ミュージカル『るろうに剣心 −京都編−』2022.06.07ソワレ・06.09マチネ

2幕

2幕冒頭は剣心と清十郎のシーンから。そのなかで二人が出会ったばかりの思い出を語るシーンが出てくる。幼い剣心を演じているのは弥彦を演じてる生出くんでしたが、心の孤独感がよく表現されていて素晴らしかったですね。最近の子役さんは本当にレベルが高い。

ただ、この思い出シーンのなかで少し成長した剣心と清十郎が修行する場面が出てくるのですが…これがちょっと描き方が陳腐だったなという印象(苦笑)。幼い剣心と出会ったばかりの清十郎は和樹くんが演じているのに、修行のシーンになったら体系の違う若いアンサンブルさんが清十郎のダミーを演じている。
次のシーンへの関係上、音声を録音で流してダミーをアンサンブルさんが演じるのは仕方がないとは思ったのですが…、あまりにもキャラが変わっててかなり違和感あった。最初見た時なんか、「誰だあれは??」と戸惑ってしまったほどww。剣心が清十郎の制止も聞かずに飛びだしていくきっかけになるという重要なシーンではあるけれど、あれだったら語りだけで済ませたほうがよかったかもとは思ってしまいました。

操から剣心の居場所を聞き出した薫と弥彦は清十郎のもとを訪れる。危険を顧みずにやって来た二人を見た剣心が背を向けたまま「半分は怒りの気持ちがあるけれど、もう半分はなんだかホッとした」とポツリと本音を漏らす名シーンがそのまま再現されていたのは胸アツでした。この場面、原作でも好きだったんですよね。剣心の複雑な心境が刺さってなんだか切なくなってしまう。
で、この後剣心を外に無理やり出させた清十郎が薫たちからこれまでのいきさつをこっそり聞き出すんですが…、この時のお師匠さん、父性がすごい出ててなんか萌えちゃったよ(笑)。

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剣心のやむに已まれぬ事情を知った清十郎は奥義を伝授することを決意。この中で大技の九頭龍閃を披露する場面が出てくるのですが…実は最初に見た時に超至近距離からそれを浴びた私ww。和樹くんの振るう剣の風圧がすごくてもうドキドキが止まらなかったですわ(笑)。ひたすらカッコよかった。
その後、剣心は新しい技を身に着けるべく厳しい修行を開始。ただこの場面、本当に限られた時間内に収めなければいけないということもあってやはり原作と比べると”アッサリ”感は否めなかったかなぁ。修行の厳しさが伝わり切れていないまま、バックから大切な人たちの声が響いてきて「死ねない!!」となって奥義を会得しちゃうわけで(汗)。「天翔龍閃」は飛天御剣流の最高奥義と呼ばれるほどすごい技なので、もう少しドラマチックな展開で見たかったなとは思ってしまいました。まぁでも、舞台となるとそのあたり限界があったかもなぁ。

剣心の最終奥義をまともに食らった清十郎師匠は「後は頼んだぞ」的なことを苦しい息のなかで告げた後倒れてしまう。この瞬間、「剣心は不殺の誓いを師匠相手に破ってしまったのか!??」とハラハラしちゃったよ(原作の展開忘れてたのでww)。
で、必死に師匠を起こそうとする剣心なんですが…清十郎さんの顔を連打しまくり(笑)。さすがにあんだけ叩かれたら気づくだろうってレベルだと思ってたらほんとに「おまえかぁ!!」と飛び起きちゃうっていうねwwww。この場面はめっちゃ面白かったです。「あっちもこっちもイテテテ」っていう和樹くんのセリフが超かわいくてツボw。

