ミュージカル『レ・ミゼラブル』大阪公演 2019.07.18ソワレ

主なキャスト感想

佐藤隆紀くん(バルジャン)

前回見た時には「もっと熱くしてもいい」と思ったんですが、今回はその通りの進化したシュガーバルジャンに会うことができました。

前半は少し喉が疲れ気味なのか声が裏返ることもちょいちょいあったのですが、逆にそれがバルジャンの心の叫びとして痛いほど伝わる表現力に繋がっていてとても感動的でした。
全体的にとても丁寧にバルジャンと向き合ってお芝居していると感じたし、心のこもった深い歌声は涙がこみ上げるほど素晴らしかったです。やっぱり、この役は、シュガーくんに来るべくして来たんだなって思いました。

テレビでバルジャンとしての歌声も披露できて少し認知度も広がったのでは。まだツアーは続くようですが、さらに進化した芝居で多くの人を魅了してほしいです。次のレミゼでもシュガーバルジャンに会えますように。

 

伊礼彼方くん(ジャベール)

伊礼くんもレミゼで演じるならジャベだなって思うところがあったので、それが実現した時は「ついに来たね!」と嬉しかったです。

伊礼ジャベは最初は冷静沈着なクールなイメージがあって、あまり表情も表に出さない感じ。でも、心の内側では沸々と熱いものがいつも滾ってるようで、バルジャンになかなか許可証を渡そうとしなかったりといった粘着質な一面も見せていたのが面白かった。

印象的だったのはファンテが亡くなったあと追いかけてきたシーン。バルが「俺の話を聞いてくれ」と叫んだあと、伊礼ジャベは胸に手を当てて紳士的な仕草をして受けの体制をとったんですよね。裁判のときにはあんなに動揺していたのに、バルと向かい合った時に急に心の余裕が出てきたのかなとw。あの仕草をするジャベはこれまで見たことがなかったので非常に新鮮でした。

大きく包み込むような迫力ある歌声が魅力的な伊礼くん。劇場を圧倒するソロパートはさすがでした。

 

三浦宏規くん(マリウス)

三浦君は今回初めて見る役者さん。調べてみたら、これまでは2.5舞台での活躍が多かったようですが、バレエの実力もすごいようですね。見た目からあまり想像がつかないのですが、今度はぜひダンスの芝居も見てみたいなと思います。

三浦君は童顔で可愛らしいマリウス。それに、登場した時からなんともキラキラしたオーラが感じられて…ちょっと、泉見くんマリウスを思い出してしまったw。どちらかというと革命にまい進するタイプではなくて、恋愛モードがハマるタイプかなぁという印象があったので、コゼットとのシーンはすごく自然に見えました。

まだ表現力という点では少し物足りなさもありましたが、歌もすごい頑張ってたし立ち姿も綺麗だったので、経験を重ねて今後も頑張ってほしいと思います。

 

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二宮愛さん(ファンティーヌ)

二宮さんのファンテは久しぶりだったかな。以前も見たことがあった気がするのですがちょっと覚えてないかも。

めぐさんと比べてしまうとどうしても芝居の面で物足りなさも覚えてしまったのですが(汗)、印象的だったのはけっこう感情が激しいタイプのファンテだなってことです。工場でファクトリーガールに絡まれたときも抵抗する姿勢を取ろうとしてたし、娼婦に落ちた時に出会ったバルジャンに対して掴みかかろうとする激しさも見せてました。
めぐさんはひたすら受け身の芝居をしてましたが、二宮さんは感情の激しさをチラチラと見せるお芝居でその違いが面白いなと思いました。

コゼットを想ってベッドで歌うシーンは迫真のお芝居で泣けました。この時のファンテのメイク、本当に死に向かっている人のようで見るだけで胸が痛むんですよね…。

 

KENTAROさん(テナルディエ)&鈴木ほのかさん(テナルディエ夫人)

KENTAROさんのテナルディエは相変わらず飄々としていて掴みどころがないキャラクター。少しトレエンの斎藤さんと雰囲気が被るところもあるのですが、それよりも心の中にドス黒いものが見え隠れしてる感じでちょっとゾクっとさせてくれます。どんなに踏まれてももろともせずに生き抜く感じかなw。

ほのかさんのテナ夫人は、前に観た時よりもドスが効いてて迫力倍増でビックリ(笑)。しかもまた少し役作りで体を大きくされているようでさらに存在感がアップしてました。なんというか、もう、捨身!?ってくらい振り切っててww見事な悪徳母ちゃんと化しておりました。

 

相葉裕樹くん(アンジョルラス)

昨年12月に体調を崩してお休みすると聞いたときはとても心配したのですが、また元気に舞台復帰できて本当に良かったです。一時期は連続して色んな作品出てたから疲れもあったのかもしれないですが、体が資本なのでこれからも気を付けて頑張ってほしいです。

17年~アンジョに配役されていますが、見るのは今回が初めて。相葉くんはどちらかというとスマートで少し線の細いキャラクターの方がハマると思っていたので、最初はアンジョにあまり合わないんじゃないかなぁと少し心配するところはありました。
が、蓋を開けてみれば…なかなかのカリスマっぷり!!まず声の通りがすごく良いし、想像していた以上にすごく芯のある力強い歌声だった。相葉くんにこんな一面もあるんだなって感動しました。

バリケードでの熱演は特に印象深かったです。アンジョの死に向かう芝居は特に繊細で心打つものがありました。

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後述

2019年大阪レミゼも無事に終了したようです。とても熱い舞台が観れて嬉しかった。今回は特に新キャストを中心に観劇計画を立てたのですが、どのキャストも熱い芝居で新しい風を吹かせてくれていたように思います。特にバルジャンに抜擢されたシュガーくんは素晴らしかった!

次のレミゼは2021年とのことで、オールキャストオーディションをするようです。

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また新しい才能がレミゼから育っていくことでしょう。その日を楽しみに待ちたいと思います。

だけど演出としては・・・テンポはもうすこしゆっくりに戻してほしいなぁ。世界基準がそうだから仕方ないのかもしれないけど(汗)。レミゼにはやはり余韻が欲しいのです。

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