ミュージカル『ウェイトレス』大阪公演初日 2021.04.15ソワレ

主なキャスト感想

高畑充希さん(ジェナ役)

充希ちゃんのミュージカルを見るのは2011年に上演されたミュージカル『美男ですね』以来、なんと10年ぶりとなります。もともと『ピーターパン』に主演された経験もあるし実力のあるミュージカル女優さんでしたが、朝ドラ『ごちそうさん』に出演して知名度がぐんと上がった以降は舞台で見ることが少なくなってしまって勿体ないなと思っていました。

今回久しぶりに見て…その表現力の豊かさに驚かされました!透き通った聴き心地の良い魅力的な歌声に、ジェナとしての喜びや悲しみ、怒りややるせなさといったリアルな感情が詰まっていてめちゃめちゃ惹きこまれました。テレビドラマで培われた表現力が見事に舞台上で生かされていたなと。予想していた以上の素晴らしい熱演を堪能させてもらいました。

特に、2幕後半で夫への気持ちが完全に切れたときに歌われた♪She Used to Be Mine♪の説得力ある歌唱力は圧巻です。徐々に感情が盛り上がり心の叫びとして出てくる歌声には大いに心を揺さぶられて気が付いたら涙させられたし、劇場全体も感動に包まれ熱い拍手でショーストップ状態になってました。もっともっと充希ちゃんの歌声を聴いていたいと思いましたね。

昨年はコロナ禍で『ミス・サイゴン』が中止に追い込まれてしまいました。キム役で出演するはずだった充希ちゃん。これは何としても見てみたい!!上演が決まったら必ず彼女でチケットを撮りたいと思います。

宮野真守くん(ポマター医師役)

声優のほかにもマルチに活躍している宮野くん。彼のミュージカルは2016年の『王家の紋章』以来となります。あの時初めて彼のミュージカルを見たのですが、かなり私好みの役作りを見せてくれたので、今回も期待していました。

ポマター医師はどちらかというとヘタレキャラで、行動もオタオタしてるし言動も最初の頃はオドオドしていて挙動不審気味(笑)。診察用の用紙を落としてしまって慌てて取りに行く動作とかがめちゃめちゃコミカルで思わず吹き出してしまいましたww。
そんな頼りない雰囲気なんだけど、過酷な状況に置かれているジェナへの思いやりを見せるシーンも多くて、気持ちに余裕がなかった彼女が思わずポマターにすがってしまったのも仕方なかったかなという説得力がありました。

でも、出演シーンがどちらかというと少なめな印象もあったので、キャラクターとしての深みに今ひとつ欠けるかなぁと思うところも。これは宮野くんがどうこうということではないのですが、もう少しじっくりとジェナと向き合うシーンがあればよかったのになと思いました。

歌の上手さは文句なし!充希ちゃんとのデュエットも素敵なハーモニーを響かせていました。

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宮澤エマさん(ドーン役)

終始テンションの高い盛り上げキャラ的な感じで、展開的にシビアで重くなりがちなシーンの時には救いになっていました。男性慣れしてなくて動揺しまくり右往左往する場面でのテンションの高さは面白かったですw。

LiLiCoさん(ベッキー役)

今回が初めてのミュージカルとのことですが、そんなこと全然感じさせないほどの圧巻の存在感で、歌もとても安定していて見応えがありました(高音だけはちょっと不安定でしたが)。姉御肌で、厳しくも優しくジェナやドーンに寄り添おうとする姿はとても温かく感動的。でも、カルに対しては常に”肉食系”な一面をのぞかせててwwキャラとしてのギャップも面白かったですね。お忙しいとは思いますが、今後もどんどんミュージカルにチャレンジしてほしいと思いました。

渡辺大輔くん(アール役)

久しぶりにミュージカルの舞台での彼を見たのですが・・・まさかこんなクズ男の役とは思わなかったので登場した時ビックリしました(笑)。どちらかというと見た目もワイルド系なので、ジェナを怒鳴りつけたりするシーンの迫力はリアルでめっちゃ怖かった!あそこまで「最低男」を熱演すると、次にいい人の役が来なくなっちゃうんじゃないかと心配になるほどだったww。次はぜひ、爽やかな青年の役の渡辺君で会いたいです。

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おばたのお兄さん(オギー役)

小栗旬君のモノマネをよくしてるお笑い芸人さんという認識しかなかったのですがw、実に身体能力が高く歌も上手くてビックリしました!彼の見せ場はドーンに熱烈アプローチする場面。めちゃめちゃ動き回ってて不安定な椅子の上に片足で立ったりと抜群のバランスを披露しててまるでアクロバットのよう。終始ジェナにまっすぐ愛を伝えてる役柄に好感を持ちました。今後ミュージカルのお話たくさん来るのでは!?ほかの役でも見て見たくなりました。

勝矢さん(カル役)

大きな体でもシャキシャキ動ける面白い役者さん。今回は今まで見てきた役の中でもかなりワイルド系で、LiLiCoさん演じるベッキーと睨み合いをするシーンはめちゃめちゃ迫力があって面白かったですw。かとおもえばふと優しい一面を見せてきたりして、とても魅力的なキャラクターを熱演されていました。

佐藤正宏さん(ジョー役)

降板してしまった村井さんの代役としてのご出演でしたが渋い役どころでしっかりと舞台を引き締める存在感を見せてくださいました。店のオーナーで、たびたびダイナーを訪れてはジェナに軽口を叩いたりして少し困らせるのですが、実はとても温かい人で生活に困っているジェナに「パイ作りのコンテストに出てみないか」と誘ってくれたりします。そんな一面が垣間見えるので、2幕クライマックスの展開は切なくてウルウルっときてしまいました。
それにしても佐藤さん、少し老けてしまわれたなぁ。レミゼでテナルディエを演じられていた頃よりもかなり年齢が上に見えたので、時の流れを感じてしまった(汗)。いつまでもお元気で舞台に立ち続けていただきたい俳優さんです。

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後述

私が見に行った日は大阪公演の初日。お客さんの反応も良くて盛り上がってたし(声はもちろん出していませんが雰囲気で伝わります)、カーテンコールでの拍手もかなり熱かったです。

ただ、終演時間が20時ギリギリということもあってか、2回しかカテコが行われなかったのが残念!本来ならばもっと盛り上がって拍手であと2回くらいは呼べたのになぁと…。でも、こんな時期に大阪公演行ってくれたカンパニーには感謝の気持ちでいっぱいです。

劇中に登場する様々なネーミングのパイがとても美味しそうで、パイのお店に駆け込みたくなる衝動すら覚えたこの作品w。今のご時世ではなかなか飲食店へ足を運べない状況ですが、気兼ねなくお店に行けるようになったらパイを頼んでこの作品のことを思い出せたらいいなと思いました。

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