劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演を観に行ってきました。…というか、行ってしまいました(汗)。
前の週に久しぶりに岩城さんのファントムを見てから、どうしてもあと1回の気持ちが抜けきらず…気づいたらチケットを手にしておりましたw。これはかなり危険な徴候…。もう間近に新しい「沼」が見えてきたってところでしょうか(汗)。
四季は”作品主義”の理念を掲げているので、役者さんの情報はあまり表に出してこない。数年前に比べてみればだいぶその方向性も変わってきたなという印象はありますが、キャスト発表は1週間前だし、いつどこで突然変わるかもわからないわけで。四季の特定の役者さんにだけハマると色々精神的に落ち着かないことが多いんですよね。
そうと分かっていながらも、会いに行きたくてたまらない衝動が抑えきれず行ってしまったw。岩城さんの歌と芝居にはそれだけの魔力があると思う。これまでのタイプとは少し違った独特さはあるので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、刺さる人にはめちゃめちゃ刺さるんじゃないかと。少なくとも私はものすごい引力で惹きこまれていったという感覚がある。こういう出会いがあるから、観劇は素晴らしいし、やっぱりやめられない。
余談ですが、今回遠征するにあたって久しぶりにハローキティ新幹線(こだま限定)乗りましたw。
1両目はグッズ売り場、2両目がキティ新幹線仕様の内装になってて可愛いのです。大阪から博多間で1日2往復してるらしいので、興味がありましたら是非。
劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧
以下、超ネタバレを含んだ感想になります。未見の方はご注意ください。
2022.08.25 マチネ公演 in 大阪四季劇場(大阪・西梅田)
主なキャスト
- オペラ座の怪人:岩城雄太
- クリスティーヌ・ダーエ: 藤原遙香
- ラウル・シャニュイ子爵: 岸佳宏
- カルロッタ・ジュディチェルリ:辻奈々
- メグ・ジリー: 松尾優
- マダム・ジリー:佐和由梨
- ムッシュー・アンドレ:増田守人
- ムッシュー・フィルマン: 平良交一
- ウバルド・ピアンジ:山口泰伸
- ムッシュー・レイエ:林和男
- ムッシュー・ルフェーブル:志村要
- ブケー: 田辺容
カルロッタ&ピアンジのコンビが交代になりましたね。それから、アンサンブルさんにも変更がちょいちょい。ダンサーに吉田ケインくんが帰ってきた!それから、9枠に佐藤圭一さんが入っていらっしゃる!6枠に見付祐一さんいらっしゃるし、お二人で支配人’sできちゃうじゃないか〜。メインとアンサンブルとを掛け持ちで演じられていて本当にすごいなぁと思ってしまいます。
そろそろ8月2週から入ったメンバーは交代の時期に入ってきたかな。
全体感想・キャスト感想
今回は、岩城ファントムに会いに来たという気持ちが強かったので…感想はだいぶ偏るものになると思います(いつもどこか偏って歪んだ内容ですけどw)。あしからず。
♪ハンニバル♪
辻カルロッタ、クセの強い歌い方が以前と比べてまたパワーアップしていたような気がする(笑)。河村さんよりも少しキツい性格っぽい雰囲気もあるので、周りのみんなが「扱いに困る人」という目で見るのも納得かも。一瞬交わした男性ダンサーとの勝ち誇ったような意味深な目線のやり取りは特に印象深かったな。
山口ピアンジは、以前見た時よりもちょっとコミカル度が上がったかも!?というよりも、カルロッタ大好きオーラが増してたように見えたw。永井さんのような癒し系の笑顔満載ってわけじゃないんだけど、「カーラ、最高だよ!!」的な表情は常に浮かべていて面白かったです。どんなにツンケンされても「そういうところが好き!」って受け止めちゃうようにも見えたかも(笑)。
♪Think of me♪~♪エンジェル・オブ・ミュージック♪
