劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2023.07.16-17マチネ

飯田洋輔くん(ファントム役)について

7月後半からのファントムのキャストが変わったので、もしかしたら今回が大阪で洋輔くんファントムに会えた最後だったかもしれないなと思います…。まぁ四季は予想もつかないローテーションでキャスト組んでくることもあるのでこれで大阪が終わり、とは言い切れないところが本当にもどかしいんですけど(6月までファントムだった佐野さんが7月後半からも入られたのは本当に意外だったので)。
ただこの2日間の私としては”洋輔くんファントム大阪楽”の心境だったので、17日はオーバーチュアの音楽が流れだした瞬間からこみ上げるものを抑えきれず自然に涙が落ちてしまうほど最初から情緒がヤバかった(汗)。

♪ミラー♪

最初の第一声が出てくるまでのドラム音だけで今まで以上に心拍数がアップしてしまった私。もう尋常な気持ちでこの瞬間を迎えることができなくなってた(汗)。そして「私の宝物に手を出す奴!!」という洋輔くんファントムの怒りの歌声が炸裂。初めてその声を聴いて体中に電流が走るような衝撃と感動を覚えた昨年5月の時以上に鼓動が激しく脈打って同時に涙腺が決壊という非常に危ない状態になってしまった(汗汗)。

いやぁ…、もう、本当に凄い怒りの圧の歌声だった。これまで見守ることしかできなかった自分の目の前で全く知らない男がいとも容易く愛するクリスティーヌとイチャイチャしてるわけですから、そこで彼の感情が一気に怒りの方向に爆発したんだなということがこれでもかというほど伝わってくるような歌いっぷりだったと思います。深みと広がりと、そして心から湧き上がる感情とが入り混じったあの声、洋輔くん、やっぱりすごい歌い手であり役者だよ。

ミラーの向こうから姿が現れた時はいつも胸昂らせながら見てたんだけど、この2日間は”もう見納めになるかもしれない”という気持ちが強くなっちゃってたせいか「まだまだその姿を見たいのに」という想いも作動しボロ泣き状態となってしまいました(涙)。クリスティーヌを見つめている熱視線がたまらなく好きだった。

♪The Phantom of the Opera♪~♪Music of the Night♪

湖の向こう側からボートで現れる場面、本当に観に行くごとに美しさと威厳が増していってた。特に表情にファントムとして自信がみなぎっているのを感じるのがとても良かった。宙を描く指の動きはどこか艶めかしく、それと同時にフッと温もりを感じさせるような気を放っていたようにも感じるんですよね。不思議と心がちょっと穏かになる。それはたぶん、私が特別な目で洋輔くんファントムを観ているからのことかもしれないけど。

ボートからクリスティーヌを下ろし「歌え!私の音楽の天使よ」と促す場面。ひたすら彼女の歌声に陶酔していく表情がどんどんエキセントリックになってくの、大好きでした。最初に観た頃は一緒に口を開けて歌ってる仕草を見せてることが多かったけど、ここ最近は歌おうとしながらもクリスの声に感極まって自分の中に彼女の歌声を吸い込んでるみたいな表情をすることが多くなったような気がします。そこに洋輔くんファントムの進化を感じた私はもう、感極まって胸いっぱい(涙)。
ハットの投げ方は昨年のほうが綺麗にスッと袖に飛んで行ってたけど、不安定な飛びっぷりを見てファントムの心の興奮の高まりを感じていたのでこれはこれですごく良いなと。マントの脱ぎっぷりは非常にスマートで本当にカッコイイ。

そしてどんどん高揚感に包まれた洋輔くんファントムがクリスをバーンと前に押し出して「歌え、エンジェルオブミュージック!!!」と叫ぶ場面、あの時の彼の興奮した表情や仕草が本当に素晴らしくて大好きでした。ここの熱さが見るごとに上がっていくのを感じてボロ泣きしてました。私はずっと、激しい感情を表にバーンと出している洋輔くんのお芝居が見たかったのでねぇ。感無量(涙)。

