渋谷の東急シアターオーブで上演されたミュージカル『プロデューサーズ』を観に行ってきました。
10月から観劇を再開し月1ペースで東京に行っているのですが…、今回の遠征が一番勇気振り絞ったかもしれない(汗)。正直ギリギリまでどうするべきか悩みましたが…、一度は観てみたい作品だったしキャンセルも効かない状況だったので、今までの中でも特に予防対策に力を入れて東京へ向かうことにしました。
こんな状況の中でも演劇界では新しい作品の上演予定が発表されたり、稽古が始まったニュースが流れたりと前に進み続けています。以前だったら「めっちゃ楽しみ!!」っていうワクワク感でいっぱいだったのですが、ここ最近は「観に行けるだろうか…」という不安が常に付きまとう…。特に”遠征”する身としては非常に複雑な心境です。
演じる側も命がけだろうし、観劇するほうもリスクと隣り合わせな状況が続く。本当に嫌な時代になってしまった。
先月『RENT』が開演ぎりぎりで中止になるという経験をしていたので、今回も開場時間までハラハラな心境でした。現に、他のカンパニーで初日が延びる事態になったりもしていたので…実際に客席に行くまでは油断ができない。この時のために遠征しても無に終わってしまうことを覚悟しなければならないご時世なので、無事に幕が開いて溌溂としたキャストさんたちが登場した瞬間は心底ほっとしました。
ロビーや客席は最初は比較的静かでしたが、やはりどうしても複数グループで来ているとお話声が大きくなってくる方もチラホラ…。劇場スタッフもプラカード掲げて注意喚起はしていましたが、大きな声を出せないので難しいことも多いと思います。
一番ギョっとしたのは休憩時間に入った瞬間。オーブは劇場が大きいのでお客さんも多いわけですが、
大勢の人が一気に化粧室へ向かうべく扉に殺到していてものすごい密な状況になっていました(汗)。
あれはちょっと対策考えたほうがいいと思う。クラスターになりかねない。特に大きい劇場での休憩時間の対応はもっと真剣に感染対策に取り組んでほしいです。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2020.12.03マチネ in 東急シアターオーブ (東京・渋谷ヒカリエ)
主なキャスト
- マックス:井上芳雄
- レオ:吉沢亮
- ウーラ:木下晴香
- ロジャー・デ・ブリ:吉野圭吾
- カルメン・ギア:木村達成
- ホールドミー・タッチミー:春風ひとみ
- フランツ・リープキン:佐藤二朗
今回はアンサンブルさんが20名とかなりの大所帯!皆さん様々な役柄をこなされて早替えとかかなり大変だったと思いますが、どのキャラも超個性的で(特にロジャー宅のシーンで登場する皆さんww)度肝抜かれました(笑)。
一人一人のアンサンブルさんたちが個性を発揮できる役柄で登場する演目ってあまり多くないので、こういう作品を見るとなんだか嬉しくなりますね。実力がある役者さんたくさんいらっしゃいますから、これをきっかけにさらに大きな役を掴むようなチャンスがくればいいなと思いました。
ちなみに、アンサンブルの一人である可知寛子さんがYouTubeにあげてくださっていた「舞台の裏側」動画を事前に見ていたのですが、これがまためっちゃ面白くて参考になりました。ロジャー宅でのキャラはあの動画見なきゃ可知さんだって分からなかったと思うwww。
他にも楽しい動画がたくさんあるので、是非チェックしてみてください(私はチャンネル登録させていただいてます)。
あらすじと概要
基になっているのは1968年にアメリカで公開された映画『プロデューサーズ』で、2001年にミュージカル化されました。映画を監督したメル・ブルックスは”コメディ映画の重鎮”と呼ばれるほどの大物で、舞台化するにあたり作詞・作曲・脚本なども担当したのだとか。
2001年のブロードウェイでの初演は大きな反響を呼び、トニー賞12部門を制覇。その後も多くの国で上演される人気作となり、2005年にはミュージカル版を基にした映画まで製作されるに至りました。
日本での初演は2005年、V6のイノッチこと井ノ原快彦くんと長野博くんのW主演で上演。人気の二人が主演を務めたことで話題となり、2008年にも同じメンバーで再演されました。
ちょいちょい〇ネタが出てくる作品なので、初演と再演でJアイドルの二人がこれを演じたのかと思うと…なんかすごく貴重な公演だったのではと(笑)。
01年に『プロデューサーズ』がトニー賞を取ったことは知っていたので、日本版が上演された時にはぜひ観てみたいと思っていたのですが…どうにも都合がつかなかったのとチケットが取りづらかったこともあり行けずじまいに終わってしまいました。ということで、念願叶って今回ようやく初観劇です!