ToMはクリスティーヌが本領発揮していく段階で後ろに下がって行った時にマダム、メグ、お針子さん、レイエが彼女を囲む形になるんですが、早水さんが演じるお針子さんのセカセカっぷりがいつも面白くて見てしまうw。なんかもう、「早くしなきゃ!」的にちょっと切迫感ある動きしてるので見ていて「間に合うか!?」みたいにドキドキしてしまう(笑)。あれは早水さんのお芝居なのか、素なのか??謎w。でも、あの短い時間の間にクリスの衣装をつけ足さなきゃいけないから大変だと思います。
無事にセッティングが終わった後は「あぁ、よかった」という安堵の声が聞こえてきそうな表情で去って行かれてました(笑)。私もホッと一安心ww。
藤原クリスティーヌ、相変わらずホワワっとした雰囲気が相変わらず可愛らしい。”いつも何かを夢見てる子”という雰囲気がここ最近のクリス女優さんの中で一番かもしれません。前回少し気になった歌の語尾の伸ばしっぷりも今回はたっぷり聞かせる歌い方になっていてとても良かったです。
岸ラウルはなんだか回を重ねるごとに若々しさに磨きがかかっている気がするぞ!?オペラグラスを除いた後に「ブぅラぁーーーヴぉォーー!!」と叫んだ時は若さゆえの初々しさみたいなものすら感じられました。8月頭に久しぶりに見た時には貫禄が出たなぁと思ったけれど、今回はあまりそう感じることがなかった。日を追うごとに若返ってるような芝居になってる岸くん、素晴らしいです。
コンサートが終わった後の指揮者さんは今回は9枠の佐藤圭一さん。ついこの前フィルマンで見た方が指揮者役でクリスティーヌに大拍手してるとは。ダンディーな拍手っぷりが素敵でございました。
佐和ジリーは、ダンサーたちにダメ出しをするときの指摘の仕方がとても印象的。「あなな達↑?」と柔らかーく話しかけた後に「今夜は全っ然ダメ↓」と告げるのですが、ここもなんだかとてもソフトな言い回しなんですよね。生徒たちに愛情があるからこそという気持ちが溢れていてなんだかちょっとホッコリします。
最後にクリスティーヌに何か話しかける林レイエ、ただ褒め称えてるんじゃなくて「あの部分はもう少しこうしたほうがイイかも」みたいにアドバイスも入れてるように見えたんだけど実際はどうだったのかな?真面目一徹で芸に厳しい林さんのレイエらしさが溢れてていいなと思います。
そして最初に聞こえてくる岩城ファントムの「ブラヴィー」の歌声。「ラ」の音が巻き舌っぽくなっているのがとてもセクシーに聞こえます。そっと囁くように優しく、それでも思いを込めて歌っているのが伝わってきたなぁ。今回の岩城さんもめっちゃ期待大!とテンションが膨らんだ瞬間(ここから気持ちが昂るのは、沼が見えてきた証拠かもww)。
松尾メグは相変わらず歌いっぷりがとてもキャピっって感じで可愛らしい。「クリスティーヌ、素晴らしいわ!!」な気持ちがこれでもかってくらい溢れてたよ。
そんな彼女に「早くきて練習をしなさい」と叱る佐和ジリーですが、ここもあまり厳しくなくて「仕方ない子ねぇ」みたいなテンションだったのが印象的。全体的に佐和さんのジリーは愛情深い人だなって思えて好きです。それに対する「お稽古ばっかり」っていう松尾メグの反応も可愛くて好き!
♪リトル・ロッテ♪
支配人たちとクリスの楽屋へ向かっている時の岸ラウルはやっぱりめちゃめちゃ内心ソワソワしてるw。顔に「この人たち早く離れてくれないかなぁ」っていう気持ちが出てた気が(笑)。でもシャンパンの受け取りは先週よりもソフトだったな。
藤原クリスに会った時の岸ラウルは実に嬉しそう。二人で懐かしい話をしている場面はなんだかちょっと和みます。そしてラウルが食事に誘うシーンになるわけですが、「可愛いロッテ」と言われた藤原クリスはちょっと恥じらいながらも嬉しそうな笑顔を見せてる。この表情を見た時に、彼女はラウルのことがこれからもっと好きになるんだろうなと思ってしまった。あんな雰囲気だったら…そりゃファントム嫉妬の怒りに震えるのも分かるなと納得です。
♪ミラー♪~♪The Phantom of the Opera♪~♪The Music of the Night♪
この日もミラーの奥の岩城ファントムが最初からうすーく見えてたので、もしかしたら私の座っているポジションがそうなのかもしれないと思うようになったw。なんか姿見えるだけで「今回も会えた」っていう喜びが自分の中に沸き起こってて…、これは沼の入口まで本当に行ってるかも!?と自覚(笑)。
