『INSPIRE 陰陽師』2021.01.05ソワレ~01.06千穐楽

全体感想 その2

一度は「闇は光である」という芦野の言葉に感銘を受けて気持ちが救われた兼樹でしたが、自分の受け持った患者がその言葉を「死を恐れるな」という意味に受け取ってしまったことで大きな迷いが生じてしまいます。つまりこの時点で、兼樹は完全に芦野に取り込まれていないってことになるわけですよね。心酔したようになってたから、そのまま行っちゃうのかと思ったよ(汗)。

さらにそこに、春昭の体に乗り移った安倍晴明が出現して「一緒にこの世界を救おう」と迫ってくる。見た目は現代人なのでw、兼樹としたらただ気味の悪い奴がきたとしか最初は受け入れられないのは当然です(笑)。それでも、魔法のように景色を様々な光景に変えてしまう晴明の話を聞いていくうちに不思議な感覚へと捉われていきました。

晴明が兼樹に色々な光の世界を見せるシーンは本当に映像が美しくて、自分たちも一緒にその世界観に取り込まれていくかのようでした。特に印象深いのは兼樹が無数の光を浴びながらこれまでとは違う自分を感じていく場面。彼は自分の世界に入り込んだリアクションをするのですが、村井くんと古川くんとではそのアプローチ方法が違っていて実に見応えがありました。
村井くんは光を自分の体の中に取り込んでいくかのような動きを、古川くんは無数の光と共に華麗なダンスを踊る動きをしてましたね。どちらも生命の創り出す世界観とすごくマッチしていて美しく、気高く、眩しかった。

そしてこの時、晴明は1000年前に兼家に伝えられなかった「本心」を告げるのです。お互いに現代人の姿をしていたこのタイミングでそれを言うのか~、とちょっと意外な感じもしましたが、兼樹の中に兼家を呼び起こすきっかけとしてはやはり絶妙だったのかなと。もうあれは、ほぼ、晴明の兼家に対する”告白”だったと捉えて間違いない。兼家が事切れる前に言えなかった彼に対する「真実の気持ち」を告げた重要なシーンだったと思います。

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一条戻り橋神社では御霊会準備の真っ最中で、晴明も蝉丸も平安衣装に着替えてる。やっぱり晴明はあの衣装が一番しっくりくるよねぇ。で、この準備中にかる~くコメディなシーンが挟まってきたのには最初見たとき驚きました(笑)。そもそもこの作品にお笑い的要素が入ってくるとは思ってなかったものでw、さらにそこに晴明までも絡んでくるのがえらく新鮮で面白かったですww。特にジュースのくだりなんかはサービスシーンとしか(楽では耕史くんがテンパりすぎて持つ位置を間違える痛恨のミスも 笑)。

さらに面白かったのが、晴明と蝉丸が橋の上で交わす会話。蝉丸に感謝の気持ちを伝えた晴明でしたが、蝉丸はさらに上の言葉を要求してきてww。3回目くらいでようやく納得できて「テヘ」ってなるのが可愛かったww。ちなみに千穐楽では「さらに一声!」って煽ってて大沢@晴明が苦し紛れのように「チョベリグ感謝」って返してたのがめっちゃ笑えました(笑)。それを引き出した耕史君、あっぱれ!!

そして極めつけが晴明様突然の「ぴえん、越えて、ぱおん」発言www。これも日によって微妙に違っていたようでw2度目の配信の時には「サンキューベリーマッチョ」だったしwww、ある時は「ぴよん、越えて、ぱおん」と言って蝉丸から「それを言うなら”ぴえん”」ってツッコまれてたwww。いやぁ、まさかここで大沢さんのコメディちっくな場面見られると思ってなかったから、ファンとしては非常に美味しいシーンでございました。
「一度言ってみたかった」とやけに嬉しそうな晴明wに蝉丸が「そんな流行り言葉を」と呆れたようにツッコミを入れると「言葉には魂が宿ってる」とムキになって言い返す場面も面白かった(笑)。でもこれ、さりげなく良いこと言ってるんですよね。言葉の魂、つまり「言霊」。言葉は人を幸福にもするし不幸にもする諸刃の剣。だから大切に扱わなければいけないというメッセージとも取れました。

