉しそうになって少しはしゃいでしまうのが面白い。

廣瀬シャンドンはクリスティーヌが現れる前まではソワソワしながらも平静を保とうとスマート紳士でいるのですが、今回見たら東京の時よりも心ここにあらず感が増してました(笑)。取り巻きの女性に対してもちょっとぞんざいになってたようなw。クリスティーヌと再会してからは喜びを隠せない様子で、「君に恋しちゃったよ」的な想いがところどころでダダ洩れしてたのが可愛かった。
クリスティーヌの歌を聴くときは彼女の正面に座って見入る感じ。

達成シャンドンは廣瀬シャンドンよりもクリスティーヌに再会するまでは気が気じゃない感が(笑)。すごい正直で素直なお坊ちゃんだなと。ジャン・クロードに「恋に落ちるなんて」と指摘されて否定しますが、いや、嘘だろwwってすぐバレてしまうような雰囲気が可愛らしいw。クリスティーヌと再会した時にはキラキラした笑顔で素直に嬉しさを表現。感情の振れ幅があって面白いシャンドン伯爵だなという印象です。
クリスティーヌの歌を聴くときは彼女の後ろ側に立って見守るような感じでした。

最初は緊張感からか小さな声で歌うクリスティーヌでしたが、途中から腹を決めたかのように実力を発揮し人々を魅了していく場面は非常に爽快です。
カルロッタを除く人々が彼女の歌声に魅了されている最中、注目したいのはキャリエールの表情。グラスを持ったまま何かに囚われたかのようにジーっと彼女のほうを見つめ言葉を失っているんです。キャリエールを演じる岡田さんの表情にはドラマがあって、毎回そちらのほうに視線を奪われておりました。

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♪運命の出会い♪

クリスティーヌへの恋心を高まらせたシャンドン伯爵が猛プッシュをかけてくるシーン。
ビストロから連れ出すときにシャンドン伯爵が彼女にコソっと耳打ちするのですが、廣瀬くんの誘い方があまりにもスマートすぎてドキリとさせられてしまったw。達成くんは「いいとこ知ってるよ♪」って感じでちょっとライトな雰囲気なのが可愛い。

クリスティーヌ的にはシャンドン伯爵への恋心にはまだ目覚めていない雰囲気なので、最初の内はかなり戸惑ってる。でも、あまりにも熱心に彼女に対する想いを繰り出してくるゆえに最後にはその気になっちゃうという、何とも少し危なっかしい場面でもあります。
でも、曲はとても明るくて弾むような感じなので思わず微笑ましいって感じてしまうわけで。モーリー・イェストンにしてやられたなと毎回(笑)。

ここは、二人のシャンドンのシャンパンの扱いに注目。

廣瀬くんはクリスティーヌの持っていたグラスをサっと取り上げて中身を捨てた後、グラス同士をおしゃれに付け合わせて見せて、直後にものすごいスマートな仕草で舞台袖に投げ入れます。これがもう、東京で見たとき以上に流れるような自然な動きでうっとりしてしまった(笑)。
達成くんはクリスティーヌのシャンパンを取り上げたかと思うと中身をグビっと飲んじゃうww。そして1個ずつ下手上の手すりに向かって投げ入れるという大技を披露するわけですが(笑)、東京では2個目が失敗して跳ね返ってしまったのを見ていたのでちょっとドキドキしちゃったよー!今回は成功していてよかったw。

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♪今宵のために(リプライズ)♪

ビストロでの歌が評価されたことでカルロッタの嫉妬が増幅し、ある策略でオペラ「タイターニア」の主役を任されることになったクリスティーヌ。
そのチケットをめぐるやり取りが1階の客席内で繰り広げられます。

カップルが多く登場するなか、一人だけチケットもってないお客さんがいて血眼になって持ってる人を探すのですが、目に入った客席の人に声かけまくってるんですよね(笑)。東京では海外のお客さんにも「do you have a ticket?」って尋ねる一幕もあったww。
今回は通路じゃないところを無理やり「狭いところごめんなさい」と謝りながら横歩きで通り抜けて反対側を歩いてたカップルに「チケットないですか!?」と尋ねるアクションが加わってたww。

大沢ファントムの時は千穐楽でチケットもってる人に出会うというアドリブが飛び出しましたがw、今回はどうするのか…ちょっと気になるところです。

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♪崩れゆく心♪

今回からの新曲になるとのことですが…この場面はもう、切なすぎて涙なくしては見れません!