♪ミラー♪の時の「私の宝物に」は声の勢いはすごくあるんだけど、他のファントム役者さんに加えると少しまろやかにも思えるかな。洋輔くんも清水くんもものすごい声量しょっぱなから出してくるんですが、岩城さんは若干抑え目から入る感じ(あくまでも私個人の感覚)。そこが逆にファントムのメラメラ感が出ていて面白いなと思います。
クリスティーヌの手を取る時の岩城ファントムは実に紳士でとても優しい。あんなふうに手を握られる彼女は幸せだなと思ってしまう。
ボートで現れる場面、先週のとある日に岩城さんが漕ぎ棒を落としてしまうハプニングがあったそうですが、今回はちゃんとスマートに最後まで落とさず辿り着くことができててちょっとホッとしました。ボートからクリスを下ろすときの目線や手の取り方もソフトで紳士的な岩城ファントム。
藤原クリスの歌声を聞き始めながら後ろに進んでいく場面、ここは彼は歌を歌わないで”音楽の教師”としてそこに居る雰囲気を出しているように見えます。「そうだ、その調子だ」と言っているかのように私には思えた。
ハットはやはり奥に飛ばさずにその辺に投げ置く感じなのでシーンが変わるまで見える位置に転がってるww。マントの脱ぎ方も前回以上にけっこう適当(笑)。そこに気を配るよりも1秒でも長くクリスティーヌの歌を正面から聞きたいといったファントムの気持ちが表れているようで、私はこういう芝居もありだなと好意的に見てます。
そしてMotNの場面。いや、もう、なんというか…心の底から感動しました。すごい心臓の奥の方が震える感覚があった。このシーンは洋輔くんのファントムでしか泣いてなかったんだけど(←尋常ではない気持ちで見てるのでw)、今回岩城ファントムの歌う姿を見て思わず涙がぶわっと溢れてしまった。その歌声、そして雰囲気は、まさに「祈り」だった。
1幕の段階では岩城ファントムはどちらかというと落ち着いた雰囲気があるのですが、その心の奥にはクリスティーヌを自分の手元に置いておきたいという強烈な欲がある。その想いが、歌のフレーズの一言一言にすごい込められていたように聞こえました。「どうか、お願いだから、ずっと傍にいてほしい」と心から願いながら歌ってる岩城ファントム、その姿に涙が零れました。
クリスティーヌの花嫁人形のいる鏡にかかった布をファントムがバサっとかっこよく引っ剥がす場面。岩城ファントム、ハットや自分のマントはけっこう雑に扱ってるのにw、この時はめちゃめちゃすごいビシーーっとフルスピードでめくっててすごいいい音がする。あんなに勢いよくめくってるファントムは岩城さんが初めてかもしれないw。でもその直後ちょっとビクビクしたように「ほら」って仕草でクリスを導くギャップが可愛いんだよねぇ。
花嫁人形に驚いた藤原クリスが失神してしまうシーン、岩城ファントムは一度後ろにのけぞるような感じでビビッて慌ててマントを取りに行ってました。そしてバサッと上から駆けた後、彼女の顔に少し掛かった部分をすごく自然に丁寧にそっと折り曲げてた。この仕草がめちゃめちゃ優しくてまた泣きそうになってしまったよ(涙)。
作曲中もけっこう落ち着いた雰囲気の岩城ファントム。筆の走らせ方もそんなに興奮していない。一音一音を丁寧に楽譜に書き上げている感じです。仮面をクリスに剥がされた直後も、他のファントム役者さんに比べるとあまり大きなリアクションは取っていない印象かな。
その代わり、彼女に対する怒りのパワーはかなり強め。でも、その怒りもなんだかすごく哀しげに見えちゃうんですよね…。「呪われろ」とうずくまったあとにすぐクリスのほうへ視線を向けるシーン、この時岩城ファントムの目には溢れそうな涙が浮かんでる。それがさらに切なさを増幅させてて…見ていて本当に痛々しかった(涙)。
藤原クリスは自分のほうへにじり寄ってくる岩城ファントムに恐怖を感じて後ずさりしてるけど、目に涙をいっぱい貯めた表情を目の当たりにした後に、恐怖とは違う感情が芽生えたような雰囲気がある。それ故、仮面を返す行動がとても自然に思えたな。
クリスに仮面を差し出された時、岩城ファントムは一瞬驚いたような表情も見せてたのも印象的。素顔を知ったうえで自分に情けを掛けてくれた彼女にますます気持ちが持って行かれたんじゃないかなと感じた。