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そしていよいよ本格的に御霊会が始まるわけですが、今度はそこに芦野が乱入してきて闇の手下を操り光を呼び寄せるのを阻止しようとする。平安時代のシーンでも闇の式神が突然現れる場面がありましたが、アンサンブルのダンサーさんたちが白から黒へと華麗にチェンジする演出はとてもスムーズで美しかったです。

ちなみに、芦野は登場するなりめっちゃ悪人顔で「闇を食らえ!!」と叫ぶのですが、千穐楽では大沢さんの直前シーンのアドリブを意識してか「チョベリグ、闇を食らえ!!」って叫んでて思わず吹き出してしまいましたwww。で、よく観たら大沢さんも口元が完全に笑いモードになってた(笑)。あの不意打ちは、トモロヲさん、反則だわwww(←つまり、ナイスプレイw)。

場が混沌としてるなか、兼樹が一条戻り橋神社に駆けつけ加勢に入ります。「きっと来ると信じてた」と告げる晴明に「私はあなたと共にある!」という告白の返事とも取れるような言葉を返して戦いに参戦する兼樹の姿はめちゃめちゃカッコよかった。特に、刀を受け取るシーンなんか最高でしたね!

しばらくすると、芦野を敬愛する景子が駆けつけてきて彼女はそこで完全に闇に取り込まれ彼の手先として兼樹と戦うことになってしまいます。ここのアクションシーンは実に見応えがありました!が、彼女の退場の仕方はもう少し工夫が欲しかったところかなぁ。あれよあれよという間に呆気なく舞台袖に運ばれてジ・エンドでしたから(汗)あれはちょっと気の毒だったかもw。

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晴明と芦野の最終決戦は息を飲むような迫力がありました。さすがベテラン俳優ふたりの気迫の芝居のぶつかり合い!それを正月から見れるなんてすごい贅沢だったなと。なんか、本当に白のオーラと黒のオーラが激しく交錯しぶつかる世界を見ているかのような気持ちにさせられました。

そして、晴明の光が勝った時・・・芦野の中に小さな変化が訪れる。そんな彼に寄り添う晴明がその手を取って蛍の光を授ける場面は実に感動的でした。芦野もまた、晴明によって救われた一人だったのかもしれません。

ところが、未だに大きな闇の力は存在していて世界は暗いまま。その大きな要因となっていたのが、1000年前に兼家と結婚するはずだった月姫の存在でした。幼い頃に救ってもらった兼家にずっと恋心を抱いていたものの、彼は全くそれを覚えてない上に婚姻に対しても後ろ向きな気持ちしかありませんでした。

それが顕著に表れてしまったのが、兼家が晴明を庇って刃に倒れてしまった時のシーン。苦しい息の中で彼が最後に呼んだのは、婚約者の名前ではなく「安倍晴明」の名前でした。それを目の当たりにした月姫が思わず「え・・・!?」と絶句してしまう気持ち、めちゃめちゃ良く分かるよ!!!あれはショックすぎるよねぇ。
つまり、その時に受けた心の傷を1000年間ずっと抱えていた月姫の存在が、令和の世に暗黒をもたらしていたというわけ。ブラックデイズの本質はそこにあったのか、とちょっと目から鱗でした。

芦野との戦いのなかで兼家の心を取り戻していた兼樹は、1000年経った今、ようやく彼女の深い悲しみを理解し謝罪。晴明も彼女に寄り添い陰と陽の在り方を解き除霊。月姫の魂はようやく昇華することになったわけですが・・・、完全には納得できてなかっただろうなと思いました。なにげに、月姫からすれば晴明は「恋敵」ですからね。そんな彼に諭されたくないという気持ちも正直あったんじゃないかなと。ここはあえて、仕方なく身を引いたってことじゃないかなと個人的に解釈しましたw。