葵屋に戻った剣心が蒼紫にコテンパンにやられた翁のもとに駆けつける場面。二人が闘うシーンは舞台では描かれていなかったのがちょっと残念だったんだけど(剣心いないシーンだから仕方ないけどね)、個人的には原作と同じく翁が生き残ってくれてよかったと胸をなでおろしました。映画版では翁が蒼紫に殺されてしまう展開になっててビックリしたのでね(汗汗)。
覚悟を以て剣心に蒼紫を抹殺してほしいと頼む翁でしたが、剣心は「翁殿が生き残ったことが蒼紫がまだ人の心を捨てていない証拠」と説得するシーンも再現してくれたのは嬉しかった!!それを聞いた操が安堵感から思わず号泣してしまう場面もあったし。ここを忠実に舞台で描いてくれたのは個人的にすごくテンション上がりました。蒼紫様はまだ完全に修羅の道に入ったわけじゃないんだよって思える大好きなシーンです。

志々雄との戦いへ向かう前夜、屋根の上で「待宵月」を眺めながら剣心と薫が語り合う場面はとても美しくて印象的。

背景に現れる巨大な月の映像がきれいで、まるで二人を優しく見守っているように見えた。でも、せっかくいいところだったのに途中から弥彦と左之助がニマニマしながら割り込んできちゃうんだけどねww。

一方、十本刀たちから作戦面においての疑いを掛けられてしまった方治の場面。ここでめちゃめちゃ痛々しいシーンが出てくるんですが…あれはヤヴァイ!!!仲間にやられるのはまだ耐えられるけど(十分痛いけど 汗)、自分で噛みむしり取るシーンまで再現されていたのはめっちゃ背筋寒くなったよ!!特にペッと吐き出すやつがリアルすぎて、思わず自分の爪が無事か見ちゃったくらいですからねw。
そこまでして志々雄様にすべてを捧げ忠誠を誓う方治の信仰心はもう、狂気としか言いようがない。猪塚くん、あれを毎公演やってるんですよね!??相当消耗すると思うよ!??いやぁ、ほんと凄まじかった。

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いよいよ志々雄へ繋がる館での戦闘が始まる。最初の戦いは安慈と左之助。出会った時は意気統合する雰囲気でしたが、結局は対決することになってしまう。で、ここの戦いの場面がラップ調で表現されていたのはちょっと驚いた。剣ではなくて素手同士で戦うので、かえってラップのような音楽のほうがリズミカルで良いのかも。とも思ったけど、な~んかちょっと違和感もぬぐえなかったんだよね(苦笑)。

勝負は二重を越えた三重の極みを炸裂させた左之助の勝利。勝負が決まった後に左之助が恵の万能薬を安慈に塗ってやるシーンはとても良かった。拳を交えた本気の戦いを繰り広げながらも、左之は彼のことをリスペクトしてたんだよね。

次の勝負は斉藤と宇水。剣心と左之助は相手を殺さないことを絶対条件として戦ってたけど、斉藤は違う。これはもう、宇水さんお気の毒…としか言いようがなかった。っていうか、馬木也さんの斉藤がめちゃめちゃ渋カッコ良くて痺れましたわっ!

その頃、葵屋の前にも十本刀の一部が襲い掛かっていた。薫と弥彦は翁や操たちと協力しながら戦闘態勢に入るのですが、ここでついに鎌足さんの見せ場が登場。
いやぁ、「鎌男」のくだりがちゃんと出てくるとはねぇwww。あ、それやるんだ、みたいなw。操ちゃん、余計な情報は口にせんでよろしい(笑)。この時の翁の動揺っぷりがもうアニメのまんまで思わず吹いちゃったよw。

♪乱弁天♪のシーンは鎌足さんオンステージ状態で客席も大いに盛り上がってました。十本刀との決闘とはいえ、葵屋周辺のシーンは基本的に明るく楽しい雰囲気に演出されている印象が強かったです。それにしても、あんなデカい鎌を持ちながら優雅に歌い踊る鎌足さん(ほとんど闘ってる感無しですがw)…体力凄すぎだろう!!