♪ブリマ・ドンナ♪
平良フィルマンの新聞投げ、ウハウハしながらテンション高めに上の方に向かって投げてるのでほぼ全部袖に飛ばないで下に落ちてるのが面白い(笑)。でも、ご機嫌なのは最初のほうだけでカルロッタとピアンジが怒り心頭で駆けこんできたあたりからめっちゃイライラが募り出してる。増田アンドレにもその苛立ちをぶつけるような感じになってて面白かったw。
山口ピアンジは以前見た時よりも”カルロッタの味方”オーラがばりばり出てましたねw。彼女が怒りで色んな人に詰め寄るたびに「そうだそうだ」と言わんばかりの表情しててちょっと萌えました(笑)。
岸ラウルはクリスティーヌと会えないと分かると本当に不安そうな表情になってて気の毒になってしまう。「どこだろう?」と歌ってる時もめっちゃ落ち込んでる気持ちが伝わってくるんだよね。それにしても岸くんの歌声は本当に聴き取りやすい。何重にも重なった歌声の中でも彼のフレーズがちゃんと独立して聴こえてくるのが本当に素晴らしいと思う。
あと面白かったのが、歌の後半でアンドレとフィルマンがカルロッタのために椅子を用意する場面。ここで彼女が後ろを向いている隙にフィルマンが一瞬座っちゃって、振り向かれた時に慌てて立ち上がるっていう動きがあるんですが(新演出からかな)…、今回平良フィルマンはいつもより長い時間どっかりと座ることができてました(笑)。辻カルロッタはちょっと振り向くタイミングが遅いのかも?
♪イル・ムート♪
前回の♪イル・ムート♪のシーンでは高井さんのパートの時に音が出なくなるハプニングがありましたが、今回はしっかりと流れていてホッと一安心。
宝石商は佐藤さんが演じてるのですが、ファントムの仕掛けたトラブルでカルロッタの様子がおかしくなった後にアタフタしまくる今井くん演じるヘアドレッサーをピシャっと「しっかりしろ」みたいな感じで目で合図してたのが面白かったですw。
岸ラウルは5番ボックスの縁に肘を立てながら「ふ~~ん」って感じで見てるんだけど、クリスティーヌの出番が目立つとき以外はかなり退屈そうなのが面白い(笑)。ちょっと溜息めいた仕草をしてたようなww!?クリスティーヌがちょっと可愛い仕草をしたりすると(お尻フリフリするとことか)クスクスッて優しい笑顔で笑ってる岸ラウル。表情豊かで非常に魅力的です。あれは推しを定点観測してる時の私のようだwww。
カルロッタの歌声がカエルになった時の岩城ファントムは実に楽しそうに笑うわけですが、その笑い方はすごい悪意に満ちたものでゾクっとします。声質もあると思うんだけど、けっこうホラー的。洋輔くんのもゾクっとするけど、岩城さんのも違う意味で背筋寒くなるレベルかも(最高)。
バレエの場面、久しぶりに爽やかな吉田ケインくんのダンスが見れて嬉しかった!相変わらず可愛い笑顔で投げキスを連発。ファントムの影で皆がざわついてるシーンでは客席に向かって「ごめんなさい」みたいな仕草もしてるのが印象的です。
♪All I Ask of You♪
屋上へ逃げてきたクリスティーヌとラウル。「もうここにはいない」と安心させようと彼女の肩を持った岸ラウルでしたが、藤原クリスは恐ろしい勢いでそれを払い除けながら「私は行ったの!」と訴えていてちょっとビックリしましたw。まさかそんな行動されると思わなかった岸ラウルとしては、困惑の極致に迷い込むのも無理はないというレベル。
藤原クリスはファントムに関しては恩義を感じてるんだけど、恋心という側面から言うとラウルに傾き気味な雰囲気があるんですよね。彼を一度払い除けたのは、気持ちが混乱してたが故の行動だったかなと思いました。
でも岸ラウルは彼女の気持ちが分からなくてどんどん不安だけが募っていく。その心の焦りというものが手に取るように伝わってきます。それゆえ、一度胸の中に飛び込んできた彼女をしっかりと抱き留めることができなかったのかな…なんて。
クリスティーヌがラウルに気持ちを寄せるフレーズを歌い始めたあたりの時に、彼の心の迷いがようやく晴れたかなといった感じ。完全に気持ちを寄せてキスに至った時の岸ラウルは本当に幸せそうだし、グルグルもめっちゃ楽しそうにやっててなんだかホッコリしてしまいますw。