簡単なあらすじは以下の通り。
かつてヒット作を生んだブロードウェイのプロデューサーであるマックスは、今は落ちぶれて破産寸前。マックスのもとを訪れた気の弱い会計士のレオが帳簿を調べると、舞台が成功するより失敗したほうが利益を生むことに気づく。マックスは、わざと舞台を失敗させ、資金をだまし取るという詐欺を思いつき、レオを巻き込んで、最悪のシナリオ、最悪のスタッフ、最悪のキャストを集めて、大失敗作を作り上げようと計画する。
お金持ちのホールドミー・タッチミーを言いくるめ資金を調達。ヒトラーをこよなく愛するフランツが書いた『ヒトラーの春』というハチャメチャな脚本に、最低の演出家であるロジャーとその助手カルメンのゲイ・カップル、主演女優には英語が話せない女優志望のウーラを迎え、舞台は大コケ間違いなしと思われたのだが——。
<公式HPより引用>
演出はコメディ作品を得意とする福田雄一さん。パンフレットによると、『プロデューサーズ』は福田さんがBWで初めて見た作品だったとのことで思い入れも深いご様子。未成年のお子さんと一緒に入ろうとしたら入口で「子供は難しい」と言われたっていうエピソードが面白かった(結局入れてもらえたようですがw)。
全体感想
メインキャストには美形揃いの俳優さんたちがズラリと配役されているので、何も知らないで行くと「超カッコいい男子たちがスマートに舞台作品をプロデュースしていく物語」って勘違いしてしまいそうだなとww。そう思っていくとけっこう火傷する作品かもしれない。
私は今回が初見だったので詳しい物語は実際に観て知るというパターンでしたが、事前情報として”〇ネタ”がポンポン出てくるハチャメチャコメディ・・・っていうのは把握しておりました(笑)。これを知ると知らないとではこの作品を受け入れられない危険性もありましたから、事前チェックしておいて正解でした。
個人的には、”●ネタ”は好きじゃありません。なので、チケットを取ってしまった後にこの情報を知った時には「大丈夫だろうか」といった危惧も正直ありましたw。
が、ふたを開けてみれば…たしかにソレ系なシーンやセリフも出てくるには出てきてましたが、全体的にアッケラカーンとしてたし振り切れてる部分も大きかったので心配したほどの嫌悪感みたいなものはありませんでした。そもそも、アメリカ発の作品はこういったデリケートな部分を明るくショーのように堂々と見せちゃう傾向大きいですからね。「ありがち」って認識で見てたら、許容範囲だったな、みたいな(笑)。
特にそれが顕著に出てくるのが、マックスと彼のスポンサーでもある”お婆様達”のシーン。
マックスはお金持ちそうな老婦人に資金を出してもらうために”対価を支払う”行為を続けてるっていう設定がありましてw。1幕のっけから井上くんと春風さんが~~~みたいなのがあり「さっそく来たか」な心境で見た私(笑)。でもまぁ、さらりと描かれてるんでさして嫌悪感はなく一安心。
で、すごいのが・・・1幕クライマックスの”おばあさまたちの国”シーン。パンフレットでこのシーン名見たときは「どういう状況??」って思ったんですがwww、実際に見て「あ~、なるほどね」みたいな(笑)。意味合い的には”〇ネタ”なんだけど、セットが『おとぎの国』状態で、某テーマパークみたいなメルヘン演出ww。ニュアンスだけ漂わせながら、ワンダーランドで楽しんじゃうみたいな雰囲気だったので、どういうシーンなのか気づかない人もいるかも!?めっちゃインパクト大でしたw。
艶っぽい点についてはこのくらいにしておきまして(思ってたよりも濃厚じゃなかったしww)。
マックスは会計士のレオと金儲けするためにあえて「大失敗作」をプロデュースしようと大奔走することになるのですが、二人の凸凹コンビっぷりが最高に面白かったです。
特にマックスを演じる井上くんが事あるごとにツッコミ入れてレオ役の吉沢くんのポテンシャルをどんどん引き上げていくようなお芝居をしていたので、よりスピード感あふれたテンポ良いやり取りを楽しむことができました。