クリスティーヌの歌が終わったあとファントムがオルガンを弾き出す場面。「連れてきた」の歌い出しの声が本当に凄い圧力で熱風に吹かれたかのような感情の昂りを感じる。クリスティーヌを間近で感じられることの喜びが頂点に達した喜びと興奮をこの場面で歌うフレーズにすべてぶつけてきてるように思えて本当に胸アツでした(涙)。
そのあと「私はおまえに求めた」のフレーズを熱く熱く歌いながら徐々に内に秘めていた自らの想いを彼女へと向けて解放していく。特に「私のために歌ってほしい、どうか」と楽譜を撫でながら意識を彼女に集中するお芝居がとても感動的で…その美しい祈りのような歌声にいつも以上に涙が止まりませんでした(泣)。

洋輔くんファントムのMotNは本当に本当に美しいです。この場面の歌い方、お芝居も観に行くごとに進化しているのを感じて何度胸を揺さぶられたか分かりません。特に「心は空に高く」と声を延ばす場面、あの柔らかくゆっくりと伸びていく深みのある歌声にクリスティーヌへの気持ちがこれでもかというほど込められている。ドラマを感じさせる。聴いているこちらもその世界観にいやが上にも引き込まれていく感覚が本当に大好きだった。
そして徐々に感情が昂り歌声が柔らかさから力強さへと変わっていく。ここの変わり目のところの歌い方も素晴らしいです。気持ちの揺れ動きが手に取るように伝わるんですよね(思い切りファン目線で見てるからというのもありますが)。

私は特に「新しい未知の世界へ二人で旅立つのだ」というフレーズのところの洋輔くんファントムの歌いっぷりが一番好きだったな。目に浮かびましたもの、彼とクリスティーヌが晴れやかな笑顔で理想郷の世界に旅立っていく姿が…。それが叶わないことを知ってるうえでこのシーンを見ると本当に泣けます(涙)。

ダミークリスに驚いたクリスティーヌが失神してしまう場面。「さぁ」と彼女を促して胸を張って得意げな表情でそれを見せていたのに、クリスが倒れた瞬間は全くそれを予想していなかったからか大きく目を見開いてものすごい動揺を見せる洋輔くんファントム。この仕草がもう本当に毎回私のツボでして。「どうしようっ」って感じでアタフタしてる姿がファントムのナイーブで人に慣れていない一面を晒したようにも見えてとても印象深かった。あのお芝居、洋輔くんだからこそ成立するってところがあるなと思ってて。ほんと、大好きだったな。
倒れたクリスにマントをかけその顔を覗き込んだ時の表情もとても繊細。彼女への愛しい気持ちが溢れ出ているのがその目線と仕草から痛いほど伝わってきて泣けました(涙)。

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オルガンを弾いて作曲してる場面。少し前までは浮かんできた音楽と会話するようにペンを走らせていましたが、今回見たら頭に降りてきた音楽のアイディアを一心不乱に五線譜に書き記すといった雰囲気になっていました。音楽が浮かんだ時の表情は今までになくエキセントリックで(芸術は爆発だ系w)楽譜と向かい合ってる時の目は血走っているかのように熱かったのがとても印象深かった。こんな情熱的な洋輔くんファントムもすごく良い!

クリスからマスクを剥がされた瞬間の大きな悲鳴は驚きと衝撃のあまり泣いているようにも聞こえるのがなんとも切ないです…。その後烈火のごとく罵詈雑言を彼女にぶつけるわけですが、「決して許さぬぞ!!」と吐き捨てるセリフからすでに涙声になってるんですよね…(涙)。もうこれが切なくて切なくてたまりませんでした。

倒れ込んだ後匍匐前進しながらクリスティーヌの元へ向かう時も、洋輔くんファントムは怒りの感情よりも嘆きの感情がより強く前面に出ている。今年に入ってからその傾向がどんどん強くなっていってて…その姿を見ただけで胸が苦しくて泣けて仕方なかった(涙)。
孤独の色が本当に強いんですよね。どんなに強い言葉でクリスティーヌに迫っていても、心の中では「僕を拒絶しないで」という悲鳴を上げてるように見える。マスクを返してもらった時の、「このまま彼女を自分の元に押しとどめたい」といった感情と格闘しているかのような表情は忘れられません(涙)。

♪イル・ムート♪

16日マチネはやや後方席だったので、プロセニアム・アーチから現れる洋輔くんファントムの姿を見ることができました。多分この日で最後になるだろうなと思ったので、オペラグラスでガン見して焼き付けましたよ。「ボックスの5番は空けておけといったはずだ!!」とお怒りモードで顔を出す洋輔くんファントムはギラついてるけどどこか美しさも感じられる。
反対側に移動してカエル声のカルロッタをあざ笑う洋輔くんファントム、私はこのときの表情がとても好きでした。今まで見たことがないような悪意に満ちた表情の笑い顔…、最高だったよ!ケタケタと冷たく楽しそうに笑う表情を最初に見たとき、新しい洋輔くんに出会えたような気がして本当に嬉しかった。