私はいつもファントム寄りに見てしまうのですが、岸ラウルはなんだかちょっと感情移入しちゃうことが多いんですよね。今回見ていて、なんとなくですが…クリスティーヌへ向ける想いの方向性はファントムとあまり変わらないのではないかな…とも(あくまで個人的見解)。
エンジェル像の場面、ファントムの姿が現れた時に私は大きな衝撃を受けました。顔を上げた岩城ファントムの素顔の部分の瞳から、一筋のとても奇麗で哀しい涙がツーーッと落ちたんですよ…。あの瞬間に私の涙腺が決壊(涙)。あんな哀しい表情見たらもう、泣かずにはいられないではないですか…。
クリスティーヌとラウルの愛の歌の幻聴は、岩城ファントムは最初のほうしっかり聴いてしまってるのですが…それを見ながら心の中で「早く耳を塞いでーー!」と叫んでる自分がいました。それくらい辛く切なかったんです(涙)。
この後怒りのシャンデリア落としがあるのですが、その怒りの声ですら私にはひたすら哀しく聞こえてしまって…。客電がついた後も胸が苦しくて動悸が止まらなかったほどでした。あの場面であそこまで泣いたの、久しぶり…。岩城さんのお芝居、ホント好きだなと思った。
♪マスカレード♪
大阪公演になってからこの場面の冒頭でのアンドレとフィルマンの怯えっぷりのリアクションが大きくなった気がして毎回楽しみにしています。比較的平良フィルマンはかなりおっかなびっくりしてるので何だかとても微笑ましいw。
それから、ケインくんのマントをひらめかせながら華麗に踊る姿にも目を奪われます。表情が可愛いのにめっちゃキレのあるダンスするからつい追っちゃうんですよね。
岸ラウルは藤原クリスが大好きで仕方がないというラブラブ笑顔全開の登場。大人な優しさみたいな雰囲気もあってとても素敵です。でも、婚約を公にしたがらないクリスティーヌの言葉を聞いてからまた不安に駆られてしまう。
特に、クリスを見失ったときの混乱した表情はとても印象的。マダム・ジリーに彼女の行方を尋ねるときも気が気でないといった感じでとにかく激しく探し回ってました。それだけに、発見したときのなんとも言えない安堵した表情がめちゃめちゃリアルで思わず心のなかで「よかったねぇ」と声をかけてる自分がいたw。
レッド・デス登場の場面、岩城ファントム、「ドンファンの勝利」の楽譜をアンドレに向かって片手で放り投げててちょっとビックリした。あの投げコントロールはすごい。
♪支配人室2♪
平良フィルマンと増田アンドレの混乱っぷりがますます顕著になってるような気がする。ファントムの脅威に怯えどうすればいいのか分からず追い詰められてる感がすごかった。
カルロッタがピアンジと一緒に見ていた楽譜を怒りのあまり放り投げる場面。前回はピアンジの手の中に奇跡的にきれいに収まっていましたが、今回はめちゃめちゃ楽譜が暴れてて山口ピアンジが折りたたむのにかなり必死になりながら「こいつは酷いぞ!」と歌いだしててちょっと笑いそうになりましたw。
クリスティーヌが最初に「私やりたくない」と拒絶する場面。この時岸ラウルは彼女の意思を尊重するのですが、「嫌なら嫌でいいよ」と歌うときに支配人たちのことを睨みつけながら歌ってるんですよね。この細かい芝居がめっちゃいいなと思った。どんな事があっても僕はクリスティーヌの味方っていう気持ちがだだ漏れてるのが伝わってきます。
ところが、その後にファントムを仕留める妙案を思いついてからはガラリと豹変。クリスティーヌがどんなに止めようとしても全くその声が耳に入ってこない。支配人二人と目をギラギラさせながら戦闘モードに突入した岸ラウルはなんだかちょっとゾクっとするような怖さも感じさせます。
クリスティーヌがなんとか叫んで我に返る瞬間はありますが、その時も彼女の真意がつかみ取れずに困惑しててますますファントムに憎しな感情が募っていっているようにも見えたかな。
最後にみんなでクリスティーヌに歌ってほしいと頼むシーンがありますが、やっぱり今回も山口ピアンジが一番熱心に口説いてるように見えて面白かったw。藤原クリスがちょっとビビってるように見えたのは気のせいかな(笑)。
♪墓場♪