この作品はBWのバックステージ的なシーンも多く登場するということだったのですが、やり取りはぶっ飛びすぎてるのでフィクションだとは思いますが、色んな人を口説いてチームに加えていく流れは「ほぉ~~」と思いながら見てしまいました。プロデュース作業って大変そうだけど、どんどん一つの作品の輪郭が見えてくる過程というのは実際携わると楽しいんじゃないかなと感じました。
ちなみに、セリフの中で「RENT」だったり「ウィキッド」だったりといった有名ミュージカル作品の名前も登場してきます。今季日本版「RENT」が大変なことになった時には井上くんがアドリブで「がんばれ」ってエールのセリフを語ったなんていうレポも目にしました。結局はクローズになってしまった為元のセリフに戻ったようでしたけどね。
あと、開演前に絶対に言っちゃいけない言葉があるっていう下りも面白かったです。「Good luck.」っていう言葉は縁起が悪い(逆に不幸を呼び込む)とされていて代わりに「Break a leg.」という言葉を交わすんだと。実際そういう習慣があるそうですね。意味としては「幸運を祈る」ってことで同じなんだけど、フレーズだけで受けるニュアンスは違ってくるんだろうなと思いました。
で、ロジャーやカルメンは成功してほしいから「Break a leg.」って言え!と言いふらしてるんですが、マックスとレオは失敗してほしいので彼らに気づかれないように「Good luck.」って挟んでるっていう(笑)。ここのやり取り、面白かった!
マックスとレオがプロデュースした”失敗間違いなし”の作品が、ヒトラーを敬愛してやまないフランツが書き下ろした『ヒトラーの春』。これを題材に入れてくるとは…かなり攻めた作品だなぁと思いました(汗)。この名前を見たくもない人がまだこの世にはたくさんいると思いますから、それをコメディの題材に突っ込んでくるっていうのがすごいなと。
劇中劇はとにかくハチャメチャで(主役のヒトラーを演じることになってたフランツが「Break a leg.」の言葉通り足の骨折って出れなくなって代わりに演出家のロジャーが頑張るくだりは笑ったけどww)、演出的にもメイク的にもヒトラーをコケにしたものなのですが、それでも見る人によっては嫌悪感持つかもしれないといった危惧も感じてしまって…なんかここは”●ネタ”場面よりもハラハラして見てしまった(苦笑)。
で、結局『ヒトラーの春』はマックスとレオの思惑を外れて大成功してしまい、詐欺まがいの行為で集めた資金のことも警察に知られることとなってマックスはお縄に。劇中劇がかなり派手に盛り上がった演出だったので、てっきりそれが成功しちゃってドタバタ喜劇のまま幕…になるのかと思ってしまったので、続きがあったことに驚いてしまった(笑)。
しかも、レオは巧いこと扉の後ろに潜りこんでいたため無事だったというのがすごいww。マックスが連行され扉が閉められた瞬間に吉沢レオがヒーヒー言いながら出てきたからびっくりしたよ(笑)。
ということで、マックスは牢獄入りしたわけですがレオは思いを寄せていた超セクシー美女(トンチンカンなお色気美人ww)と絆深めちゃって、彼女の言われるがままに資金を持ち逃げして海外にトンズラしてしまう。純情そうに見えていたレオの黒い部分が表に出るシーンでなかなか面白かった。
で、このままマックスだけが貧乏くじを引いたことになって終わっていくのかと思いきや、クライマックスで再びレオが登場。あれは意外だったなぁ。でも、持ち逃げした資金のいくらかはウーラとの結婚生活資金に当てちゃったっていうのは笑ったけどww。
騙し騙されなドタバタがずっと続いてきたこの作品でしたが、レオがマックスの元に戻ってきたことによってちょっとストーリーの雰囲気が変わってくるところもなかなか面白かったです。