出番前で緊張するクリスティーヌを励ますエリックが、こっそり胸元に忍ばせていた一輪の祝いのバラの花をクリスティーヌに差し出そうとする。その瞬間に折り悪くシャンドン伯爵がやってきて、渡せないまま鏡の後ろに隠れてしまうエリックなのですが…これが悲劇の始まりで…。

二人がキスをして幸せそうにしている姿を鏡の後ろから目の当たりにしたエリックが「どうして涙が出るの?体の震えが止まらない、息ができない」って泣くんです…。それまではエリックはクリスティーヌに対する恋を完全に自覚をしたわけではなかったんだなと。シャンドン伯爵とキスをした彼女を見てこれまで感じたことのなかった”愛しい”という感情を知ったのかと思うと切なくてねぇ…。
和樹エリックの背中があまりにも小さく頼りない姿で…それでバラの花を抱えながら泣いてて…見ているこちらも苦しい。

張り裂けそうな胸の痛みを抱えながら「それでも呼ぶよ、君の名を」と歌う和樹エリックがあまりにも哀しすぎて涙が止まらなかった…。
さらに、バラの花をそっとクリスティーヌの楽屋に置いた後客席を通って退場していくのですが…、東京では客席通路を通る道が短かったのに対し、大阪ではかなり後ろのほうまで客席の中を歩いていくことになってて、それがまたすごく残酷だなぁと。声を上げて号泣しながら横を通っていった和樹エリックの嘆きがストレートに伝わってきて泣けて泣けて仕方なかったです(涙)。

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♪私のもの(リプライズ)♪~♪世界のどこに(1幕フィナーレ)♪

和樹エリックのあまりにも切ない退場の直後に、エリアンナさんのカルロッタの策略シーンが出てくるのですが…場面の落差が大きすぎる(笑)。

クリスティーヌをわざと主役に抜擢させて、彼女に恥をかかせようという魂胆のカルロッタ。毒入りのドリンクを作るわけですが…めちゃめちゃいろんな薬剤投入してるんですよねww。で、最後に濛々と煙が立ち上るヤバイやつが完成。その瞬間の「くっさ!!!」っていうカルロッタの反応が面白くて、さっきまで和樹エリックで泣いてたのに思わず吹き出してしまうww。ここでもエリアンナさんの表情が漫画ちっく。徹底的にやってるのがむしろ気持ちいい。

カルロッタの策略通りに毒入りドリンクを飲んでしまったクリスティーヌは♪タイターニア♪の本番で歌えなくなってしまう。
ここで盆が回って舞台後ろが客席という設定に変わり、そこから怒りの紙屑が舞台の上に投げ入れられていくっていう演出が臨場感あって面白かったです。このブーイングの演出は今回初めて見た。

シャンドン伯爵とキャリエールが慌てて下に降りていった直後、エリックがクリスティーヌの名を叫び舞台上に催涙弾のようなものを撒く。その煙で混乱するなか、上からスーーっと和樹エリックが下りてくるのですが…この降りてくる姿が実に美しくて思わず見とれてしまった。
煙で前が見えないながらも必死にクリスティーヌに追いすがろうとするシャンドン伯爵に「僕の奇跡を渡さない」とすごい形相で歌いながら一瞥くれる和樹エリックに鬼気迫るものを感じた。クリスティーヌへの激しい執着心と、それを滲ませながら静かに立ち去っていく姿がなんだかとても刹那的に見えて哀しかったです。

第2幕のネタバレ感想は次のページにて。今回は結末にも触れてますのでご注意を。

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