お父さんの赤いスカーフを頬に当てているときの藤原クリスの表情はまるで迷子の少女のようでちょっとキュンときます。会いたい気持ちを必死に堪えながら前を向こうとする気持ちを乗せた歌唱も素晴らしかった。
岩城ファントムはその間ずっと十字架の中にいるわけですが…マントの裾の部分が表に出てしまっていたせいか、真っ暗なはずの十字架の下の方がちょっと色づいておりましたww。隠れ方も結構大変そうです。
クリスティーヌを誘うために岩城ファントムが歌うAoMは、本当に子守唄のように優しく柔らかい。あの音色に私の心も猛烈に惹き込まれていく感覚があって涙が出そうになってしまった…。ここに途中から岸ラウルが参戦してくるわけですが、ここでも彼の歌声ははっきりと聞こえるんですよね。一言一言にクリスティーヌへの愛を訴えている思いがきっちりと伝わってくる。
岩城ファントムと岸ラウルがクリスティーヌへの溢れんばかりの気持ちを歌うこの場面を見た時、やっぱり二人の想いの方向性は似たものがあると感じてしまった。岩城ファントムの思う気持ちはすごくねじ曲がっているはずなのに、なんだかとてもピュアに思えて仕方ないんですよね(個人の感想です)。
そして火の玉攻撃に出る場面。岩城ファントム、岸ラウルに敵意むき出しにしてガンガン打ってこようとしてるんですが、かなり違う方向に飛んでくものもありw。さらには興奮してるからかこの日は半分くらい火が出てこなくて最後の方は言葉だけで威嚇してる感じでした。これはこれで迫力があって面白かったです。
だけど、二人が去っていくときの「行くな!!」の悲痛な声はめちゃめちゃ泣ける…。まるで子供が親を引き留めようとしているかのようだったよ(涙)。
♪The Point of No Return♪
もはやピアンジのカーテン閉めにドキドキすることもないかな、と思うほど山口さんはピシャッとうまくこなしていらっしゃいました。ホッとした半面ちょっと寂しいw。
歌い出しは感情を抑えたかのように静かに入ってくる岩城ファントムでしたが、クリスが一番最初に顔を近づけるシーンになった時の顔の逸らし方がめちゃめちゃ激しかったのがとても印象深かった。必死に落ち着けようとした気持ちがあの瞬間に弾けそうになってしまって、いたたまれずに必死に顔を逸らせてしまったという感じ…。あのリアクション見てものすごく胸が痛んじゃったよ…。
藤原クリスはそれに対して「?」と感じながらも「なによっ」って雰囲気に切り替わってどんどん大胆にセクスィーになっていく。藤原さん、見た目が本当に可愛らしいので大人な芝居とのギャップがすごい。あれはますますファントムを虜にしちゃうの分かるなぁって思った。
そしてクリスティーヌがファントムの正体に気づいてしまう場面。逃げようとする彼女を逃がすものかとその腕を掴む岩城ファントムの手の強さがものすごく強い。そこに彼の執着心の激しさを見た気がする。
藤原クリスが怒りにも似た眼差しでベールをめくりその正体を晒した瞬間、岩城ファントムは前のめりだった顔を後ろに引いて息を飲んで一瞬時間が止まったようになってたな…。そしてみるみるその表情に哀しみの色が浮かんできて後ろを向いてしまう、この一連の行動が切なすぎて涙が出てしまう(泣)。
それでもクリスティーヌへの溢れる想いを伝えるべく祈るような気持で彼女の元へ歩み寄る岩城ファントム。「どんな時でも」と歌い出した時の声色はもう、ほとんど泣きそうな感じになってて…見てるこちらの心が苦しい。必死に、必死に想いを伝えようとしてるんだもの…(涙)。
それでも彼女にはそんな彼の気持ちを受け入れることは到底できなくて、さらに怒りを込めて仮面を剥がしてしまう。その瞬間思わず出てしまった岩城ファントムの衝撃の声は、まるで泣いているような響きがあった…。
♪怪人の隠れ家♪
隠れ家に駆け込んできたときの岩城ファントムはかなり常軌を逸した様子。他のファントム役者さんは追手が来ないか後ろを確認する仕草を見せていますが、岩城さんはクリスティーヌのほうしか見ていません。
そして、クリスから「飢えた悪魔」と罵られた時…岩城ファントムの目に溢れんばかりの涙がブワワッとこみ上げてきたのが見えてもう、私の涙腺も堤防を越えました(涙)。あの瞬間からさらに幼さが増していったようにも見えたなぁ…。涙ボロボロこぼしながら悲痛な表情で「血に呪われた運命」と歌い出した時は本当に切なすぎて胸が苦しくなった。