あんなにハチャメチャな爆走コメディだったのが、ラストシーンに近づくにつれてどんどん爽やかモードに転換されていく。おバカでお下品だった展開がどんどん浄化されていくような不思議な感覚でした。
そしてラストには思いもしなかった感情がこみあげてきて自分でもびっくり!!なんか色々と感情が忙しい作品だったなぁと。たまにはこんな気持ちになるのも悪くない、みたいな清々しさを感じました。
主なキャスト別感想
井上芳雄くん(マックス役)
ここ数年でトーク力も磨かれたうえにコメディ芝居の修行もめちゃめちゃ積んできた井上くん。WOWOWのグリブラで磨いてきたコント芝居的なことがこの作品で一気に花開いた感がありました。とにかく、色んな登場人物の細かいボケ的セリフを拾う拾う(笑)。そして拾った後に倍にして返しまくり(笑)。あの瞬発力は本当にすごいと思います。
歌の上手さはもう言うまでもなく貫禄十分。特にすごかったのはやはり2幕で留置場に入れられたマックスがこれまでの出来事を一気に振り返りながらレオの裏切り行為に怒りを募らせていく♪裏切り者♪のシーンでしょう!!
ものすごい早口でまくしたてながら歌うんですけど、全く淀みなしっ!!舌噛んじゃいそうな膨大な情報量を一気にスパートかけて畳みかけていく歌いっぷりは圧巻の一言でした(途中で休憩も挟んでましたけどねww)。
この舞台は井上くんがカンパニー全体を引き上げ疾走していった感がとても強いと思う。あの対応力、アドリブ力、そして最後はきっちり締める。演出の福田さんは彼に全幅の信頼を置いていたんだなというのが伝わってくるような、そんな熱演でしたね。
吉沢亮くん(レオ役)
今回『プロデューサーズ』を観に行こうと思った一番の理由は、吉沢亮くんのミュージカルをぜひとも見てみたかったからです。ブレイク前から地道に映像の世界で頑張っていた姿も見ていて、以前から気になる存在だったんですよね。三枚目キャラも見たことがあったのですが、ここ最近はすっかり「正統派美形キャラ」がメインになってきました。
そんな彼が、舞台でどのくらい弾けられるのか、そしてミュージカルの舞台でどのような歌を披露してくれるのか(歌が上手いらしいという噂は聴いてました)とても興味があった。
ふたを開けてみて本当にびっくり!!ミュージカルの世界にすごく適合してた!!一番驚いたのはやっぱり歌ですね。歌の上手い映像中心の役者さんでも、舞台に出ると物足りなさを感じることがけっこう多い。
ところが吉沢くんはちゃんと「芝居としての歌」を堂々と舞台の上でやってのけたのです。しかも、ちゃんと声が客席後ろのほうまで届くように真っ直ぐ出ていた。これができる映像出身役者さんもたまにいますが、吉沢くんの歌声は後ろのほうに座っていた私の所にも確実に届いていました。そのことにまずすごく感動してしまった。
コメディのお芝居も超全力!!後方席から見ても分かるくらい汗が出まくっていましたが、クルクルといろんな表情を見せてくれて(美形の吉沢くんがあんなブサイクな表情しちゃうなんて!みたいなのもたくさんあったww)、井上マックスにツッコミ入れられる隙を作ってたのも面白かった。
ただ一つ気になったのは、ダンスがちょい堅かったかなぁと。動きがちょっこしロボットっぽいなと感じることもあったりw。でも、それもキャラに見えたから違和感はなかったけどね。そこを克服すれば、もっとすごいミュージカル俳優になるかもしれないと大きな予感を抱いてしまいました。
2021年大河ドラマ『青天を衝け』の主人公にも抜擢され、その撮影で忙しかっただろうに…その合間を縫ってこれだけの舞台でのお芝居を見せてくれたことに本当に感謝!ラストシーンではそんな想いも過り、吉沢レオのあどけない笑顔を見た瞬間にこみ上げるものを止められず予想外の涙を流してしまいました。
大河が終わって落ち着いたら、またミュージカルの世界に帰ってきてほしいです!
