劇団四季ミュージカル『ウィキッド』2007.08.03 マチネ

1ヶ月ぶりに劇団四季の『ウィキッド』を観に行ってきました。前回はストーリーを追うのとスケールに圧倒されることばかりで実は完全には満足できなかった部分もあったんですが、今回はほぼ100%満足できる観劇となりました!これはリピートしたいって初めて思いましたから(年末チケットも購入 笑)。前回よりもストーリーのテンポが良くなっている気がしたのも要因のひとつかも。
1回目の観劇レポートではほとんどネタバレ感想書きませんでしたが、今回からちょこっと書いていこうと思います。パンフレットは8/3現在まだ初期バージョン。舞台稽古の写真が掲載されてました。四季の会の方は会員証を提出すると幾分安くなるのでお忘れなく。

主なキャスト

グリンダ:沼尾みゆき、エルファバ:濱田めぐみ、ネッサローズ:小粥真由美、マダム・モリブル:森以鶴美、フィエロ:李涛、ボック:金田暢彦、ディラモンド教授:武見龍磨、オズの魔法使い:松下武史

以下、ネタバレ含んだ感想になります。ご注意を!

 

まず舞台セットですが、どことなくディズニー作品のような匂いのある雰囲気になってました。一番目立つのがオープニングとオズ登場で活躍する舞台上部中央のドラゴン。あれはかなーりデカイし迫力があります。人力で動いてる(しかも一人!)っていうのもすごいと思ってしまった(←これはバラしてもいいのか分からないので興味ある人は反転して下さい 笑)。両脇にはバルコニーのような部分があり、けっこう面白い演出で使われていました。
ストーリーは『オズの魔法使い』のアナザーストーリーです。前回は「オズの魔法使い」の記憶がほとんど薄れた中で観たんですが(苦笑)、今回はちょっとおさらいした上で観劇。するとやっぱり作品自体の面白さは倍増します。「このバックグラウンドがあった上でこういう事件があったのか」とか「あの場面の背景にはこんなことがあったのか」とか観ながら謎がどんどん解けていく快感みたいなのがあるんですよ。やっぱり原作を知っているのとド忘れしているのとでは「ウィキッド」の楽しさは違うなぁと実感したのでした。

特に印象に残るシーンはオープニング、グリンダとエルフィの友情、フィエロとエルフィの恋、そしてハッピーエンドながらもシビアなラストシーンです。

オープニングで歌われる「♪だれにも愛されずに死んでいったウィキッド」というフレーズはなんとも残酷な響で胸にグサッと突き刺さるものを感じました。なぜそこまで憎まれてしまったのかと思うと切なくなります。
『オズの魔法使い』で登場するエルフィ(西の悪い魔女)は悪魔のような存在なんですけど、「ウィキッド」に登場するエルフィは動物想いの心優しい女性として描かれています。ただ不器用な性格でそれゆえに悪に仕立てられてしまうんですよね…。なんか“誰もが陥りそうな罠”って感じでやはり知らず知らずエルフィに肩入れしながら観てしまうのです。

グリンダ(善い魔女)と友情を結べたエルフィでしたが、同じ男性・フィエロを好きになってしまってから一時関係が悪化します。それでもフィエロへの愛を貫くエルフィ…、この二人のラブシーンはこの作品の中でも特に好きですね。そしてまた、そのことに心傷めたグリンダが結局は友情のほうを選び許してしまうところも感動的です。

エルフィとフィエロ、そしてグリンダのラストシーンは意外な展開をみせますが・・・私はこのファンタジックなストーリーの中にあってはかなりシビアな結末だなぁと思ってしまいました。それで良かったのか、そうではないのか・・・今はまだなんとも言えない感覚です(汗)。これは観た人の感想に委ねられているんじゃないかと思うのでぜひ劇場で確かめてみてください。

それともうひとつ印象的だったのがエルフィの妹ネッサとボックの関係。彼らも「オズの魔法使い」のストーリーに絡んでくるキャラだと後半分かるんですが・・・ネッサの存在があまりにも・・・(涙)。私的にはかなりボックを恨みますね(苦笑)。

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濱田エルファバは今回も絶好調です!抜群の安定感は本当に素晴らしい。役の中に魂が入ってますよね。濱田さんご自身に稽古中色々不幸が重なったというエピソードがありますが、それを見事に役の中に投影させているように感じます。彼女のエルファバは本当に一度は是非観てほしいです。

沼尾グリンダもとってもチャーミングで可愛い!ちょこっと四季発声法が気になりますが(苦笑)それでもちょっとバカっぽい動きとか喋り方とかでとても魅力的なキャラクターを作っていると思います。ちなみにグリンダのセカンドキャストには佐渡さんが入っているんでちょっとビックリしました。あのバカっぽいお嬢様キャラをどう演じるんだろうか(笑)。それもちょっと興味心身だったりします。

李フィエロもとっても魅力的だしカッコイイ!特にグラサンかけて初登場するあの不良っぽさがなんだかとてもセクシーで目を惹きました(笑)。台詞部分になるとどうしても中国訛りっぽくなってしまうので幾分ハラハラはするんですけど(笑)それでも歌声に安定感もあるし、グリンダやエルフィが惚れちゃうのも分かるキャラクター作りをしていると思います。ダンスの動きがめちゃくちゃきれいですしね。(フィエロのセカンドは北澤さん。こちらもすごく興味あり!)

次の観劇は年末・・・と言いたいところですが、この分だと秋口あたりにもう1回予定が入りそうです(爆)。新しいキャストもどんな感じなのかちょっと興味がありますのでその頃にもう一度行けたらいいな。

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