で、歌い踊り疲れた鎌足さんの代わりに蝙也が登場。もう見るからに強そうでとても弥彦が叶うような相手に見えない威圧感があったんだけど、蓋を開けてみればなんと呆気ないww。原作だともっと活躍してたはずなんだけど、これも時間の制限で仕方なかったかなぁ。見た目と実力のギャップが激しすぎてちょっと蝙也くんがお気の毒だったよ(汗)。
で、夷椀坊は戦うのではなくてダウンしちゃった蝙也を「アジトに連れて帰る~~」と言って一緒に舞台袖へ引っ込んでしまうというオチww。

残された形になる鎌足は突然ここから乙女モードに。志々雄に片想いしてることの苦しい胸の内を歌う♪乙女の祈り♪は個人的に好きなナンバーでした。男であるが故に由美の立場に慣れないことの悔しさと切なさがひしひしと伝わってきたよ。で、それに薫も操も同情してしまうわけで。
薫はちょっと気持ちが通じそうという立ち位置にいるけど、操は今のところ完全片想い状態だもんね。

結局鎌足さんも退却せざるを得なくなって、葵屋チームの勝利という雰囲気に。ところがその直後にこれまでとは違う異様な雰囲気の十本刀の不二と才槌が登場。この二人の身長差が原作に寄せてて最高でした。この不二が暴れたことで…

葵屋のお隣の建物が悲惨なことになってしまいました(破壊する瞬間のシーンは出てきませんが)。

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そしていよいよ今回私が一番楽しみにしていたと言っても過言ではない「方治の部屋」の場面。この部屋にいたのは十本刀ではなく、四乃森蒼紫だった。原作でもアニメでもここのシーンは何度も繰り返し見ちゃったほど好きなんですよね。前回の舞台では蒼紫様がほとんど活躍しないまま終わってしまった印象が強かったので、今回はけっこうガッツリ見せ場があって嬉しいです。

方治の部屋は図書館みたいな感じ。このセットの前に可動式の本棚が2つあって、剣心が本をばらまいたり棚を倒したりして応戦するといったアクションになっていました。

最初は抜刀術を使わないつもりだった剣心ですが、あまりにも蒼紫が鬼気迫る反撃をしてきたので刀に手を掛けざるを得なくなる。この時の二人のバチバチ感が最高にカッコイイ。その後の殺陣も迫力満点で手に汗握る展開。原作で興奮したシーンを舞台で見れるなんて本当に嬉しい。徹平君も優也君も本気の殺陣で魅せてくれてるし、見ていてゾクゾクしました。

そして剣心が蒼紫の心に必死に訴えるシーン。ここに至るまでの過程があとワンクッション欲しかったなぁ。原作では剣心の気迫に蒼紫が押されて自分の心に迷いが生じて自問自答するんですよね。そこが抜けていたので、「勝っても負けても遺恨なし」という蒼紫のセリフが唐突に思えちゃったのは少し残念。あと、操のことを「彼女は強い女だ」と語るのもカットされてたので(汗)剣心が操が泣いたと告げる場面もちょっと肩透かしみたいになってた。
そんな残念に思うところもちょいちょいあったけど、でもあそこまで蒼紫の見せ場を作ってくれたことには感謝。あれを見れただけでも来たかいがあった。

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今度こそピンチに陥っている葵屋の皆さん。不二の迫力に弥彦が絶体絶命になった瞬間、比古清十郎が颯爽と現れる!!なんだあのカッコ良すぎるスーパーヒーローみたいな登場はっ!!なんかもう、圧倒的な煌めきオーラすぎてめっちゃトキめいてしまったではないか(笑)。
歌いながら不二と対戦する清十郎ですが、敵に対しても「今の剣は悪くなかったぜ」とか超イケメン発言するんですよね。それだけでもう、彼の勝利でしょう!みたいなww。あまりにもカッコ良すぎてちょっと細かいところ思い出せませんwww。あの場面は和樹くんの清十郎が全てかっさらっていきました、ほんとに。

その頃剣心は十本刀の一人、瀬田宗次郎と対峙。剣心がやってくることが楽しみで仕方なかった様子の宗次郎。片足をトントンと床に落としながら突撃するタイミングをはかる。彼の強みは目にも止まらぬ速さの「縮地」。剣心に対してはその一歩手前で行くと宣言するところがいかにも彼らしい。
二人の目にも止まらぬ速さの殺陣の応酬がとにかくすごすぎる!!床を滑りながら相手の攻撃をかわしたり、恐ろしい速さで刀を交えたり、舞台いっぱいに走り回ったりと、これでもかというほどアクションが出てくる。よほど二人の域が合わなければ大怪我するレベルだよ、あれは!!役者って本当に凄い。

