ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』2020.01.14ソワレ

主なキャスト感想

クロロック伯爵役の山口祐一郎さんは大阪でも好調をキープされてました。1幕ラストや♪抑えがたい欲望♪のロングトーンも健在で劇場中を支配する圧倒的な歌唱力が素晴らしかったです。
この役だけは祐一郎さんのあの手の位置とか独特の動きが気にならないんだよねぇ(囁き声から地声に移行するときの変わり目だけは気になるけどw)。あの存在感と迫力は祐一郎さんにしか出せないって思ってしまう。ただ、今後を考えたときにあとを継げる役者さんが出てくるのか…。長く再演してほしい作品なのでそこはちょっと気がかりです。

アブロンシウス役の石川禅さんはもう、すべてが達者。コミカルでソフトなセリフ回しも全く違和感ないし、どんなに早口のナンバーでもちゃんと言葉の一言一言が客席にまで伝わってくる。アルフレートとのやりとりも自然な形で接しているのでただのコメディっていう風には見えてこないのもすごいと思います。
さらに面白いだけじゃなくて、たまにセリフにすごい重みを感じさせて見ているこちらがグッとくる瞬間もある。アルフを誘惑する伯爵と対峙するシーンの禅さんの芝居は特にカッコいいです。

サラ役の桜井玲香さんは元乃木坂46のアイドルだった子で、今回が大作出演2作目なのだそう。乃木坂メンバーといえば今活躍している生田絵梨花さんが浮かびますが、彼女はまだ現役アイドルやってますね。
さすが元アイドルだけあって、パッと見ただけで輝きが違う!思わず目を見張るような華やかさがありました。アルフレートがメロメロにされてしまうというのもすごい納得できる。本当に可愛いサラだったし小悪魔的雰囲気にも合ってました。ただ肝心の歌ですが、音程は合ってたけどいま一つ響いてくるものがなかったかなぁ。っていうか、客席の後ろのほうまで声に乗せた想いが届いてなかった気がする。すごく一生懸命歌ってるのは伝わってくるんだけど、サラとしての歌唱としてはうーーん、ちょっと弱かったかも。もっと気持ちを前に出す重みみたいなのが欲しかったです。

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アルフレート役の東啓介くんは2年前にミュージカル『マタ・ハリ』で観て以来だったのですが、久しぶりに見て改めて背の高さを実感w。祐一郎さんが見上げている姿を初めて見たよ(笑)。スラっとして背が高い東くんは今までのアルフとイメージがかなり違うなと思いましたが、彼なりの新しい解釈で演じていてすごく好感が持てました。教授にあんなに食って掛かってるアルフ初めて見たしw、それがまたほんとに面白かった。
それから歌の進化が本当に素晴らしかったです!『マタ・ハリ』の時よりも格段と歌唱力が上がってた!!この感動は昨年ロミジュリで大野拓朗くんの歌を聞いて以来の衝撃だったかも。特に♪サラへ♪の歌いっぷりがとても素晴らしかった!ここまですごく努力したんだろうなぁって思えてなんかちょっと感動してしまいました。声の響きも落ち着きある中に艶っぽさもあるし、今後の活躍がますます楽しみです。

阿知波さんのレベッカ千弘ちゃんのマグダコングさんのシャガールも良い結束力で宿屋のシーンでの攻防とかは帝劇で観たよりも面白かったです。シャガール役のコングさんがマグダを隠すときに「なんか、ピッコ、ピッコって言ってる」とオケの音楽にビビってたのは特に笑いましたw。

クコール役の駒田さんは少ない出番ながらもインパクト絶大で見るたびに愛しさが湧いてしまうw。蝋燭をもらって客席に降りたとき、目が合った前方のお客さんに「こんにちは」ってあいさつするのが特に萌えポイント(笑)。そう思えるのもやっぱりクコちゃん劇場がある所以ですよね。

今公演の一番の収穫だと思ってるのが植原くんのヘルベルト。帝劇で観たときも衝撃だったけど、今回大阪でもう一度見て改めて「長く見たいと思えるヘルベルトだな」って思いました。妖艶だし可愛らしいし、何より動きが本当にしなやか。片手側転は特に印象的だった。これまで観てきた植原くんの役柄の中で一番のはまり役だったと思う。次も必ず会えますように!

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後述

帝劇の千穐楽もかなり盛り上がっていたようですが、先日幕を閉じた大阪の大千穐楽も負けずに盛り上がったようです。叶うならば駆けつけたかったーー。

カテコのダンスも楽しかったなぁ。振り付けもバッチリ覚えちゃってるから自然に体が動く感じ(笑)。ちゃんと赤いハンカチも持参したし、最後はぶんぶん回してきました。一人観劇でもこういうことができるTDVやっぱり最高!

今度はいつ再演してくれるのかわからないけど…でもまたこうして地方にも来てほしいです。またあの血沸き肉躍るような感覚に陥りたい。

終演後に行われたトークショーについては次のレポで。

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