もうこの姿も見れなくなっちゃうんだな…と思ったら、寂しさが心の奥から沸き起こって泣く場面じゃないのに涙が溢れてしまった。

♪All I Ask of You♪(リプライズ)

エンジェル像から登場する洋輔くんファントムを見るのもこれでしばらくお預け…。16日マチネ、見納めだと思ったのでしっかり焼き付けようとオペラグラスで凝視しようとしたのですが…、あまりにも悲壮な表情ですすり泣くように歌う洋輔くんファントムを目の当たりにし、途中から涙でよく見えない状況になってしまった(汗)。心が悲鳴をあげてるのがリアルに伝わってきて本当に泣いた。なんって哀しい表情…!!!

ラウルとクリスティーヌの幻聴が聞こえてきたときにやっとの想いで絞り出すように呼んだ「クリスティーヌ」の名前…。たった一人取り残されてしまったかのような孤独感がこれでもかというほど私の胸に迫ってきて涙が止まらないよ(泣)。耳をふさぐときも本当にやっとの想いで手を上げてて…。その悲しみと苦しみが入り混じった感情が裏切られたという激しい怒りへと転化する。ここの感情の動き、洋輔くん、本当にすごく繊細に丁寧に演じてくれました。そんな姿を見れたこと、本当に本当に嬉しくて感無量だったよ。ありがとう(涙)。

♪墓場(Angel of Music リプライズ)

「ここへおいで、私の愛しいクリスティーヌ」と十字架から現れた時の洋輔くんファントムの美しさと柔らかさったらなかったよ。毎回登場する場面に心奪われてきたけど、この2日間はもうそれを通り越して想いが溢れすぎてボロ泣きしまくってしまった(涙)。墓場から去ろうとしていたクリスティーヌの足を止めるのに十分すぎるほどの心を包み込むような懐の深い柔らかい歌声…。何度それに心を揺さぶられてきたことか!!
ラウルが現れたことにも気が付かず、ただ一心にクリスティーヌへの愛を歌い続ける洋輔くんファントムの姿はとても神々しく眩しかった。思い出すだけでも涙が溢れます…。

ラウルに気が付いた瞬間は「チィッ!!」という舌打ちの声が聞こえてくるんじゃないかってくらい鬱陶しそうな表情してたのもとても印象深い。達郎くんラウルとのクリスティーヌを巡る対立はいつも以上に激アツで、火の玉8発中7発は確実に当たってたほど。ものすごい前のめりになってラウルへの敵対心を剥き出しにしている洋輔くんファントム。対する達郎くんラウルもそれを堂々と受けて立ちに行ってて、本当に凄い戦いだった。お互いに信頼し合う兄弟だからこそ出せた本気のぶつかり合いといった感じで、すごい瞬間に立ち会えてるんだなと思ったらちょっと武者震いがきたくらいです。
ラウルがクリスティーヌと一緒に去っていった直後の「行くなぁ!!」の叫び声は悲痛そのもの…。十字架にしがみつく勢いで必死に叫んでいる姿があまりにも哀しくて切なくて涙が止まりませんでした(泣)。

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♪The Point of No Return♪

ピアンジと入れ替わって出てきた瞬間から、黒いフード越しからも伝わってくるクリスティーヌを求める強い強い想いがヒシヒシと見る者の心に訴えかけてくる。あくまでのこの時点では表向きは”ドンファン役”として立っているはずなのに、クリスを目の当たりにした瞬間から泉のように湧き起こる彼女を求める気持ちが体中から溢れている感じ。今にも暴発してしまいそうな自分を必死に抑えこらえながら「愛」の歌を歌い続けている洋輔くんファントムの姿があまりにも切なすぎて号泣…。
歌えば歌うほど溢れてきちゃってるんですよね、クリスティーヌが欲しいという気持ちが。「未知の愛の悦び」とか「もはや戻れない」とか、どんな想いでこのフレーズを楽譜に乗せていたのかと思うと本当に胸が痛くて仕方ない。最初にクリスティーヌと最接近し顔が向かい合いそうになった瞬間、弾かれたように怯えたように顔をそむけてしまう繊細さも哀しくてたまらないです(涙)。