木下晴香さん(ウーラ役)
晴香ちゃんはこれまでどちらかというと清楚なお嬢様的な役を演じることが多かったので、今回のようなぶっ飛び娘役はものすごく新鮮でした。っていうか、最初は彼女だって気が付かないくらい大人の色気ムンムンでビックリしたよ(笑)。
ウーラはスウェーデン人で英語を話すのが苦手という設定なので、終始カタコトのセリフを話していて、まるでそれが異国語のように聞こえてくるのが面白いのですが、このセリフの発し方がめっちゃキュートで可愛らしかった!!
さらにお色気キャラということで風貌がマリリン・モンローみたいにセクシーな雰囲気醸し出していて男たちを煙に巻くっていうねww。これが、まだ20代前半とは思えないくらい大人の色気を発しまくりで…!!いや~、晴香ちゃん、すごいよ!ビックリしたわ(笑)。
井上くんや吉沢くんよりもかなり年齢が若い晴香ちゃんですが、そんな彼らを骨抜きにしちゃう艶っぽさがあって…それでいて彼女の持つキュートさも加わり…まさに最強。めっちゃハマってました。
吉野圭吾さん(ロジャー・デ・ブリ役)
久しぶりに吉野さんのぶっ飛んだキャラを見ましたが、やっぱりハンパなく面白かったですね~。『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の元祖ヘルベルト役を思い出しちゃったよ(笑)。オネエ役から繰り出すコメディセンスはピカイチです。
キャラ的にはかなり濃かったんですけど、どことなく「現実にもいそうな」雰囲気も漂わせていて、恋人のカルメンと一緒のシーンなどはちょっとほのぼのする瞬間もありました。
が、ひとたびスイッチが入るとテンションがすごい(笑)。特に圧巻だったのは、『ヒトラーの春』での大熱演!ものすごい濃い~~メイクして全速力で舞台を駆け回り終わった時には魂抜けてるんじゃないかくらいの勢いがほんとすごかった。
木村達成くん(カルメン・ギア役)
まず驚いたのが、達成くんの女装姿の美しさ!!もともと目鼻立ちがくっきりしたイケメンさんではありましたが、女の子になった達成くんはめっちゃ美人さんでビックリ!!
さらに、腰をクイックイって動かしながら横歩きするやつがめっちゃセクシーで可愛らしいの!!なんか、あれが達成くんだってこと忘れちゃいそうだったよ(笑)。
パートナーである吉野さん演じるロジャーにぴたりと寄り添ってる姿も可愛らしい。彼以外に対しては突然”男”キャラが顔をのぞかせたりするのも面白かった。でも一番衝撃的だったのは、『ヒトラーの春』の代役を頼まれたロジャーが弱腰になってた場面。「自分には無理~~」とナヨナヨするロジャーに、達成カルメンが思いっきり平手打ちして叱咤激励するんですよね。あれはビックリした(笑)。
大先輩の吉野さんに対しても物怖じせずにスパーンと平手打ちしてた芝居がとにかく爽快で面白かったです。達成くん、もっと大物になる予感!楽しみです。
春風ひとみさん(ホールドミー・タッチミー役)
いや~、もうね、役名からしてすごいですよ(笑)。のっけから登場してきますが、あんな春風さん初めて見たかもww。色々と衝撃的でございましたww。
でもなんていうか、ものすごく可愛らしいおばあちゃんで見てると不思議と癒されちゃう。マックスはなんだかんだ言っても、そんな彼女の魅力に負けて付き合い続けちゃってるんだろうなぁっていう説得力がありました。
一番面白かったのが、レオがウーラに襲われてる場面wwでちょこっとゲスト出演する場面(笑)。なんでそこにいるの!?みたいなww。っていうか、いちゃダメでしょーみたいな(笑)。ここのシーンは詳しくは書けませんww。
佐藤二朗さん(フランツ・リープキン役)