その戦いの中で、宗次郎は自分と志々雄との出会いを回想する。あまりにも悲惨な過去を経験したが故に「楽」以外の感情を失ってしまった宗次郎。自分を救ってくれた志々雄だけが心の支えだった。でも、剣心から「志々雄の怨念に憑りつかれているだけだ」と指摘されると「哀」や「怒」の感情が心の底から沸き起こってしまう。心に芽生えたそれまでない感情を振り払うように「うわぁあああーーー!!!」と絶叫する宗次郎の姿はとても切なく胸が痛みました。

そして剣心との戦いに敗れた宗次郎(清史郎くんのゆっくり倒れる芝居が綺麗すぎてビックリ!!)は、「あなたのほうが正しかった」と寂しく笑いながら戦いから身を引くことを決意。剣心は彼の心を救ったんだなと思えてジーンときました。だけど、志々雄への恩情も捨てきれなくて「天翔龍閃」の弱点を由美に伝えるんですよね。このあたりの複雑さがドラマチックで良いなと思いました。

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クライマックスは剣心と志々雄の壮絶な戦い。ここ最初に歌が入ってくるんですが…個人的にはストプレでがっつりと剣を交える描写にしたほうがより二人の熱さが伝わってきて良かったんじゃないかなぁと思ってしまいました。旋律はカッコいいんですけど、なんだか流れがちょっと緩やかになってしまう印象がぬぐえない。せっかくすごい殺陣を演じてるのにもったいないなと…。

一度は倒れた剣心を助太刀するために蒼紫と斉藤が乱入してくるシーンはカッコイイ。二人の必殺技もしっかり堪能できます。

後半、蘇った剣心の「天翔龍閃」を浴びる志々雄。方治が宗次郎から聞き出した弱点を伝えたにもかかわらずほぼまともに食らったっぽかったな(汗)。でもまだまだ戦う気満々で、さすがの剣心も気力だけじゃ厳しいんじゃないか!?というレベル。志々雄最強すぎてビックリしますw。
ところが、天がそれを許さなかった。志々雄の顛末はまさに圧巻です。映画もすごかったけど舞台も負けてなかったぞ!!

さらにすごいのが方治の最期。志々雄への忠誠心が狂気じみていた方治は志々雄の顛末に納得できずに自ら命を絶つのですが、これがめちゃめちゃ壮絶でした。で、倒れたままになっていてその後どうなるかと思っていたら…、原作と同じようにちゃんとその後のシーンが出てきた!!あの繋がりは巧いなと思いました。

ラストシーンは大団円的な雰囲気になるわけですが、個人的には蒼紫が禅寺へ行くということで京都に戻ってこないという展開になっていたのがちょっと残念だった。たしか原作では、葵屋に一度戻ってくるはずじゃなかったっけ…(汗)。あんなに蒼紫を慕っていた操ちゃんだけが肩透かしを食らった形になっちゃって可哀そうだったよ~~~!蒼紫と操のツーショットを舞台でも見たかった。

ちなみに、蒼紫と操のエピソードがアニメではけっこう良いところまで描かれていたんですよね(剣心との関係もほのぼの描かれてます)。たしか、89話あたりだったかな。二人のその後が気になる人はアニメ版をチェックして補完することをお勧めします(笑)。

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主なキャスト別感想

緋村剣心:小池徹平くん

最初に役が決まったと知った時から「剣心にイメージどんぴしゃ!」と思っていましたが、それ以上にハマりまくってて最高でした!!シリアスな”抜刀斎”の顔と、リラックスしている時の”剣心”としての顔との演じ方のメリハリも効いていて上手かった。殺陣の時の、指先まで神経が行き届いた型も非常に美しい。動きもキレがあって軽やかだし、もう、全てが見所でしたね。

あ、それから、歌が抜群にうまくてビックリしました!以前ミュージカルで見た時よりも確実に進化してる。徹平君、すっかりミュージカル俳優になったんだなと思って嬉しかったです。