「母にも嫌い抜かれて」のフレーズのところは捨てられた子供のように孤独で哀しい。素顔とは反対側の顔はかなり涙で濡れてましたが、まるで血を流しているかのように辛そうだったよ…岩城ファントム(涙)。
さらに切なかったのが、クリスティーヌにベールをかけるときのリアクション。最初はかなり乱暴に装着するんだけど、そのあと彼女の顔を愛しそうに触れるような仕草で微調整してたんですよね。本当はもっと彼女を大切に扱いたいという気持ちが垣間見えた気がして、あの瞬間もめっちゃ泣けました(涙)。
ラウルがやって来たことに気が付くと悪魔のような冷たい表情を浮かべる岩城ファントム。でも椅子に座った後に袖の部分をいじったりして落ち着きがない。ラウルから「情け知らず」という言葉をぶつけられた瞬間は、まるで反抗期の子供が食って掛かるような勢いで「情けなど知らないっ!」と返すんですが、その声は涙声で裏返るほどで見ていて悲しくて悲しくて仕方なかったです…。
ラウルの首にロープを巻いた後はかなりの興奮状態でクリスティーヌを脅迫。今回もオルガンのところに辿り着いたのは「もはや引けないぞ」の最後の「ぞ」の言葉を歌う時だったな。絶対に二人をくっつけさせたくないという執念みたいなものも垣間見えた気がした。
さらに切ないのが、クリスティーヌから「哀しみの涙今、憎しみに変わる」と激しい言葉をぶつけられた瞬間。あの時、最初はその言葉の意味が呑み込めないような様子で少し呆然とするんだけど、徐々に悲しみに支配されていって苦しくて息ができないといったような悲痛な表情へと変わるんですよ(涙)。あんなんもう、見てるこっちも苦しすぎて泣くしかないではないですかっ!!!岩城さんの哀しみのどん底の芝居がもう本当に繊細過ぎて泣けて泣けて仕方ないです(涙)。
その後の3人の攻防の場面はもう胸が詰まる想いでゴーゴー泣きながら見てしまったので細かいところはチェックできず(汗)。でも、二人に激しい言葉をぶつければぶつけるほど自分の首を絞めて苦しんでいるかのような岩城ファントムの姿は見ていて本当に居たたまれない…。すぐにでも「もうやめて」と飛んで行って抱きしめてあげたくなるレベル。
これと並行して、岸ラウルの必死の訴えも本当に泣けるんですよね。ただただクリスティーヌを愛しているが故に「僕を見捨てろ」と本気で叫んでいた。彼のクリスへ向けている愛情はどことなく悲壮感もあるので、少しファントムと共鳴するような雰囲気を感じました(私個人の感想として)。岸くんのファントム役というのも見てみたくなった瞬間でもあったな。
キスシーンはもう色々と涙なしには見られません(涙)。藤原クリスは「選べ!!」と涙ながらに叫び背を向けた岩城ファントムを見て、初めて彼の本質を正面から捕らえたかのような表情をしていた。キスをするまでのリアクションがすごく自然。
岩城ファントムは1回目はボロボロ涙を流しながら驚愕してて、2回目の時には彼女の想いがこれでもかというほど心の中に沁み込んできて何とも言えない感情に支配されてしまっているかのよう。必死にそこから逃れるように唇を離していた姿がとても印象深かった。
この時岸ラウルは…目を逸らしながら俯いて肩を震わせてるんですよね…。これもめちゃめちゃ泣ける(涙)。キスをする寸前のクリスを見た時には「頼む、行くな、行かないでくれ」といったような必死の形相を浮かべていただけに、それが現実になったのを目の当たりにして激しいショックを受けたことが伝わってくる。それ故、フラフラと目の前をよぎるファントムに対してもあまり攻撃的には睨んでいなかったように見えました。
岩城ファントムはラウルの目の前を通り過ぎかなり先に行ったところで自分の唇に手を触れてクリスのほうに視線を送ってますね。自分に起こった出来事を受け止めきれていないで混乱している様子が手に取るように伝わってくる。
ラウルの縄を切る瞬間、ろうそくを向けながらものすごい敵意の視線で彼をにらみつけるんだけど…クリスティーヌが「だめよ」というように首をかすかに振っている姿を見て激しい葛藤の末にロープを焼き切ってた。この時蹲ってしまうファントム役者さんが多いんだけど、岩城さんは崩れずにオルガンまでフラフラ進んで倒れないよう必死に自分を支えているようでした。