彼女が離れた場所で歌っている時、長椅子の上で溢れ出るほどのクリスティーヌへの想いに囚われ続ける洋輔くんファントム。呼吸は浅くなり、手指も興奮を抑えられないからか落ち着きなく宙を彷徨っている。おそらくあの時、彼の耳にはクリスティーヌの歌声は聞こえていなかったのではないだろうか。
そして再び彼女が一番近くにやって来た時、重なり合った手のぬくもりに堪えきれず思わず自分の元へその体を引き寄せてしまった洋輔くんファントム。「君しかいない、僕には君だけなんだ」という切実な心の悲鳴が聞こえてくるようで…切なくて切なくて滂沱の涙が(泣)。

この場面、正体を気づかれるまでの間まで洋輔くんファントムはずっとずっとクリスティーヌへの愛を体全体で叫び続けてるように見えるんですよね。その切なる気持ちがこれでもかというほど私の胸を大きく揺さぶり続けるのですよ(涙)。この表現力が見るごとに熱く進化していってて…あぁ、本当に大好きだなと実感してしまった。

クリスにフードを取られた瞬間は、大きく目を見開いて息が止まったかのように少しの間と気が止まっている洋輔くんファントム…。その瞬間までものすごく前のめりに彼女に迫ってたが故に、いざ姿を晒されてしまった時に何が起こったのか理解が追いつかないような感じに見える。
その後逃げるようにその場を離れ背中を向けるのですが…、もう本当にその姿が哀しくて哀しくて…。今にも泣き崩れてしまいそうな気持を大きく息を吐いて必死に堪えてる様子が映し出されていて、もう、見てるこちらとしては辛すぎて涙で前が見えなくなっちゃったよ(泣)。

それでも何とか息を整えてクリスティーヌの方に向き直るのですが、その時の表情があまりにもナイーブで脆くて震えてて…。指輪をそっと外し彼女の指にはめた後、泣き出しそうな自分を必死に堪えながらありったけの想いを告げようとする洋輔くんファントム。この一連のお芝居があまりに繊細過ぎて、見ていて胸が張り裂けそうになってしまった。なんって儚くも哀しい姿なんだよ、洋輔くん(涙)。
仮面を剥がされた瞬間の「うわぁーー!!」という叫びは驚愕というよりもショックすぎて心が壊れてしまったような哀しみに溢れてた。あの瞬間私の情緒ももう冷静ではいられなくなったというか…。ただただ胸が痛かった。

そんな中注目したのが達郎くんラウルが飛び込んでくる場面。警官がファントムに向けて銃口を向けた時、彼は必死に抑えててでもそれでも発射されたのを見て恐ろしい形相で「貴様!!」と怒鳴りつけながらクリスティーヌの後を追おうとしてました。ここの芝居もすごいスリリングだったな。
その後ファントムを二人で追いかけようとした場面で「あなたを信用していいか!?」と一度強くその手を払ったのも良かったです。彼はジリー夫人がファントムを擁護する立場なんじゃないかと疑ってた部分も大きいと思うんですよね。達郎くんの芝居からはその気持ちがハッキリと汲み取れました。

クリスティーヌを舟に乗せて嘆く場面。「憎まれ続け追いかけられるこの身の辛さ」というフレーズのところで洋輔くんファントム、もう、泣き崩れそうになりながら歌ってて…。最後消えゆく時の「クリスティーヌ、なぜ、なぜだぁ…!!」と響き渡る声のなんと悲痛なこと(涙涙)。常に忌み嫌われ追い詰められていたファントムの引き裂かれ続けた心の痛みがこれでもかというほど胸に刺さってきて涙なしには見ることができない…。

怪人の隠れ家

クリスティーヌを隠れ家へ無理やり連れ込んだ直後の洋輔くんファントムは激しい興奮状態で、クリスティーヌを突き飛ばすような感じだった。その後追手を確認しようと落ち着きなく外を気にしていたのですが、クリスから「飢えた悪魔の餌食の私」と非難の言葉を浴びた瞬間に彼女の方を向いてものすごい哀しい目をしながら息を大きく吸い上げて固まってた(涙)。一度は心が通じ合ったと想い天にも昇る気持ちになった相手から浴びせられた辛辣な言葉に激しいショックを受けているかのような表情で…、もう本当に辛い(涙)。
でもその後必死に強がって少し自嘲しながら「血に呪われた運命」と歌い出すのですが…、「醜く歪んだこの顔」というフレーズのところからそれまでの辛い思い出が一気にこみ上げてきて涙声へと変わる。「母にも嫌い抜かれて」を歌ってる時の洋輔ファントムは”孤独な少年”そのものです。ポツンとその場に取り残され行き場を失った哀しい姿のように見えて、息が止まりそうになるくらい泣いた(涙涙)。