志々雄真実:黒羽麻璃央くん

ロミジュリでソフトな麻璃央くんを見て「こんな役もハマるなぁ」と思っていたのですが、やっぱり本領発揮するのは志々雄のようなギラギラした狂気に満ちたキャラだよなぁと思いました。包帯姿になる前から目のギラつき方がハンパない!!あれで睨まれたら動けなくなるレベルの迫力。

そして包帯姿になった後もすごい気迫で、露出している部分が少ないにもかかわらず志々雄の激しすぎる感情がものすごくリアルに伝わってきたのがすごいなぁと思ってしまった。やっぱあの目力が強烈です。それから、歌もすごくうまいし安心して見ていられる。それにしても、あれだけの包帯姿であんな激しい殺陣をこなしまくるとは…皮膚呼吸とか大丈夫!?って心配になっちゃう。最後まで無事に乗り切れますように。

四乃森蒼紫:松下優也くん

優也君の舞台を見るのは本当に久しぶりだったんだけど、やっぱり彼はめちゃめちゃ華がある役者さんだなぁと思いました。前回のりょんくん蒼紫もカッコよかったけど、それとはまた違ったクールなカッコよさで大いに魅了されました。原作での蒼紫ファンも納得の再現度だったと思います。少なくとも私は終始心の中で盛り上がりまくってました(笑)。小太刀二刀流の殺陣を舞いながら歌うのは大変だったと思うけど、これがまた偉く美しい!!タッパもあるのでホントに舞台映えする。

それから、クールななかに苦悩の翳りを見せるあの目も本当に魅力的でしたね。口数は多くないキャラだけど、あの目や表情が色んな心情を語っていたと思います。それだけに、操と対面してどんな表情になるのかはちょっと見てみたかった。
あと、歌がめちゃめちゃ進化してたのもビックリしました。JTRは観に行けなかったんですが、ミュージカルとしての歌い方がすごい様になってる。今後もっと見てみたい俳優さんです。

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瀬田宗次郎:加藤清史郎くん

子役で有名だった清史郎くんもなんともう二十歳だというから驚きです!彼の舞台を見るのは…まだ子役時代だった時の『レ・ミゼラブル』のガヴローシュ役以来。あの頃から歌えてたし動きもすごく良かったけど、大人になってさらに洗練されたなという印象が強かったです。
ちなみに、前回舞台化された時には弟の加藤憲史郎くんが弥彦を演じていたんですよね。そんな繋がりもなんだかちょっと嬉しかった。

宗次郎は「楽」の感情しか持ち合わせていない難しい役柄ですが、どんな状況になっても飄々としていてニコニコしながら辛辣なことをやってのける芝居がとても魅力的でした。一番の見せ場は剣心と2度目の直接対決をする場面。心を乱され混乱した時に絶叫するシーンは宗次郎の哀しみが凝縮されているようで胸が痛んだし、何よりも彼から目が離せなかった。人を惹きつける魅力的なお芝居をするなぁと改めて感動しました。

相楽左之助:岐洲匠くん

岐洲くんはどちらかというと柔らかい印象があったので、今回の左之助のような破天荒キャラに配役されたと知った時には驚きました。声もよく出ていたし、感情のままに突っ走るキャラもハマっててよかった。それに何より、あんなに筋肉質だったとはビックリ!最初のほうに力こぶ見せつける場面が出てくるのですが、あまりにも立派な筋肉っぷりに「をぉ!??」と驚きww。めっちゃ鍛えてるんだねぇ。

本条鎌足:奥野壮くん

ひゃぁ~~~!という声が出てしまいそうなほど美しい!!冒頭の新選組で登場するシーンも美少年っぷりが際立っていて驚きました。鎌足は女装姿だけど実は男という設定ですが、それが見事すぎるくらいハマってましたね。っていうか、言われなければ「女の子」と間違えてしまうレベル。
セリフ回しも自然だし、色っぽいし、それでいてユーモアもたっぷりだし。セリフの緩急も上手かった。非常に魅力的でした。