ブラックデイズは無事に解消。これでようやく晴明と兼家は固い絆を新たにすることができるんでしょうけど、それは「現代」では成立しないんだろうね。晴明が「この世の役目はもう終わった」と去っていったのは、違う世で待っている兼家の元へ戻るためだったのかもしれません。ということは、それと同時に兼樹に芽生えた兼家の心はどうなるのかも気になるところですがw、それは想像に任せるってことで。

蝉丸は…おそらく晴明がいなくなっても逞しく生き抜いて子孫を繋いでいけるような気がしました。とりあえず今は、ロックミュージシャンっていう職業もあるしね(笑)。

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主なキャスト別感想

大沢たかおさん(安倍晴明役)

約12年ぶりに主演舞台を務めることになったというニュースを最初に聞いた時にはとても嬉しかったです!私が大沢さんのファンになったのは、その12年前に観た舞台ミュージカル『ファントム』がきっかけでしたから、なんだか原点回帰したような気がして胸が熱くなりました。ただ、時期的には新型コロナの影響が色濃い状況でもあったのでギリギリまで本当に行けるのかどうかヤキモキさせられましたが(汗)…とにかく無事に大沢さんの主演舞台を観ることができてよかったです。

なかなか舞台出演する機会がないんですけどw、やっぱり舞台の上で芝居をする大沢さんの姿は格別だなと改めて今回思いました。安倍晴明は「天と会話」するような神秘的な存在でもありますが、それを違和感なく演じ切っていました。印を切る仕草、陰陽術を唱える姿、すべてが本当に神々しくて…実際に生の舞台で観たときには思わず大沢@晴明に向かって両手を合わせたくなる衝動に何度も襲われました。あんな雰囲気を出せる役者はそう多くないと思います。
御霊会のシーンは特に見ごたえ十分。一番印象深かったのは見えない力が宿っているかのような目の迫力です。暗黒に立ち向かう大沢@晴明からは、この世のものではないような特別なオーラが体中から沸き起こっているかのような感覚すらありました。今の混沌とした世の中に、大沢さんは本気で立ち向かっていたんだろうなというのがビリビリと伝わってきてとても感動的だった。きっとその効果が令和3年中に表れることを信じたい…。

それから、ちょこっとツボシーンについてw。大沢さんの「令和」の言い方がセクシーで好き(笑)。独特のイントネーションがツボります。あと、蝉丸とのやり取りでクスってなる表情がこれまたとても可愛くて萌える(笑)。耕史くん、グッジョブ!と何度思ったことかww。あと、個人的には平安の長髪晴明よりも現代の短髪晴明のほうが好きでした(笑)。
大沢さん、次はコメディ的なお芝居の作品で見てみたいです。まぁ、それが大沢さんの求めるものに繋がるのかどうかは彼のみぞ知るってところですがw。あとは、もう少し短いスパンで舞台やってくれると嬉しいんだけど…ただ、大沢さん、「世界一舞台稽古が嫌いな役者」って言っちゃってるからなかなか難しいんだよねぇ(今回は劇場で稽古できてたから良かったらしい 笑)。

とにかく、年明けから最高な大沢さんの芝居を観られてとても幸せでした!ありがとうございました。

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古川雄大くん(藤原兼家役)

私が確保していたチケットは1月だったので、生で観た兼家は全て古川くんでした。古川くんと言えば昨年放送された朝ドラ『エール』ですっかり時の人になりましたよね。放送前から人気が出そうな予感はプンプンしてましたがw、まさにその通りとなりとても嬉しいです。

私が大沢さんのファンになるきっかけになったミュージカル『ファントム』、その再演の時にシャンドン伯爵役として出演していたのが古川くんで、その時初めて彼を知りました(のちにドラマ「ルーキーズ」にも出演していたことを知りましたが)。それだけに、今回再び大沢さんと同じ舞台に出ることを知った時には本当に嬉しかったです。あの頃はとても初々しい存在だった古川くんが、多くの経験を積んだ今、どのように大沢さんと対峙していくのかとても興味がありました。