自分の過去を語った後は「哀れみはいらぬ」と必死に自分を奮い立たせ弱い部分を隠そうとする洋輔くんファントム。でも、そうしようと思えば思うほどクリスに対する行動が荒々しくなり彼女の声にも耳を貸さなくなってしまうのが本当に哀しい。でも今回は「穢れは心の中よ」のフレーズは彼の中に入り込んでしまったように見えて…、それを必死に打ち消すようにブーケを乱暴に手渡してた姿がなお泣けたんだよな…(涙)。

ラウルがクリスティーヌを助けにやってきた場面。洋輔くんファントムはクリスティーヌに向けていたのとは全く違うギラついた目を向け冷酷に笑う。「返してくれ」とラウルが懇願してる時などは客席にも聞こえるような笑い声を漏らしていて、ひたすら挑発をし続ける。玉座に座る時の足組みも自分の優位を示すような雰囲気がすごく出てた。
そして衝撃的だったのが、ラウルの首に縄をくくりに行く場面。彼を締め上げた直後狂ったように高笑いしてて挑発をさらに強めてた。なんかもう、その姿があまりにも追い詰められ感が強すぎて痛々しすぎて見ていられなかったよ(涙)。自分で自分の首を絞めているようにしか見えなくて、歌えば歌うほど心が崩壊していく様が本当に辛くて息が止まりそうなくらい泣きました…。

そして、オルガンの前に立ち「もはや引けないぞ」と息を詰めたかのようにクリスティーヌの反応を待つ洋輔くんファントム…。でも帰ってきた言葉は期待したものではなくて、それどころか「憎しみ」の感情を向けられてしまうわけで…。狂おしいほど愛しい相手から激しい拒絶の感情を向けられた瞬間、絶望のあまり心打ち砕かれてその場に立っていられず崩れ落ちる洋輔くんファントムの姿はあまりにも哀しすぎて…。自分でもよく声を抑えられたなってくらい泣いてしまった(涙)。

それでも今回が最後かもしれないと思って必死に洋輔くんファントムの姿を追っていたのですが、ラウルとクリスティーヌに激しい言葉を浴びせながらもところどころで漏れ聞こえてくる悲痛な嗚咽声に耐え切れず涙に溺れてしまった私。錯乱状態のようになり苦しんでいる姿を目の当たりにして、もう哀しくて辛くて痛くて…情緒がコントロール不能になってしまった(汗)。

さらに私の心を貫いたのが、クリスティーヌがファントムに向かって手を合わせて懇願する場面。この時ファントムは彼女の顔をじっと見つめるんですが、洋輔くん、「昔は心捧げた」というクリスの言葉にものすごく心動かされて一瞬それを受け止めようとしてしまうような表情を見せるんですよね。でも、その気持ちを無理やり抑え込むように払い除けて「許さない、選べ!!」と叫んでしまう。だけど背けた後の表情は今にも泣き崩れてしまいそうに歪んでて、抑えきれない嗚咽の声が漏れ震えてるんですよ(涙涙)。
あんなん、もう、見てるこちらも堪えきれないよ!!!限界すれすれの感情のまま立ち尽くしてる洋輔くんファントムに胸が張り裂けてしまい体が震えるくらい泣いた。あそこで声を出すまいと耐えきった自分、すごいなと思う(苦笑)。

クリスティーヌのキスを受けた場面、洋輔くんファントムはその場で起きていることの理解が追いつかないかのように手が宙を彷徨い続けているのですが、彼の中のドス黒い負の感情がスーーッと引いていくのを感じました。まるでクリスティーヌが彼の黒く抱えていたものを吸い取っているかのようにも見えたかも。牧クリスにはそれだけの母性を感じました。
彼女の唇からもがくように離れた洋輔くんファントム、嗚咽を漏らしながら泣いててもう本当に辛いんですけど、それまでの追い詰められた苦しみみたいなものとは違った感情がそこにあるなっていうのが感じられたんですよね。この心の表現力が本当に繊細で胸を打ちます。