ラウルとクリスを追い出すとき、最初の「行け」まではなんとか言葉を絞り出しているかのように歌っていますが、2度目の時には「行ってくれ、お願いだぁーーー!!!」と血を吐き出すような泣き叫び方をしてた岩城ファントム…。もうホントそんな姿見るのが辛くて涙が止まらない(泣)。
その直後の猿のオルゴールを前に歌う♪マスカレード♪の歌の、なんと哀しいことよ…。ボロボロ泣きながら猿の顔に手を当てる場面は、あまりにも孤独で哀しい…。
クリスティーヌが指輪を返しに戻ってくる場面。一瞬だけ希望を持った表情になる岩城ファントムでしたが、彼女の指から指輪が外され差し出されるのを見た時にすべてを悟る。そのうえで、そっと、優しく、ずっとずっと伝えたかった「I LOVE YOU」を告げるんですよね…。ほんっと、胸が詰まる…。それに対して藤原クリスティーヌは、彼の言葉の感情に流されるのを必死にこらえるように、最後は目を合わせることなく逃げるように立ち去ってしまった。やっぱり彼女はラウルを愛する気持ちのほうが強かったんだなと思い知らされます。
クリスティーヌが立ち去った後もずっとそちらを見つめ立ち尽くしている岩城ファントム…。そっと返された指輪を指にはめた後、もう一度「I LOVE YOU」と囁くのですが…この日はもう哀しみのあまり涙で殆ど声が出てなかったよ(涙涙)。これ以上泣かせんでくれぇーーーー!!な状態の私。
さらに最後、クリスが残していったベールに気が付いてそれをかき集めて声を殺しながら泣くんですけど…、まるで独り取り残されてしまった子供が母親の残したものにすがるかのようで…。なんか形容しがたいんだけど、私の心も一緒になって涙に暮れておりました(泣)。
岩城さんは、たぶん、私がこれまで見てきたファントム役者さんの中で一番母性本能を刺激させるタイプのファントムかもしれない。見終わった後も愛しさが後から後から泉のように湧き起こってくる。だから何度も会いに来たいという気持ちにさせられてしまうんだろうなぁ。
好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、めちゃめちゃ刺さるんですよ。推し以外でこういう感情を私にもたらすとは…岩城さん、おそるべしっ!!!
後述
カーテンコール、いつものように3回目あたりでスタンディングオベーションが起こり今回も大いに盛り上がりました。私の周りの席には初見の方も多かったようで、何度も幕が開くたびに「また出てきてくれた!!」と大感激しまくっていて私も一緒に嬉しくなっておりました。
岩城さん、前回のカテコの時にはかなり早い段階から笑顔全開だったけど今回は最初の数回はちょっと落ち着いた雰囲気だったかな。でも、岸くんと藤原さんに目線を合わせる時にはとても良い表情をされていて、それにつられてちょっとクールな感じの岸くんも笑顔になってるって感じだったのがすごく和みました。
最後のほうは岩城さんもとても素敵な笑顔で客席に応えていらっしゃって…もうその姿を目の当たりにしただけで嬉し涙が出てきそうになってしまった(←沼に入る前の危険な兆候w)。
ファントム役を観てからやたら岩城さんのことが気になりだしたので少し調べてみたところ…、なんと、私とほぼ同年代の方ではないですか!!勝手に凄い親近感ww。さらに過去のキャスト表をパラパラと見てみたら…、アンサンブル時代の岩城さんをけっこう見ていたことも判明。ちなみに『リトルマーメイド』は1回しか観てないんですが、この時も岩城さん見ていた。あのやたら歌が上手かった人がそうだったのかと納得。
なかなか大きな役が付かない時代からコツコツと頑張って今の場所をもぎ取られたんですよね。さらに応援したい気持ちが大きくなります。
そんなこんなで、沼に片足突っ込んだくらいまでいったかもしれんですw、岩城さん。おそらく今回でまたしばらく見れなくなりそうですが、次の機会もまた必ず会いに行きたい。一度トークとかも聞いてみたいな(←そうしたらますますハマりそうで怖いんだけどww)。