古川くんが演じた兼家は、とても柔らかい人物像で戦っている時ですら漂う気品を感じさせるようなキャラでした。それでいてセリフの芯には力強さも込められていて…彼の晴明に対する強い想いのようなものがひしひしと伝わってきました。
兼樹として現代を生きているシーンでは陰と陽の狭間で自分はどのように人と対峙していいか苦悩する繊細さを丁寧に表現。芦野の暗闇に取り込まれそうになりながらも晴明の言葉に覚醒していく様は実に見応えがありました。特にダンスシーンは本当に美しかった!ロングコートをうまく捌いて華麗でダイナミックに舞う姿は芸術品のようでした。ミュージカル『エリザベート』でトート閣下を演じた経験が生きてたなとも思ったな。

大沢@晴明と古川@兼家(兼樹)のシーンはどれも本当に愛しくて。10年前には見られなかった二人が同じ方向を向いて対等に渡り合ってる姿が色々と胸アツでちょっとウルっときました。大沢さんも嬉しかったんじゃないかな。またいつかどこかで共演してほしいです。

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村井良大くん(藤原兼家役)12/31のみ出演

村井くんは12月31日の2公演のみだったので生で観ることはできませんでしたが、配信で観ることができました。ミュージカル『RENT』のマークを演じて以降も様々な主要舞台で活躍してる村井くん、存在感もぐんぐん増していい役者さんになったなぁと思っています。

古川くんとはキャラのアプローチの仕方がかなり違っていて、とにかく「男っぽい」力強さを前面に出した逞しい兼家だなという印象でとても面白かったです。すごく逞しくて、晴明を熱血サポート!特撮ドラマのヒーローみたいだなと思ったことも。

兼樹になっても熱血キャラは残っていて、春昭に講義の内容について食って掛かるシーンもすごいがあったw。そんな彼が、芦野の言葉に簡単に乗せられてその気になってしまう。自分の心が救われたと思い込んで笑顔を見せるシーンには危うさすら感じました。

屋上で光に包まれるシーンはダンス、というよりも美しい光を自分の全身に取り込んでいくような動きを見せていました。光が取り込まれていく感覚に包まれた時の「なんだこれは!?」といったような表情もすごく魅力的。とにかく一つ一つの表情をすごく分かりやすく丁寧に表現していたのがとてもよかったと思います。

クライマックスではヒーロー兼家となって晴明たちを強力サポート!殺陣も力強く常に「漢」を感じさせる逞しいキャラでした。

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山本耕史くん(蝉丸役)

今回の作品には耕史くんは絶対欠かせないなと思わせるほど素晴らしい存在感でした!舞台の経験が豊富なこともあってか、積極的に作品全体を引っ張り上げてるような…そんな余裕すら感じられてどんどん皆の引き出しを開けていくような軽快で力強いお芝居が最高でしたね。

蝉丸は平安時代も現代も基本的に同じ心を維持した設定ではありましたが、キャラのテイストは変えてましたよね。現代の色に染まった蝉丸さんはロック歌手やってるってこともあってかw、平安時代よりも歌舞いた雰囲気になってて周囲に勢いをもたらしてました。たとえそれがどんなに寒いギャグだったとしても(笑)場の空気を明るく前向きなものに変えていく力強さがありました。
歌はもう、さすがですね!ギターを弾きならす姿も実に様になってました(琵琶をジャカジャカ鳴らす仕草も好き)。久しぶりに耕史くんのミュージカルを見たくなったかも。

現代パートになってからの蝉丸は基本的にめちゃめちゃお茶目で明るい青年なんですが、時折スっと真面目なトーンになって晴明の心の奥を読んだりする。このあたりの緩急をつけた芝居もお見事でした。

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田口トモロヲさん(芦野道隆役)

直前にネット配信されたトークショーでは「僕は悪役ですから」とニンマリしていたトモロヲさん。どんなふうに晴明たちを翻弄していく存在になっていくのか楽しみにしていました。