この作品の中で肝となるキャラが『ヒトラーの春』の脚本を担当したフランツ。彼はこよなくヒトラーを敬愛しているという設定で、自分も彼に似せてチョビ髭付けてるんですが…二朗さん、これがかなり似合ってて違和感ありませんでしたw。飼ってる鳩とのコラボシーンも面白かったです。
けっこう歌うシーンも多かったのですが、なかなかいい感じだったと思います。巧くはないんですが、二朗さんにしか出せない味もあったし音程もけっこうしっかりした印象がありました。
で、何と言っても二朗さんのシーンはアドリブのすごさが肝(笑)。セリフを語っている途中で突然自分語りみたいなのが入ってくる場面がちょいちょいあって、これはおそらく旧知の仲でもある福田さんがあえてそれを挟むための時間を与えてるんだろうなと思いましたw。
まぁ、この日もストーリーとはかけ離れた”現実に起こった出来事に対する愚痴”を吐き出しまくってましたよ(笑)。あれ、SNSをやってる人は気づいたと思うけど、そうじゃない人は「なんであんなこと言ってるのか」理解できなかったんじゃないかなぁ(汗)。
あと、オーディションで主人公を決める場面の時にも”二朗さんタイム”みたいなものがありましてww。これがけっこう長い時間取られてて井上くんも参戦(笑)。ついには「お前、この時間楽しんでるだろう」と白旗宣言のような言葉を吐かせた井上くん、すごいよ(この時間が永遠に続いてほしいです、みたいなこと言ってニンマリする芳雄くんに笑ったww)。
このやり取りをほかのキャストたちは傍観してるわけですが、吉野さんと達成くんは笑いをこらえきれずにとうとう吹き出しちゃってて、それを二朗さんがツッコミ入れたりしててめっちゃ面白かったww。
特に達成くんが吉野さんの肩に顔をうずめて笑いこらえてた姿がめっちゃ可愛くて萌えたよーー!!あれを引き出してくれた二朗さんに感謝(笑)。
色んな意味で、この作品にはなくてはならないキャラを熱演されていました。
後述
新型コロナ禍の感染拡大が続く東京で、初日から千穐楽まで休むことなく続けることはとても大変だったと思います。無事に完走できたことは本当に奇跡のようでしたね。
カンパニーの皆さん、本当に体調管理など相当に気を遣われていたはず。誰一人欠けることなく楽を迎えられて本当によかったです。
暗い話題が続くご時世の中で、今回のようなおバカコメディが上演されたことは色々な意見もあるかもしれないけれど、私は良かったんじゃないかなと思います。客席に座っているあの時間だけは「こいつらバカだなぁ」って思いながら笑って過ごすことができた。そういうこともあっていいのではないかなと。
今回のレオ役は吉沢くんともう一人、ニューヨークでの留学を終えて戻ってきた大野拓朗くんが演じていました。大野君もミュージカルの舞台に立つたびにどんどん歌唱力を磨いていった逸材なので、今回のレオ役もぜひ見てみたかったのですが時間的に叶いませんでした。それだけが残念。もし再演されたら大野君のレオもぜひ見てみたいです。
ということで、プロデューサーズ、全公演無事終了しました。
皆さんの笑い声、気持ちよかった。コメディの醍醐味。
本当に素晴らしい経験をさせていただきました。
最高でした。またどこかで。さようなら。吉沢 https://t.co/1DFeLEKLd3 pic.twitter.com/GhX6a9SLpq
— 吉沢亮&STAFF (@ryo_staff) December 6, 2020
吉沢くん、休む間もなく大河ドラマなど映像の仕事が続きますね。どうか身体にだけは十分気を付けてまた素敵な姿を見せてください。今回の舞台を観てますます応援したくなったよ。大河、期待してるよ!頑張れ!!