神谷薫:井頭愛海さん

井頭さんはたしか朝ドラ『べっぴんさん』で主人公の娘を演じてましたよね。今回舞台を見るのは初めてだったのですが、とても可愛らしくて元気があって薫役にピッタリ。殺陣のシーンは生き生きしてるし、剣心に片想いする苦しさも繊細に演じていたと思います。

巻町操:鈴木梨央さん

梨央ちゃんも子役の時代からずっと見てきた女優さんなので、もうこんなに大きく成長したんだとビックリします。ちょっとふっくらしたかな、という印象ですが、それが逆に可愛らしくて操というキャラにもハマってました。「イタチ娘」と言われるほどの跳ねっかえりだけど、蒼紫を想う気持ちはどこまでも乙女でいじらしい。今の彼女だからこその恋愛的なシーンも見てみたかったなぁ。

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駒形由美:伶美うららさん

まるで原作から抜け出てきたのではないかと思うほど、駒形由美そのものでした。セリフ回しと言い、妖艶な立ち姿と言い、どこを取っても完璧。左之助に強引に腕を引っ張られる時の声の出し方なんかもアニメっぽくて最高でした。

斉藤一:山口馬木也さん

物語冒頭では剣心に逆刃刀を与える新井赤空役を演じていましたが、この時の声の出し方がめちゃめちゃ枯れた感じで喉潰れないか心配してしまった。ところが、次のシーンでそんな心配は全く御無用!と言わんばかりの超ニヒルで艶っぽくクールな斉藤一が出現!その再現度の高さ、ハンパなかった(咥えたばこ姿がめっちゃセクスィーだった)。原作やアニメで見ていたイメージのままの斉藤だったと思います。その渋カッコ良さには何度も惹きつけられたし、もう、ほんとに、さすがは馬木也さんだなと。

比古清十郎:加藤和樹くん

久しぶりに和樹くんの舞台を見ることができたのがとても嬉しかった!冒頭の新選組での若き日の斉藤一役から見せ場アリ。あのギラギラした勢いや「フッ」と浮かべるニヒルでクールな微笑みに思わず悩殺されそうになっちゃったよ(笑)。やっぱり舞台の上の和樹くんは最高です。

そして本役の比古清十郎。登場するシーンからしてインパクト絶大。剣心に対して見せる師匠としての度量の大きさの丁寧なお芝居は相変わらず素晴らしい。厳しさの中にも優しさが籠っているのがひしひしと伝わってきます。徹平くんとは「1789」でダブルキャストだったので、今回共演する姿が観れたのも嬉しかったですね。
一番の見せ場はやっぱりクライマックスの葵屋での決闘でしょう。登場の仕方が反則急にカッコ良すぎてクラクラするww。そのあとも終始舞台を魅了し続けてて…なんというか、美味しいところをすべて持って行った感がハンパなかった(笑)。

それにしてもあのマント、重そうだったなぁ(汗)。あれを掛けたまま激しい殺陣を展開するわけだから相当体力消耗すると思う。マントを脱ぎ棄てた後の比古清十郎は色気とカッコよさがさらにマシマシ!!和樹くんファンはこの舞台絶対見たほうがいいなと思うほどでしたw。

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後述

全体的には見所満載の楽しい作品だったと思います。なんといっても殺陣の迫力は本当に凄かった。あの激しい全速力な動きをマチネとソワレで演じている日があるわけですから…、舞台俳優さんたちの体力恐るべし!!

登場するキャラクターも原作やアニメにかなり寄せてきていたし、ファンを裏切らない世界観もとてもよかった。映画版はどちらかというとシリアス路線が中心で暗い印象が強かったけれど、舞台版は明るさを残しつつリアルな殺陣も楽しめるエンターテイメント色の強い印象。個人的には後者の方が心から楽しんで見れました。好みは人によって違いますのであしからず。

かなーりお金がかかっている舞台だなと思いましたが、想定していたよりも客足が伸び悩んでいたのは残念。6月16日と千穐楽公演は配信もありということですが、できれば円盤化までいってほしいなと思っています(資金的な問題や著作権関連もあるかもだけど…)。

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