たしかに”悪”といえば立場的にはそうなのですが、どちらかというと人間が誰でも持っているほの暗い部分を具現化したような存在だったなという印象。長期日食によって世界が不安に襲われている中で「闇は光であり救いなのだ」と独自の考えに至りそれを頑なに信じ他人を惹きこもうとする人物でした。これって、現代でもあり得るよなぁと…。新型コロナ禍の位状況が続くなかで、次第に世間に発信されているのとは違う方向性を信じそちら側へ導こうとする存在も実際にネット社会で目にしたことがあります。トモロヲさんが演じた芦野という男は、それと似ているなと思いました。

クライマックスでは”悪役”らしい大暴れっぷりを見せるのですが、その時に晴明に語る「闇は、き・ぼ・う!!」の言い方がめっちゃロックで面白くてww、あれは見るたびに吹きそうになりました(笑)。

なんか、”悪”なんだけどそれでひとくくりできる人物でもないなぁといった感じ。最後、蛍を「美しい」と感じながら沈んでいく姿もとても印象的でした。

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松岡広大くん(北斗役)・鈴木仁くん(南斗役)

二人とも美形で踊る姿も実に美しく見ごたえがありました。晴明をワンコのように慕いまくる姿も可愛くて好き。蝉丸についてはロックコンサートでコキ使われてることもあってかちょっと対応がクールになってるのも面白いww。祭壇の設置場所についてじゃれ合うようにケンカしてる姿も萌えましたw。

山本千尋さん(河瀬景子役)・月姫:長澤樹さん(月姫役)

景子を演じた山本さん、後ろに髪の毛を結んでいる姿がなんだかちょっと広瀬アリスさんに似てるなぁと思いながら見ていました。とても美人さんですね。芦野に執心しているがゆえに最後闇に取り込まれてしまう末路は気の毒でした。
で、何が一番印象深かったかと言えば、アクションです!!兼樹と剣を交えるシーンの山本さんのキレッキレの殺陣アクションにめちゃめちゃビックリし圧倒されました!!兼樹、いつやられてもおかしくない、とすら思ったし(笑)。アクション得意とされている女優さんならではのカッコよさがありました。

月姫を演じた長澤さんは今回が初舞台ということで、とても初々しく可愛らしかったです。セリフ回しなどはまだまだだなと思うところは正直ありましたが、謎めいたこの世の者ではない美少女という設定的にはあまり違和感なかったかもしれません。晴明を翻弄して「かごめ」を唄いながら踊る姿はとても美しかった。これから多くの経験を積んでいい女優さんになってほしいです。

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後述

新型コロナ禍で混乱する今の時代だからこそこの公演を打ちたかったと語っていた大沢さん、期間も年末年始の6日間だけというところに強いこだわりを持っていました。

ただ、千穐楽の挨拶の時に「結果的に不安を抱きながら劇場へお客さんを招かなければいけなくなってしまったことを申し訳なく思っています」と謝罪されていたので、色々と公演中も多くの葛藤があったのではないかなと思いました。でも、カンパニーについては「晴明のまわりに集う星のような存在だった」と語られていたのは胸アツでしたね…。大変ななかで準備を行うにあたり、大沢さんがキャストやスタッフをとても信頼していたことが伝わってきました。なんだか、10年前の『ファントム』千穐楽の時に「このカンパニーは僕の宝物」と語っていたことを思い出しちゃったよ。

全身全霊を賭けた6日間の『陰陽師』カンパニーには感謝の気持ちでいっぱいです。この時期、すべての公演を完走することが非常に困難な時代となっていましたから…、短期間だったとはいえ、誰一人欠けることなく楽を迎えられたことは本当に奇跡だったなと思いました。

今回の公演はDVD化されるとのことです。大沢さん自身はあまり映像化することは望んでいなかったようですが(笑)、時期が時期だったこともあり見れなかった人も大勢いると思うのでDVDが発売されると決まってよかったなと思います。今から届くのが楽しみです。

令和3年最初の観劇、良い思い出になりました。大沢さん、お稽古嫌いだと思うけど…やっぱりまた舞台姿見たいので時期がきたと察した時にはチャレンジしてください(笑)。

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