涙に歪んだ表情でフラフラと歩みを進めながらも首を絞められているラウルのうめき声にハッと我に返る場面。達郎くんの苦しみ方がすごくリアルで本当に縄で締められてるんじゃないかってほどなのがすごいです。我に返った時の洋輔くんファントム、達郎くんラウルの前に蝋燭を持って彼をにらみつけるのですが、ここの二人の視線のぶつかり合いがとてもスリリングで印象深かったです。
洋輔くんファントムはクリスティーヌをラウルと一緒に行かせたくないという強い想いをロープと共に無理やり断ち切っているんですよね。断腸の思いとはまさにこのこと…。

そして「二人して出ていけ」と促す場面。この時の洋輔くんファントム、やっとの思いで声を出しているように見えて本当に切ないです。さらに今回見たら…、1度目の「行け…!」のあと玉座に座ってウッウッと嗚咽を漏らして少し泣いてたんですよ(涙涙涙)。だけどクリスが立ち尽くしてる姿が目に入って、狂ったように「行ってくれ、お願いだーーー!!」と心が張り裂けそうな声で叫ぶ。もうこの一連の感情表現があまりにも繊細過ぎて息が止まりそうになるくらい泣いた(涙)。ほんっとに哀しかったよ、洋輔くん…!!!

二人がいなくなったことを確認した後、再び嗚咽を漏らしながら泣く洋輔くんファントム…。そこに聞こえてきた猿のオルゴールの音に気づき、♪マスカレード(リプライズ)♪を歌いながら愛する者を手放し孤独になってしまった自分を噛みしめるように肩を落とすのですが…、「仮面に隠れて生きてきたこの人生」と歌い終わった後に少し自嘲しながら崩れ落ちそうになるんですよね。あの孤独そのものの姿が本当に哀しすぎて泣かずには見ることができない…。

そこに現れた牧クリスティーヌ。気配に気づき顔を上げ彼女の前に立った洋輔くんファントム、これまでとは違う穏やかでどこかちょっと優しい雰囲気を醸し出してた。彼女が指輪を返そうとしているのを見て一瞬動揺するような表情をするんだけど、すぐに向き直ってほのかに笑みを浮かべ別れを予感しながら「I LOVE YOU」と柔らかな愛の言葉を捧げる。
牧クリスはその言葉を聞いて去り難い気持ちが込み上げているようでしたが、断腸の思いでラウルの待つところへと走り去ってしまった。その後姿をただ黙って見送ることしかできなかった洋輔くんファントム。思わず彼女に向けて伸ばしてしまった手を掴むものは誰もいなくて…ラウルと共に船で去るクリスの歌声だけが響いている光景がとにかく悲しかったです(涙)。

返された指輪を自分の指にはめてキスしたあとその場をさろうとしますが、ふとクリスティーヌが投げ捨てたヴェールが目に入る。その瞬間、洋輔くんファントムのなかの堪えに堪えてきた孤独な感情が堰を切ったように溢れ出してくるんですよね(涙)。まるで愛した人の残像を抱きしめるかのようにヴェールを胸にかき集めか細い声で「クリスティーヌ」と名前を呼日ながら泣き崩れた姿はあまりにも切なすぎる(涙)。一度掴んだヴェールが涙ではらりと彼の手元から落ちてしまう光景は彼の孤独や後悔の気持ちが滲んでいるように思えて、泣けて泣けて泣けて仕方ありませんでした(涙)。

クリスティーヌとラウルがファントムの隠れ家から二人で去っていく後ろ姿を見つめた哀しい背中、そんな自分の気持ちを必死に奮い立たせるように歌う最後の絶唱。だけどクリスティーヌを手放してしまったことへの身が割かれるほどの哀しみは払拭できず、「夜の調べとともに」の歌唱は込み上げてくる涙を必死に堪えたかのような響きを含んでいて…もう息ができなくなるくらい泣きました(号泣)。玉座から洋輔くんファントムの姿が消えたとき、私自身ももう堰を切ったように泣き崩れた状況みたいになっちゃって(汗)。隣近所の方のご迷惑にならないように声を出さず自分の座席の中だけで感情をセーブするのがホント大変で(苦笑)すべてが終わったあとは消耗しすぎて体が一時停止したかのように動けませんでした(汗汗)。

洋輔くんの舞台に関して私個人はすごい特別な視線を送りながら見てしまうのですがw、ここまで崩れ落ちそうに泣いたのはホント久しぶり。最後の最後は「まだ行かないでーー!!」と本編とは違う感情が抑えきれず、色んな感情がごっちゃな状態になっちゃってボロボロに(汗)。もしこの日が最後になってしまうとしたら、次にいつ洋輔くんに会えるかわかりませんからね。役者個人にここまで激しく思い入れを懐きながら見てしまうのは彼だけなんだよなぁ。このファントムという役はずっとずっと待ち焦がれていたというのも相まって、思い入れが半端じゃなかった。

だけど、私はこんなボロボロに消耗するくらいの感情を揺らしてくれる洋輔くんの舞台が本当に大好きなのです。まだ別れたくないよ、っていうのと、ありがとう、っていうのと、なんか終わったあとは色んな感情が絡み合いまくってただただ涙しか出なかったな。

残すところ1ヶ月弱、洋輔くんの予定がわからないので今ここで最後の感謝の気持は書きづらい。終わったあとに少し述べたいと思いますが、この2日間、本当にすごいものを見せてもらいました。応援してきてよかったって心から思えた熱演でした。ありがとう、洋輔くん。

※7月22日から緊急登板で再び出演が決まったようですね(まだ大阪にいるような気はしてた)。もしかしたら7月いっぱいかもしれないし、こればかりはどうにもわかりません。とにかく体調にだけは気を付けて!それだけを本当に祈ってます。
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後述

カーテンコール、1回目と2回目は達郎くんかなり疲弊していたようで笑顔は薄めだったかな。洋輔くんは大きく方で息をしたり「ふぅ」と吐きながら呼吸を整えたりしながら万感の思いを込めながら中央に立っていました。それくらい激動の芝居したものね。その熱量が本当に嬉しかったよ…!!さらに3回目くらいのときには客席全体を見渡したあと小さな声で「ありがとうございます」って口が動いてた。それが聞こえたからか横にいた達郎くんもお兄さんの手をグッと握ったように見えて…それがまた激アツな光景で涙がポロポロ溢れて止まらなかったよ(泣)。

最後のお手振りも皆さんどんどん熱くなっていて。達郎くんは相変わらず袖に引っ込む直前でファントム役の洋輔くんに向かって大きな拍手を送り彼を立てながら帰っていきました。彼のこういう自然な仕草が本当に感動的でね。カンパニーに対してもお客さんに対してもすごいリスペクトを感じるよね。
そしてそれに答えるように洋輔くんも舞台袖で深く一礼したあと満遍なく最後の最後見えなくなる寸前まで全方向に手を振り続けていた姿が印象的でした。あのシャイだった洋輔くんがこんなにもみんなに笑顔を向けてるなんて…それだけで胸熱(涙)。

幕が下りてもなかなか余韻が抜けなくて後から後から涙が落ちてきて困った(汗)。帰りの電車の中でもふと思い出してはツゥーーと涙が落ちてきちゃう危ない状況で山口に帰った私です(汗)。

本当にこの日で洋輔くんは終わりだったのだろうか?達郎くんはもしかしたらノートルダムに行くかもしれないっていうのはあるんだけど…。気になるのは岩城さんの存在。北海道ご出身ということで先日まではLMの札幌公演にいらっしゃったのは知っているのですが、その後抜けられてからは行方が分からず。お休みに入ったと思っていた佐野さんが7月後半担当されてるので、今後どのような動きになるのか全く読めません(汗)。
私の「オペラ座〜」観劇は残すところ8月のみ。ここで岩城さんと再会することはできるのだろうか?っていうか、体調とか大丈夫ですよね??情報がないのでお姿ないとホント心配になってしまう(汗)。岩城ファントムにも猛烈に会いたいんですよ、私…!お元気でありますようにっっ!!

※追記(8/1)
岩城さんは新しい役のお稽古に入っていたようです(『アラジン』のジーニー)。大阪でお会いする願いは叶いませんでしたが、お元気と言うことが分かってひと安心です。

洋輔くんも6月から7月までかなりのハードワークだったからな。少しでも心を休めてリフレッシュしてまた元気な姿で会いたいです(たぶんこの日で最後だったかと…)。せめて予定が分かればなぁ…(四季の特定の役者のファンになるとこういうとき精神衛生的にキツイ 苦笑)。

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